中野吉之伴フッスバルラボ

外出制限中!買いだめが社会的ニュースになっているなか、ドイツ人が買っている意外なものとは?

こんにちは。無料コラム担当のゆきのです。

322日(日)、大手スーパーマーケットチェーン・エデカのチラシにこんなレシピが掲載されました。

“野菜パスタ” 野菜と和えたスパゲティ…ではありません。スパゲティの代わりに、細く切った大量のニンジンやズッキーニを、チーズやハーブやオリーブオイルでいただくレシピ。

「パスタがなければ野菜を食べればいいじゃない!」とはさすがに書いてありません

ローカーボダイエットはドイツでも一時話題になりましたが、小麦粉やパスタが入手しにくくなっている昨今、こんな置きかえレシピが見直されているのでしょうか。サラダとして食べるなら美味しそうですが、家で子どもの昼食にこれをメインで出したら暴動が起きそうです。

昨日24日には、ドイツの大衆紙”ビルド”で、過去週間にドイツ人が最も買ったものランキングが掲載されていました。お買い物アプリ”ブリング”によれば、最も買われたものは各種缶詰。保存用としてやはりどの家でも常備品の備えをしっかりとしておきたいのでしょう。わかります。でも2位はとっても意外なものでした。消毒スプレー?ハンドソープ?マスク?どれも違います。

acworksさんによる写真ACからの写真 

答えは「土」です。ガーデニング用の土。実はコロナウィルスによる各種の制限が発表され始めたころから、ドイツではずっと良いお天気の日が続いており、日照時間も冬にくらべてめきめきと長くなっています。ガーデニング好きな人なら、冬の間お休みしていた土いじりを再開するには絶好のお天気なんです。また、本来なら4月に祝われるはずのイースターのお祝いには、スイセンやチューリップといった春の花が欠かせません。不要不急の外出は禁止ですが、自宅の庭やベランダのお手入れをするのはOK家で過ごす時間が大幅に長くなることに備えて、せめて生活にお花で潤いをと、多くのドイツ人が土をまとめ買いしたのだとか。

ちなみに、食品や生活必需品を売る店以外は全て閉店している現在のドイツですが、ホームセンターは「生活必需品を売る店」にカウントされています。普段から趣味としてDIYをたしなむドイツ人は多いので、ドイツのホームセンターはどこもとても広く、充実の品揃え。大多数の人にとって家にいるしかない時間がものすごく長くなってしまった昨今、家の内外のちょっとしたトラブルくらいなら自力で対応できるように、ホームセンターもいつも通り営業中なのです。もちろん、プロの各種修理業者も通常通り営業しているので、自力で手に負えないトラブルなら業者が来てくれますが、残念ながら普段からドイツの業者は対応に時間がかかるので、この非常事態だともっと時間がかかる可能性も。自分でなんとかできれば安心ですね。

ブンデスリーガをはじめ各種スポーツのスポンサーとしても、大手ホームセンターチェーンは日頃からものすごく存在感があり、ホームセンターのCMの入らない試合なんてありません。非常時でも安定感のあるホームセンター、なんだかすごくドイツっぽい……。

イースターといえばチョコレートでできたウサギや卵が定番のギフト。この時期に友人や親戚を訪問するとき(特に子どものいる家)には手土産としてこれが欠かせませんし、職場や学校や近所の人などで贈り合うことも多い季節のスイーツです。子どもたちがイースターエッグ探しをするときにもこんなチョコレートの卵がよく使われるのですが…

今年はイースターの1か月近く前から半額になっています。日本のお盆のように、多くの人が帰省し、家族や親戚で集まり、それに合わせて様々なイベントが催されるのがイースターなのですが、今年は教会での行事も家庭での集まりも、人が集まることはとにかく全て中止。例え自宅であっても、内輪の集まりであっても、大人数が集まることは禁止。ごくごく少人数で、近縁・近所の親族が短時間集まるくらいがギリギリセーフでしょうか。ですからイースターの手土産であるこれらのチョコレートも需要はガタ落ち。この感じ、日本の行事に例えるなら、1月からすでにバレンタインデーのチョコレートや恵方巻が投げ売りされているようなものでしょうか。

先ほどガーデニングの話をしましたが、家庭での栽培用ではなく切り花のほうは、出荷しても購入が見込めないことから、大量に廃棄されているという悲しいニュースもあります。もちろんこんな状況下で、家の中のささやかな楽しみとして花を買う人も少なくはないのですが、花といえばドイツでは家を訪問する際の鉄板の手土産なので、人の行き来がほぼゼロになってしまったのは生花業界にとっては最悪の打撃だったようです。(参考→AFPBB NEWS

子どもの遊ぶ姿が見られなくなってしまった公園に、見る人のいない桜の花が物悲しいです……。

とはいえ、私も子どもたちも夫も、制限だらけの生活ではありますが元気にやっておりますのでどうぞご心配なく。また次回も今のドイツの生活レポートをお届けする予定です。今日もお読みくださりありがとうございました!

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