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中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】判断力が大事だと思うなら、判断しようとしている子どもを止めてはいけない

こんにちは!

毎週水曜日にお届けしているこの無料コラムですが、遅ればせながら今月からこのコーナーは「ゆきラボ」という名前でお届けしていきます。中野吉之伴フッスバルラボの編集・管理人のゆきのが、ドイツで子どもと暮らす日常の中から切り取ったものをお伝えするコーナーです。タイトルがついただけで中身は今まで通りですので、今後ともお読み頂ければ幸いです。

さて、これを書いているドイツ時間2020114日、アメリカでは大統領選挙の開票真っ最中です。ここドイツでも速報がひっきりなしに流れ、関心の高さが伺えます。

先日、小学4年生の次男が、学校でドイツの地理と歴史について学んだときのこと。クラスでこんなやりとりがあったそうです。

先生「ドイツのもので、世界的にも有名なものってどんなものがあるかな?」

えーと、ソーセージ?ビール?メルセデスやフォルクスワーゲン?

生徒「ドナルド・トランプ!

先生「トランプはアメリカの大統領でしょ?ドイツ人ではないよね?」

生徒「でもドイツ中の人がトランプのこと知ってるし、話してるし、毎日ニュースにも新聞にも雑誌にもいっぱい出てくるよ!」

確かに、大統領選を控えたここのところ、トランプ大統領のドイツメディアでの取り上げられ方は自国の首相アンゲラ・メルケルよりも多かったかもしれません。コロナウィルス新規感染者数が記録的な急増を見せ、再ロックダウンが決まった10月末にはさすがにアメリカの選挙報道はトーンダウンし、自国のコロナの話題が最優先となりましたが、投票日が迫るや、再び熱い注目が大統領選に注がれています。

ちなみにドイツの地元“の反応は2018年時点でこんな感じだったそうです。

ニューヨークタイムズ「トランプ大統領のルーツ、ドイツの村は冷めていた

上の記事のとおり、トランプ大統領の祖父はドイツ出身なので、それを踏まえての生徒の発言だったらすごいなあ、よく知ってるなあ!と思います。小学生らしいリアクションを微笑ましく思う一方、子どもたちの会話を聞いていると、10歳の次男の周囲でも、12歳の長男の周りでも、今回の大統領選への関心はとても高いです。ただ興味があるだけでなく「もしトランプが当選したらこうなるから嫌だ」「もしバイデンが当選したらこうなればいいと思う」と、みんな彼らなりに自分の意見をはっきり口にしようとしていることにも驚きます。

もしかするとそれは誰かの受け売りをそのまま真似ているだけなのかもしれません。本気でアメリカの行く末を案じているというよりは、少し背伸びをして大人っぽいことを言ってみたいだけなのかもしれません。でも、そういうとき「子どもがそんなことに口を出すな」「知ったかぶりで政治を語るな」と咎める発想はドイツにはあまりないようです。

我が家でも、大幅な勘違いや理解不足があるようならそこは補足はします。出所の怪しいニュースをもっともらしく話していれば注意しますし、人を傷つける発言も決して肯定してはいけないと思っています。でも、そうでなければ大人はまずは子どもに話したいように話させます。

目の前に大なり小なり自分に関わってくる課題があり、課題について考えたり議論したりするための材料があれば、人はおそらく、本能的に考えて、判断し、自分の行動の指針を持とうとします。

「判断力が大事」という話をよく聞きますが、本当に子どもに判断力を持ってほしいなら、子どもが子どもなりに判断しようとしていることを(危険なことでない限り)大人が無闇に止めるべきではないと思いますし、その判断には耳を傾けるべなのではないでしょうか。

https://www.photo-ac.com/からのイメージ写真です)

「ニュースを見なさい」「世の中の動きに関心を持ちなさい」と口で言うよりも、 子どもが世の中の出来事に対して語ろうとしたとき、それを止めないこと。もし、子どもに社会的関心やそれに対して判断できる力を持ってほしいなら、そのほうがはるかに効果的で説得力があるように思います。

ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんの父、ジアウディン・ユスフザイさんは「マララにどんな特別なことをしたのかと人々に聞かれるが、私は彼女に教育を与え、翼を切らなかっただけだ 」とコメントしています。「子どもに対して何をするべきか」という議論は良く行われますが、「子どもに対して何をしないでおくべきか」を考えることも大切だと思う今日この頃です。

来週のゆきラボもよろしくお願い致します!

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