中野吉之伴フッスバルラボ

【試合分析】”マッチプラン”をもとにプロ指導者による「どこに自分たちの狙いを置き、相手はどんな対策でくるか」の分析を知ることで、また違った角度から試合を楽しむことができる

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サッカーの試合ってどういう風にみたらいいんだろう?

そんなことを質問されることがある。人それぞれといってしまえばそれまでなのだが、プロの指導者がどのような角度から、どこにポイントを置いてプレーを見て、試合の準備をするのかというのは興味深いところではないだろうか。

ドイツの有料テレビのSKYでは毎週木曜日にマッチプランという番組を放送している。自分がもしブンデスリーガクラブの監督だったら次の試合に向けて、どんなメンバー構成で、どんな戦術プランで試合に臨むべきかというのをプレゼンしあう番組なのだ。ここ最近毎回僕も楽しみに見ている。

分析を担当するのは元ブンデスリーガ監督だったり、注目の女子監督も参戦したりする。今回はバイエルン対ドルトムントのマッチプランにおけるやり取りを参考に、試合準備についてまとめてみたいと思う。

バイエルン担当は元フライブルク、レバークーゼン、ボーフム監督のロビン・ドゥット、ドルトムント担当は元シュツットガルト、ハンブルガーSV監督のハネス・ヴォルフ。ドゥットは矢野貴章がフライブルクに所属していた時の監督で通訳として僕も何度かコンタクトを取ったことがある。

ヴォルフはドルトムントのU19でドイツ王者になり、新進気鋭の指導者として高く評価され、3月にペーター・ボッシュ監督が解任されたレバークーゼン新監督に就任している。調子を完全に落としていたレバークーゼンをどのように立て直すのかも非常に注目だ。

さて、この「マッチプラン」では担当監督がそれぞれメインとなるオフェンスとディフェンスプランを軸に攻略法をプレゼンしていく。片方がずっとしゃべり続けるわけではなく、進行役のヤン・ヘンケルが、「向こうはこう言ってるけど、そちらはどのように解釈して対抗策はどんなものを持っていますか?」と話をうまくふってくれるので、攻守一体でサッカーとして話を聞くことができるのもいい。

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