【サッカー人気4位】【コラム 】あのとき君は若かった?! …

中野吉之伴「子どもと育つ」

【質問】日本式ドリブラー育成法みたいなのが、世界中のどの国でも行われていないのはなんで?

▼ 読者の質問にお答えします!

前回は「試合中のドリブル縛りについてドイツはどうですか?」という質問をいただいたが、その冒頭で私からの返事は次のようなものだった。

「ドリブルだってサッカーだ」

そう主張する人もいる。その通りだ。サッカーの中でドリブル突破は非常に魅力的で、効果的な武器でもある。でも、ドリブルだけを取り上げるのって、個人的にはとてももったいない感覚だなぁと思うのだ。ドリブルに限らなくてもいい。パスだろうがシュートだろうが、それだけでは機能しないのだから。

サッカーって個人スポーツではない。個々がグループとなり、そしてチームとなることで、よりそれぞれの力を発揮しやすくなり、そうした雰囲気の中でプレーができることで、喜びも憤りも、悲しみも素晴らしさも共有できることが素敵なんだと思う。つながり合いが生まれることで、それぞれの力を何倍にも引き出し合うことができる。

自分一人だけが満足して、ほかの子が楽しめないんだったら、それはあまりに寂しい風景ではないだろうか。上手い子にボールを集めて、その子の活躍で勝利する。試合に勝ったらうれしさはあるだろう。でも、ほとんど試合に絡めないまま終わって、心から満足できるだろうか。私だったらできない。

こうした考えに対して、「そんなことだからいつまでたってもドリブルで勝負できる選手が生まれないんだ!」と憤られる方がいるだろう。日本人でワールドクラスの”ドリブラー”というのは確かに出てきていない。でもだからと、ドリブル縛りで試合をしたり、ドリブル塾に通いつづけることが、どんな状況でもドリブルで相手の守備をこじ開けられる選手が出てくることに結びつくとは思えないのだ。

そもそも、世界のサッカーシーンでは情報更新スピードがものすごい速さで進んでいる。さまざまな世界最先端の理論が現場レベルにおける根本的な現象に照らしあわされて、ディスカッションが積み重ねられている。

日本は欧州に比べてサッカーの歴史がまだ短い。

おそらくサッカーに携わる人ならだれもが実感している点だ。ではそのサッカーの歴史が長く、様々な経験があり、さらに学術的な研究も進み、情報交換スピードが上がり、現場検証からのフィードバックを丁寧に行い、長期的な視点でシスティマティックに、その中で個々の能力を最大限に引き出すための最適解を求め続けている国々で、「ドリブル縛りで試合をする」」「ドリブルやボールコントロールを身に着けるためだけのスクールに通う」という取り組みをやっているところが、一つもないのはなぜだ??

そうした国々の指導者に、日本式ドリブラーの育成法を伝えて、感想を聞こうとすると、一様に眉をひそめて、「サッカーの話をしたいんじゃないのか?」という反応をされるのはなぜだ???

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