中野吉之伴フッスバルラボ

プロの育成アカデミーにいかず、9部リーグからプロ選手になったファビアン・クロスのインタビュー記事「僕は少年時代をサッカーだけに費やしてきたわけじゃない」

▼ 9部リーグから2部リーグ得点王へ
今季2部リーグから1部昇格を最初に決めたのはビーレフェルト。実に11年ぶりの1部復帰だ。サッカーダイジェストWEBではクラブ浮沈の歴史に触れながら、昇格最有力候補だったシュツットガルトやハンブルガーSV、ハノーファーといったクラブを押しのけ、優勝を確定させた背景を取り上げたコラムを寄稿した。

本文内でも書いているが、昇格の立役者の一人がキャプテンで点取り屋のファビアン・クロスだ。残り1節を残し、32試合出場20得点10アシスト。間違いなく2部リーグMVP筆頭候補のクロスだが、実はプロの育成アカデミーに所属することなく、成人チームでは9部リーグクラブでプレーし、銀行員として社会人になろうとしていたという。

なぜ、そしてどのように、クロスはプロ選手になったのだろうか。

今回はドイツのサッカー専門誌「11Freunde」(エルフフロインデ)にクロスのインタビューが掲載されていたので、その日本語訳をご紹介したいと思う。サッカー選手としてだけではなく、一人の人間としてどのように生きているか。

有名クラブの話でも、有名選手の話でもない。でも、クロスのサッカーとの生き方は、とても興味深く、考えさせられるものがある。ぜひご一読いただきたい。

▼ クロス「プロクラブの施設や環境?もっと素晴らしいものを見てきたよ」
クロスさん、あなたは少年時代から一度もプロサッカークラブの育成アカデミーでプレーしていないんですね。
クロス その代わりにほかの素晴らしいものをたくさん見てきたよ。村にあるサッカー場とクラブハウスは僕らにとって最高の場所だった。クライスリーガ(9部リーグ)でももちろん勝つためにプレーするんだけど、僕らはそれに固執したりはしない。それよりももっと素敵な友情を育みあってきた。

(残り 2446文字/全文: 3257文字)

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