中野吉之伴フッスバルラボ

【観戦メモ】パススピードのメリットを感じさせた試合。相手選手が寄せ切れないほどのスピードがあれば強固な守備も攻略できる

▼ 第10節バイエルン対ライプツィヒ

9節終了時でブンデスリーガ最多得点チームのバイエルン(31得点)と最少失点チームのライプツィヒ(6失点)の対決をテレビ観戦。

この日のライプツィヒは4-3-3。フォルスベルクを頂点にクライファートとヌクンクが両サイド。サビツァーとハイダラの二人が中盤で幅広く動き、両SBのアンヘリーノとムキエレはセンターへのつながりを持ちながら守備的な役割を主に担う。センターをしっかり閉じて、プレスのタイミングを作りやすくする。

キーになっているのはアンカーの位置でプレーするアダムス。バイエルン攻撃陣のミュラーやレバンドフスキへのパスコースを切りながら、周りの選手が起こしていくプレスのサポート、ルーズボールの回収、そして縦への攻め上がりを循環させるための起点作り。前に出すぎてもだめ、後ろにへばりつきすぎてもだめ。

フォルスベルクが相手マークから浮きながらうまくボールを受けて、パスをさばいていく。先制点の場面でもカウンターから前を向いてヌクンクにきれいなスルーパスを通した。

ヌクンクの走りこみ方が素晴らしい。オフサイドにならないように中へ少し入りこみながらパスが出て来るタイミングで縦へぐっと抜け出す。

バイエルンもすぐに反撃。負傷退場となったハビ・マルティネスと交代で出場のムシアラがエリア外からゴール右へ流し込む。その前でコマンがパスを引き出した局面で、ライプツィヒはセンターの守備がずれてしまっていた。

そのずれを生み出したのがミュラー。パスを出した後にゴール前に走りこんだ動きがあったので、ライプツィヒ守備はそちらへ人が動いていた。サッカーは流れだ。

ムシアラはボールをもらう前からシュートへのイメージがしっかりとできていた。ボールを置く位置、そこからシュートまでの流れは美しい。17歳?すでに数シーズンブンデスリーガでプレーしているかのような落ち着きを見せている。素晴らしい。

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