【指導論】元ドイツ代表DFの至言に耳を傾けよう。「指導者ライセンスを取っている指導者を多くそろえることが、そのままいい指導者を揃えていることになるわけでもない」
元ドイツ代表DFルーカスシンキビッツが指導者として忘れてはいけない大事なことを伝えてくれた。指導者だけではなく、子どもに関わる全ての大人に届いてほしい。子どもが成長する環境を考えよう。
▼ ルーカス・シンキビッツとのインタビュー未公開原稿
先日REALSPORTSで元ドイツ代表DFで現在フォルトゥナ・デュッセルドルフのU23アシスタントコーチを務めるルーカス・シンキビッツに関するコラムを寄稿した。今回一人語り口調にしたのは、彼からの強烈なメッセージをダイレクトにお届けしたかったからだ。
電話取材の最中、僕は彼と話しながらその言葉の力強さに、ストレートさに、そして日本での現場のことなのに、本気で自分のことのように時に怒りをあらわにしてくれた姿に心を打たれていた。
それがどこで、誰のもとで行われているか、じゃない。
彼にとって、サッカーを、そして子どもたちの成長を阻害される行いはどんなことでも許すことができないんだ。
だから、「そんなことはあるよね」と聞き流すことができない。
サッカーって、スポーツって、そんなんじゃないだろ?
子どもたちの成長ってすごいんだぞ?
それを必死で訴えてきてくれた。
僕はこれまでに何度も育成年代における正しいふるまい、育成指導者に求められる姿勢や心構えについての記事を書いてきた。でも、本当に届いてほしい人たちにはどうしても届かない。
罵声を口にする指導者が僕の書いたコラムを読んで、「ハッ」としてくれたりという例はどれだけあるのだろうか。正直わからない。そんなもどかしさはある。
でも、正しいことを正しいと理解して、歪みを直さんとしようしている人へ、こうしたメッセージを届けることには絶対に意味があると思う。
それにひょっとしたら、将来的に現場の人を統括する立場に立つべき人に、僕らのメッセージが届いていたら、そこから何かが変わりだすかもしれない。
それに、そこまで遠くのことを考えなくても、目の前の子供たちに一人でも多く笑顔を届けることができたら、それで十分素敵なのだ。
そして、そんな彩が重なり合って僕らの未来は形作られていく。損得勘定で自分たちのやるべきことを選ぶ必要はない。仲間はたくさんいる。その歩みが正しいことを疑う必要も、焦る必要もないのだ。
さて、今回はそんなシンキビッツからのメッセージで、REALSPORTSのコラムではお届けできなかった未公開部分を、ご紹介する。
ぜひご一読していただきたい。
一人の指導者として、大人として、親として感じ入るものがきっとあるはずだから。
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