【対談】「視覚から入ってくる情報だけに頼ると先入観を作りすぎてしまう。問いかけることは暗闇にともす光」
藤代さんの自己紹介:
普段はスポーツで結果を出したい選手を対象に、メンタルトレーニングをする仕事をしています。ジュニア年代からトップアスリートの方までご縁をいただいています。サッカーに限らずいろんな競技に関わらせていただいています。子どもたちが一人でも多く、その人らしく輝く社会を作りたいなと思って活動しています。
▼ 藤代圭一さんとの対談記録
11月7日、以前から親交があり、過去に何度かイベントでご一緒したことがある藤代圭一さんをお迎えしてWEB対談を行った。普段は一人でメインスピーカーとして話をすることが多い僕だけど、この日はファシリテーターとして藤代さんの話を引き出すための質問をたくさん準備。
質問メンタルトレーニングコーチとして、相手から意見や思いを引き出すことを大切にされている藤代さんとの会話は、いつも深いところまで僕らの意識を導いてくれる。
だから表面的な言葉ではなくて、本当に僕らが思っていること、感じていることが言葉として出てくる。
普段僕のWEB講習会だと基本的にサッカー関係者の方が参加されることが多いのだが、今回は幼稚園や保育園関係者、バスケットボール関係者、メンタルコーチ関係者などなど本当に幅広いジャンルから参加していただけた。それはやっぱり、藤代さんの考え方や視点に触れたいと思われた方が多いからだろう。
僕自身、すごく話が楽しかったし、いろんな気付きをえることができた。
今回はそんな藤代さんとの冒頭10分間ほどを文字お越しした対談の一部をお届けしたい。そのあとの話にも興味を持たれた方には動画配信も行っているので、こちらの詳細ページを参照していただければ。
▼ 可能性って何だろう?
中野 今日はテーマとして、「子どもの可能性を広げていくにはどうしたらいいか?」という結構ざっくりとしたものにあえてしみたんですが、藤代さんは子どもの可能性と聞いてどういうことをイメージされますか?
藤代 子どもの可能性ですか?いやぁ、子どもに限らず僕は可能性しかないと思っています(笑)。 つぶさないようにしたいなというのが前提としてありますね。僕たち大人がが可能性を狭めていかないようにしたいなと。広げるという感覚はあまりないですね。
中野 可能性って、ポジティブなだけではなくて、ネガティブな可能性という方向もあるわけじゃないですか?
藤代 確かに!ネガティブな可能性についてもありますよね。
中野 それこそ狭めていった結果本来いけるようなところにいけないという可能性という見方もできるわけですよね?
藤代 なるほど、確かにそれをふまえての可能性ですね。可能性ってそう考えると難しいですね。
中野 難しいんですよね、何気なく僕らは使っているけど、いろいろ解釈ができる。
藤代 可能性に対する答えになるかはわからないんですけど、僕としては選択肢を奪わないということをとても大事にしていて、AでもBでもCでもDでもどんな選択肢でもいいんですけど、僕らはついついAが最適であるとか、Aが最高の手段であると仕向けてしまうことがたくさんあると思うんですね。
仕向けなければならない場面もあるとは思うんです。あ、生死がかかる部分は除きますよ。
スポーツとか、生活とか、勉強とか、生き方とか、選択肢がたくさんある中で、Aを選択してほしいけど、Aはいやだという子はいますよね。そんな時に僕たちは「あ、そうなんだ」といえるような関係性だったり、あり方でいたいなと思っていて。
ちょっとだけ自分の話をさせてもらうと、なんでこういう仕事をしているかというと、サッカーコーチをもともとやっていたんですけど、サッカースクールで結構指示・命令・暴言というのをやり続けてしまっていた結果、サッカースクールの人数が激減してしまったことがあったんですね。
最初のころはそれこそ子どもたちのせいにしてました。「集中力がない」とか、「やる気を出さない子どもが悪い」って考えてしまって切り捨ててしまっていた。
でもそうしたことが続いてしまった時に、子どもに「どうしてやめるの?」と聞いたら、子どもから「もうサッカー嫌いだから」という言葉を聞いて、ガツンときたんですね。
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