中野吉之伴フッスバルラボ

街クラブの育成アドバイサーってなにをするの?日本の街クラブ・スポーツ少年団のために僕ができる新しいチャレンジ

▼ 育成アドバイサーという新しいチャレンジ

20年7月1日、愛知県碧南市にある碧南FCという街クラブの育成アドバイサーに就任することになった。実は以前からやってみたいと思っていたプロジェクトの一つなのだ。

一時帰国時に各地を回りいろいろなところで指導実践をしたり、指導者講習会を開いたり、保護者の方向けに講演会を開いたりと様々な活動をしている。ただどうしても、一過性なものどまりになってしまうのがもったいないと感じ続けていた。

一度の講習会や講演会では深いところまで話を掘り下げきれないし、相手と向き合って意見をまとめ上げていく時間も取れない。こちらの話した内容をどのように解釈し、どのように持ち帰り、どのように活用されるかもわからない。

日本の街クラブ、スポーツ少年団の現場において何が大切で、何が求められていて、どうすればもっと風通しが良い環境を作り上げることができるだろうか。

そういえば、講習会や講演会を行うとよく聞かれる質問がある。

「例えば、僕が良かれと思って『よし、チームの子をちゃんと全員出すようにしよう!』と取り組もうとしても、同じチームのコーチから同意を得られなかったり、その年はうまくいっても上の学年にいったら全然違うやり方になったりしてしまうことが良くあります。ドイツだとどうしているんでしょうか?」

僕の答えはこうだ。

「ドイツのクラブには基本的にどこでも「育成部長」「育成コーディネーター」という立場の人がいます。自分でチームを持ったりもしますが、それ以上にクラブ全体の取りまとめとして重要な役割を果たしています。

定期的に指導者会議を開いて、クラブとしてのあり方、育成指導の考え方についてをまとめ、育成指導者に何を求めているかをそれぞれのクラブである程度以上は明確にしていくんですね。

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