中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】相手の答えを引き出すための質問力ってなんだ?稀代の名将がプロ選手を魅了していた気づきの瞬発力って?

※ 指導者交流サロンへ寄稿したコラムの転載

▼ 答えよりも大事な質問

指導者が成長するために大切なことって何だろう。

フットボリスタやナンバーなどに寄稿する原稿用の取材でドイツやオーストリアの育成アカデミーの指導者と話をする機会に恵まれている。

ここ最近だと育成で有名な1860ミュンヘンU12監督ヴォルフガング・バルスとU11監督ルートビヒ・ディートリヒ、ドイツU21代表コーチ アントニオ・ディサルボ、マインツU23コーチ ジモン・ペッシュ、ザルツブルクU16コーチ宮澤祐生、元オーストリア1部チーム監督・浦和レッズ、ヴィッセル神戸コーチ モラス雅樹などなどと、現場の今を知っている人たちと話ができるのは本当に面白い。

そんな交流(仕事してのアプローチだったとしても)をしていて改めて感じたのはディスカッションの大切さであり、そしてディスカッションをするための条件としてお互いに【自分の言葉】で会話ができるというのが備わってなければならないということ。

これはその国の言葉で話すことができる、ということではなく、自分の考えをしっかりと論理だてて言葉にすることができるということ。

その点に関してちょっと興味深い話がある。先日、このフッスバルラボの企画で湯浅健二さんとWEB対談をしたときに出てきた話題だ。

せっかくなので、まず簡単に湯浅さんのご紹介を。
●ドイツサッカー協会(DFB)& UEFA公認プロサッカーコーチ(S級相当)
●ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟(BDFL)会員
●元、読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)契約コーチ

1981年3月、7ヶ月の「サッカー師範(Fussball-Lehrer)養成コース」参加・修業後、ドイツ国家試験およびドイツサッカー協会公認試験に合格。

ド イツサッカー協会からNo.870の「スペシャル・ライセンス(プロサッカーコーチライセンス)」を取得。同時にケルン国立体育大学の専門課程(サッ カー)終了。このライセンスを持つコーチは、ドイツトッププロリーグ『ブンデスリーガ』の監督に就任できる。また現在では「UEFAプロライセンス」と しても有効。

著書も多数出。特に僕個人としては『サッカー監督という仕事』(新潮社)
、『ボールのないところで勝負は決まる』(出版芸術社)、『サッカー戦術の仕組み』(池田書店)の3冊は指導者としてとても勉強になる内容でおすすめ!

僕のユーチューブでWEB対談時の一部を出していますのでこちらもぜひ!

さて、そんな湯浅さんとの対談で出てきたテーマの一つがディスカッションだった。

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