【育成論】「コーチどうしたらいいですか?」じゃなくて、「君はどんな選手になりたいの?」というところから入っていったら面白い!
▼ 滝雅美さんとの談話を紹介!
12月の半ば、指導者仲間で友人の滝雅美さんにZOOMでインタビューをさせてもらった。2018年にJFA育成ダイレクター海外研修でドイツ日程の数日を僕が担当したのだが、滝さんもこの研修に参加されていて、そこで知り合うことになったのだ。
研修から日本に帰られた後もコンタクトは続いていて、18年4月に日本一時帰国をした際には一緒にガンバ大阪とトリニータ大分の試合を観戦し、その後僕主催の交流会にも一緒に参加していただいた。
滝さんの話は良くも悪くもぶっ飛んでいる(苦笑)。タイに渡ったいきさつもそうだが、昨年はタイ1部リーグの前年度優勝チーム監督として就任されたがいろいろとあって契約延長はせず、その後日本に帰るはずが、リーグ最下位のラヨーンFCに必死で説得されて監督に迎え入れられるなど物語性がありすぎる。
さてさて、そんな滝さんとのZOOMインタビューはお互いしゃべりっぱなしで、終わった時には2時間半近くたっていた。コラムにまとめた内容以外にも興味深いものがたくさんあったのでそちらも小出しにしていこうかと思う。
今回は、「個性ってなんだ?」「自分らしさってなんだ?」というテーマ。
タイリーグで活躍するブラジル人選手ジャジャの話はすごく本質をつく話だ。日本における教育や育成、その中だからできること、そしてその中だからこそできていないことを改めて考える起因となったらうれしい。
▼ 「日本の選手はアベレージがとても高い。けど…」
滝「僕は子供のころからちょっと変わっていて、自分の仕事をそれぞれ責任もって取り組んで、それが11人揃ったら勝てるでしょって思っていたんですね。それぞれにやるべき役割があるからそれをそれぞれがちゃんとやろうよって。
いまタイに来て思うのは、日本の選手はアベレージがみんなとても高い。みんなうまい。でもストロングポイントはというとわかりにくいんです。一方でタイの選手はみんな何かが足りない。でもアベレージレベルが低いんだけど、その分というかストロングポイントが明確。
守備は全くダメだけど、ドリブルはすごいとか。そういう選手は自分で守備は苦手と公言もする。そういう人たちのほうが個性はあるから、監督はじゃあどうすれば彼らのプレーはそれぞれはまるんだろうというところでコミュニケーションが出てくるわけです。
日本人はアベレージレベルが高いがために何でもできると思われる。でもこの子は本当はなにが長所だったんだろうって。それぞれ昔は突出した部分があったはずだけど、それを削られて平にならされた選手になっているっていう人が多いんじゃないかなって思うようになりました。
「昔FWでしたって聞かないと」その子がFWだってどうかわからないみたいな、ね。
でも海外に行ったときにそれだと、「お前は何の選手なんだ」という風になってしまう。
チェンライ・ユナイテッドというクラブで監督をしていた時に、ジャジャっていうブラジル人選手がいたんですね。この選手はいろいろたたかれるんですよ。でも17年にブリーナム・ユナイテッドというチームで34試合34得点とか決めてるすごい選手でもある。
※ ベルギーリーグのゲンク、ロケレン、トルコリーグのトラブゾンスポル、ウクライナリーグのメタリスカら欧州でのサッカー歴も豊富。
僕はある日、3-0で勝っている試合で彼を途中交代させたらものすごい怒っちゃって。
あとでいろいろ話をしたんです。その時こんな風に言ってました」
“J監督経験ゼロの日本人指導者”がタイ強豪&弱小クラブの救世主? 滝雅美の物語が濃すぎる(中野吉之伴)#滝雅美 https://t.co/cvr6QZJdgc
— Number編集部 (@numberweb) January 17, 2021
西野朗、内田篤人はどう“異文化コミュニケーション”を実践? タイ在住日本人指導者が語る“言語の壁”の乗り換え方(中野吉之伴)#海外サッカー #西野朗 #滝雅美 #石井正忠 #内田篤人 https://t.co/UkAUq4CvQz
— Number編集部 (@numberweb) January 25, 2021
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