中野吉之伴フッスバルラボ

指導者論から遠隔コミュニケーションを考える

こんにちは!無料コラム担当のゆきのです。先日は月曜日に更新したあと、水曜日の更新をお休みしてしまい、申し訳ありませんでした。

すでに中野がこちらでご案内させて頂いているとおり、このWebマガジンは、より見やすく、使いやすいデータアーカイブとしてご活用頂けるよう、現在コンテンツの整理など様々なバージョンアップを試行錯誤しているところです。私は編集・管理を担当させて頂けるようになってからまだ日が浅いため、過去の記事を改めて振り返ることのできる、私にとっても有難い機会となっています。時間が経つにつれてアップデートされていく内容、古びていく内容も中にはあるかもしれませんが、時間が経ち、執筆された時とはまた違う角度から意味を持ってくる記事もあるのではないでしょうか。

例えば2017年秋のこちらの記事。

SCフライブルクU15監督ツィンマラーから学んだ指導者としてのあり方とは?育成にかかわる人間が知っておくべき大事なポイント

「言葉はインストゥルメンタル。声の強弱、声の緩急があることで、大事なところを強調して伝えられる」

これは記事の中で紹介されているデッドマール・クラマー氏の言葉です。

今、お仕事が在宅ワークになっている方が急激に増えています。指導者の方であれば、子どもたちとオンラインで繋がろうとしている方も多いことでしょう。SNSやビデオチャットツールは今やコミュニケーションを取るための必須アイテムとなりました。ただ、遠隔コミュニケーションの「意外と上手くいく」「こんなこともできる」という便利な側面と同時に、多くの方が「どうしても上手くいかない」という困った側面にも気づいておられるのではないかと思います。

私たちのコミュニケーションの質は、言葉そのものだけでなく、互いのちょっとしたしぐさや、物理的な相手との距離感や、話を聞くときの状況など、デジタル化しきれない様々なものによって、想像以上に左右されているということを改めて実感です。ビデオチャットでは、同じ場にいて、同じものを見て、同じ雰囲気を共有しているはずだ、という前提がありません。そこに甘えられない状況で、どうやって言葉を相手の心に届けたらいいのか。どうやって「聞きたい」「わかりたい」というモチベーションを引き出せばいいのか。

「ただ声を出すだけではなく、適切な強弱、緩急をつける」

「全てに細かく注文をつけるのではなく、判断の元となる材料を与える」

「相手のイメージを引き出しやすいキーワードを用いて意識づけを促す」

インターネットの世界では、コロナウィルスの感染拡大に伴って、ビデオチャット活用のアイディアや円滑なコミュニケーションのためのノウハウが玉石混交で飛び交っていますが、根本として大切なことは、直接的でアナログなコミュニケーションを取るときと、そう大きく変わらないようにも思います。コロナウィルスという未知の事態が、自分の中の基盤をもう一度問い直したり、ブラッシュアップしたりする機会になればいいですね。不安材料は山ほどありますが、少しでも前向きに考えたいと思います。

今日もお読みくださりありがとうございました!次回もよろしくお願い致します。

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