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中野吉之伴フッスバルラボ

ドイツは入学式シーズン。小学校に上がる年齢を選べれば「早生まれ問題」もなくなる?

こんにちは!私たちの住むフライブルク市では今週が入学式シーズン。各学校ごとに曜日をずらして入学式が行われています。今週のフッスバルラボ無料コラムでは、そんな「入学」にちなんだこちらの記事から「子どもの早生まれ問題」について考えていきたいと思います。

東洋経済オンライン「早生まれは不利」の研究に感じる違和感の正体

記事では「早生まれ=不利」だと思い込むことは危険で、あくまでもそれは統計的な傾向に過ぎないということを強調した上で、3月生まれがハンデにならなかった人、つまり3月生まれであっても能力を開花させた各界著名人を列挙しています。

サッカー界からは香川真司氏(317日)、 丸山桂里奈氏、326日)、内田篤人327日)らがノミネート。プロ野球選手やJリーグ選手には4月~6月生まれが多いという数字もありますが、それは単なる統計上の傾向で、個々の能力差とは関係なく、むしろ「自分は/うちの子は早生まれだから」という思い込みによって子どもが萎縮してしまい、肯定的な感情を持ちにくいまま育ってしまうことに警鐘を鳴らしています。

同じ危険性は「男の子だから/女の子だから」「長男だから/長女だから」「血液型が○○だから」などの理由で、その子どもの特性を不必要に型に当てはめることにも存在しています。人間が先入観から完全に自由になることは難しいですが、子どもの個人差を一方的にステレオタイプに当てはめて解釈したり、「うちの子は○○だからこうなんだ…」と思い込んで一喜一憂することは避けたいと、親としてはこのコラムの趣旨そのものには、大きく同意できるところもあります。

一方で、この「3月生まれ“でも”成功した人」のリストにロナウジーニョやレディー・ガガなど海外の著名人も含まれていることには疑問を感じます。実は多くの国には、親は子どもの入学年齢を選べるというシステムがあり、ドイツでもそこに含まれます。「早生まれの子は同じ学年の中では発育が遅くて不利」という前提が、必ずしも当てはまらない国も数多くあるからです。ついでに「3月生まれ=早生まれになるのは4月に年度が始まる国だけの話だよね」とか「バッハやミケランジェロの時代には学年とか早生まれという概念自体がないのでは」というツッコミもあるのですが、それはいったん横に置いておきます。

9月に新学期が始まるドイツ・バーデンヴュルテンベルク州の場合、10月生まれ~翌年の9月生まれの子どもたちが1学年と数えられます。小学校入学申し込みの時期になると、日本の早生まれにあたる789月生まれの子を持つ親は、その年に入学させるか、1年遅らせるかを選択することができます1歳近く年齢差のある子どもたちに混じってもやっていける子かどうか。同じ園で仲の良かった友人が進学するかどうか。心身の成長度合いや園での人間関係などをベースに、親は保育園・幼稚園教諭やかかりつけの小児科医と相談しながら子どもの入学のタイミングを決めます。今入学させることは、この子にとってプラスになるのか、マイナスになるのか。マイナスのほうが大きいと判断すれば入学を見送ることができるので、早生まれ不利問題がそもそも生じにくいのです。

逆に「遅生まれ」つまり10月~11月頃に生まれた子どもが繰り上げでの入学を勧められることもあります。10月生まれの私の次男はこのパターンで、年齢の割に体も大きく、活発でよく話す子だった上、園時代には1学年上にあたる友人が多かったので、「お友達がみんな卒園しちゃうのにもう1年保育園に残るのは寂しくない?」と当時の担任の先生は1年早い入学を勧めてくれました。一方で小児科医の担当医は慎重路線。結局、自分の実年齢通りに入学させることにし、我が家の場合はそれでちょうどよかったように思います。繰り上げで入学した子も、789月生まれで実年齢通りに入学した子も「やっぱりついていけない」と思えば、後から一つ下の学年に編入すればいいので、軌道修正は充分可能です。

ナージャ・キリ―ロバ氏のコラムロシアでは、「1年生」という学年が2学年ある。では、少し年齢が違うクラスメイトがいるのが普通の欧米の学校と比べて、学年に越えられない溝がある日本の学校は、だからこそ「同学年」という連帯感が強まるのか、とも書いています。

また、Newsポストセブン東大院教授早生まれの不利は大人まで続く研究結果発表』や、東洋経済オンライン『「4月生まれ有利」「翌3月生まれ不利」は本当か』などの記事では早生まれ不利説を検証すると同時に、生まれ月による格差を生まない教育制度についても議論がされていますが、42日生まれから翌年41日生まれまでが1学年という制度そのものは変えない前提で、現場の配慮や工夫を求める声が中心になっています。

学校制度というものは一朝一夕には変えられないものなのだろうとは思うのですが、入学時期を選べる国で子育てをしている身からすると、小学校のスタート時期を選べれば生まれ月によって格差が生まれてしまう土壌そのものがなくなるのに……と思ってしまいます。

ちなみに長男は3月末に生まれたので、もし日本で子育てしていれば学年で一番誕生日が遅い子の部類に入っていたと思います。予定通りなら4月の初旬に生まれていたはずなので、日本で子育てしていたら今頃は「なんで4月に産んでくれなかったんだよー!」と恨まれていたかも?しれません。

だからこそどうしても気になってしまう日本の「早生まれ問題」。子どもは何月何日に生まれるかを選べないのに、それが子どもの成長にとってネガティブな要素になってしまうのは残念です。年齢だけではなく11人の能力に合わせた子どもの居場所がもっと増えること、子どもの活動の選択肢が誕生日だけに縛られずにもっと柔軟になることを心から願っています。

今週もお読みくださりありがとうございました!来週もまたよろしくお願いいたします。

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