中野吉之伴フッスバルラボ

ドイツカップ準々決勝 フランクフルト-ブレーメン 鎌田選手コメント「(前線の)3枚でチャンス作ってやり切れるのは増えてきている」

▼ フランクフルト 2-0 ブレーメン

4日フランクフルトで行われたDFBカップ準々決勝の試合はスタメン出場した鎌田大地の得点もあり、フランクフルトが2-0でブレーメンに勝利。鎌田は82分に途中交代。長谷部誠は出場なし。大迫勇也は66分からレオ・ビッテンコートと交代で出場。

今回は試合後ミックスゾーンでの鎌田との一問一答をお届けする。基本的に現場では複数の記者・通信員が選手を囲み、質問を順次していく。ただみんながみんな質問をするわけではないし、できるものでもない。それは現場において取材時間や質問本数が決まっていることもあるし、またその時々で取材に来ている人数も違う。だから代表の数人がリードする形で進行していくケースが多い。これは日本人だからというわけではなく、各国の報道情勢は基本的にどこもそんなに変わりがない。やはり選手コメントはどの国でも重要なので、大活躍した選手やチームの要となった選手が対応してくれる時には多くの報道陣が、それこそ”囲み”こむわけだが、距離が遠いと音声録音も難しいので人の間から必死に手を伸ばして何とか音を拾おうとする戦いが始まる。

とはいえ”声”を獲得できたらそれでオッケーではなく、それをどのように記事に反映させるのかがライターの腕の見せ所だし、どのようにその”声”を引き出したのかも重要なのだと思うのだ。選手と対峙した時にどんな質問をぶつけて、どんな答えを聞き出し、それに対してどのようにまた話を振るのか。上手くいくこともあれば、お互いの話がかみ合わなくなることもある。すごくいい話が聞けるときもあれば、相手の口を閉ざさせてしまうこともある。人間同士だから起こりうること。

ただ昨今のメディア業界を見ているとと、そのあたりがあまり大切に思われていないような感じもする。ネットでは速報としてハイスピードでどんどんアップされていくし、内容よりも見出しでPV数をという流れはまだまだ見受けられる。選手がインスタやツイッターでアップしたものを転用して記事にしてというのもある。現地評や新聞の評価を入れないとビュー数が伸びないからとそうした情報アップにどんどん傾向している。現地のニュースを面白おかしく翻訳されてアップされるニュースだって多い。

中にはもちろん素晴らしい翻訳記事もあるし、そうやっていろんな情報を入手できることの素晴らしさはあると思う。それぞれの媒体でそれぞれの事情を抱えていることも理解している。ただその濁流の中で、せっかく現場まで足を運んで選手と向き合って試合をしっかり取材して直接話をして聞き出せたコメントで構成されたり、分析した記事と、現地紙に掲載されたコメントをただ翻訳して出された記事とが同等に扱われるのはやはりやるせない。なので、自分にできる範囲で一石をという思いから、現地で取材した一問一答を今後自分のWEBマガジンでアップしていこうと思った次第だ。

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