【育成論】湯浅「子供たちにサッカーってこんなに楽しんだというのを伝えるのがコーチのミッションなんですよ」
▼ WEB対談で出てきた考えさせられるテーマ
湯浅健二さんとのWEB対談は当初予定の2時間+1時間の延長戦まで途切れることなくいろんな話で盛り上がりました。
メディアでは独特な湯浅節が注目を集めたりしますが、湯浅さんが伝えようとしているのはサッカーというスポーツの本質的であり、原則的であり、根源的な大事なことばかり。
・クリエイティブな無駄走り
・規制と開放のバランス
・ボールのないところで勝負は決まる
・リスクチャレンジプレー(クリエイティブなルール破り)
異文化に触れたことで生じたイマジネーションから誕生したこうした言葉の解釈を正しくすることで、サッカーというスポーツに対する向き合い方も変わってくると感じましたね。
個人的にはドイツの伝説的名指導者ゼップ・ヘルベルガーの言葉として紹介してくれたのがとても響きました。
『最高のトレーニングとは、倒れるくらい疲れても楽しくて、充実していて、笑顔が生まれるような練習だ』
WEB対談本編は動画配信もしているので、ご興味ある方は下記フォームよりお申し込みください。
【きちゼミ】
今年初のWEB対談ではゲストにドイツプロコーチライセンス(日本におけるS級相当)を保持している湯浅健二さんをお迎えしてお送りします!「サッカー監督という仕事」という湯浅さんの本を読んで、僕はドイツで指導者について深く学びたい思いを強くしました。
https://t.co/jbnkZH97WB— 吉之伴@🇩🇪サッカー指導者 (@kichinosuken) January 12, 2021
▼ 小2のお子さんがいるお母さんからの問題提議
さて、様々なテーマでいろんな話が飛び交いましたが、そんな中延長戦の最後に話されたテーマが印象深く、日本のサッカー界にとってものすごく大切な話だったのでここでまとめておきたいと思います。
Aさん 息子のチームのことなんですが、小学生でも試合に出れないことかがあります。サッカーの楽しさって何だろうな、自分に何ができるのかというのを悩んでいます。でも直接アプローチはしづらいというのもあります。
先々週ぐらいに、練習試合がありました。ポジションを決めてゲームをするようになって言われた場所にしか入れなくなって、これまでボールを追いかけて楽しくしていた子どもたちが、ポジションを気にしすぎるあまりボールに向かえなくなってしまって。
あと、息子が試合中に泣いてしまったんです。その日の夜に父親が理由を聞いたら、息子が自陣ゴール前でボールを持った時に真ん中にいた味方にパスを出したら、「中にパスを出すな」と怒られたそうです。
私が「なんでその子に出したの?」と聞いたら、「ほかの子は相手が近くにいて、その子にしかパスを出せなかった」と答えてくれました。
「ちゃんと周りは見れていたから、今回は失敗だったかもだけど、よかったんじゃない」と家庭でははげますけど、でもチームに入ると「中にパスをするな」とか、いろんな声が聞こえてきます。正直、最近見ていてつまらないサッカーになっている気がするんですね。
湯浅 サッカーって教わるものじゃなくて、会得するものなんですよ。体感するものなんですよ。体感する機会を作るのがコーチの責任なんですよね。子供たちがサッカーってこんなに楽しんだというのを伝えるのがコーチのミッションなんですよ。
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