中野吉之伴フッスバルラボ

街に少しだけ活気が戻ってきた。行動制限緩和レポート

こんにちは。編集・管理人のゆきのです。今週からまた通常通り、週1回水曜日更新ペースに戻してドイツ・フライブルクの日常や子育ての話題をお届けします。

先週の木曜日にコラムをアップしたあと、学校再開は早くて54日から段階的にという発表がありました。一斉に全ての生徒が学校に戻れるのではなく、日本の高校3年生にあたる、卒業試験を控えた生徒たちから徐々に学校での授業を再開する予定とのこと。6年生と3年生の息子たちが教室に戻れるのはまだだいぶ先になりそうです。

一斉休校が始まって1か月以上が経ち、我が家の子どもたちもこの生活に慣れてきてしまっています。相変わらず友達に会えないのはつらいようですが、既に自分のスマホを持っている長男は、友達とメッセージや面白い動画を送り合うなどしてちょこちょことコミュニケーションをキープしている様子。次男はまだスマホは持っていませんが、今週から週に1度、担任の先生がZoomを使ってホームルームをやってくれることになりました。久しぶりに友達と話せて声が弾んでいる次男を見てほっとしています。

さて、行動規制緩和の一部として一昨日の420日月曜日から、店舗面積800平米以下の中小の商業施設が、感染予防対策を行った上で営業を再開できることになりました。ここのところ1か月間、普段の買い物のほとんどは家の近所のスーパーやドラッグストアで済ませていたのですが、それだけでは済まない買い物も溜まります。食器や調理器具や衣類、文具など、緊急度は高くないけれど生活に欠かせないものは、いざとなれば通販でも買えますが、送料もかかりますし、ここのところネット通販の利用率が急増していることもあって、配達されるには通常よりもかなり待たなくてはなりません。そこで自転車で走ること20分。フライブルクの中心街へやってきました。

おお!お店が開いている!お天気が良いこともあって、少しだけ賑わいを取り戻しているようです。人間がロックダウンしている間も季節はどんどん先に進んでいます。ここのところのフライブルクはずっと気持ちよく晴れた日が続いていて、25度を超える日もあるほど。外出は相変わらず制限されているとはいえ、今でも家から出て仕事をしている人も多くいますし、散歩をするにしても、気候に合わせた靴や衣類、帽子や日焼け止めなどはやはり必要ですよね。

営業を再開したお店には久しぶりの買い物を楽しむお客さんの姿がありました。ただし、店の面積に合わせて一度に入店できる人数が制限されています。一見、まだ閉まっているように見える下のお店は、老舗のコーヒー豆と茶葉の店。黒板に一度に入れるのは2人までと書かれています。

入店人数の制限、レジに透明なアクリル板の仕切りを設置するなどの他、店舗によっては店に客を入れず、入口で必要な品物を聞き取り、店員がそれを店内から出してきてその場で会計をするなど、人と人との接触を最低限に減らし、室内に人が集まる状況を作らない工夫が、どの店でも徹底されていました。開いている店の数も種類も格段に増えたとはいえ、必要最低限の買い物をなるべく短時間で済ませなくてはいけない状況は変わりません。特に目的もなくお店をぶらぶらしたり、品物を手に取ってみたりと、「ショッピングを楽しむ」ことができるようになるのはおそらくずっと先になりそうです。

アンティークショップが多く軒を連ねるこちらの一角。お店が再開しても道はがらんとしていました。さすがに「どうしても今、この状況下でアンティークを買いたい!」という人は多くはないのでしょう。それでも、私たちの生活を支えている文化的な営みが一つ、再会されたのは喜ぶべきことのように思えますし、社会が余裕を取り戻しつつある兆しのように見えてほっとします。どれくらいの時間がかかるのかは誰にも見当がつきませんし、もしかすると残念ながらもうコロナ前には戻らないものもあるのかもしれませんが、私たちの暮らしに寄り添うささやかな楽しみや喜びが、少しずつ復活することを今は焦らずに待ちたいと思います。

今週もお読みくださりありがとうございました。来週もよろしくお願い致します!

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