【サッカー人気3位】【直前レポート|第29節・川崎F戦】「…

中野吉之伴フッスバルラボ

ここも休み、ここも時間調整。ビッグマッチの日はこんな感じです

こんにちは!昨日(7月29日火曜日)、ロンドン・ウェンブリーで欧州選手権イングランド対ドイツの試合が行われました。結果はご存じの通りかと思うので、このコラムでは触れません……試合開始は午後18時からで、普段は息子たちのサッカーや野球の練習がある時間帯なのですが、クラブからは当然のように「代表戦なので練習は休み」というお知らせが来ていました。サッカーのみならず野球の監督からも「みんなサッカーの代表戦は見逃したくないと思うので休みにします」。さらに友人からは「本当は17時半から子どものピアノのレッスンだったんだけどお休みになった」という話も聞きました。

決勝トーナメントが始まると、サッカー関係者が観戦に向けて万全のスケジュール調整をするのは当然のこととしても、「あなたってそんなにサッカー好きだったっけ?」という人までもが、「今日は代表戦だから」の一言で、公然と試合最優先のスケジュールが組まれます。コロナ規制はだいぶ緩和されてきたものの、まだ時短営業を続けている小売店もありますが、昨日に限っては、時短ではなくても早く店を閉めて家に帰って観戦したい!という向きも多かったのではないでしょうか。

次男の担任の先生も熱狂的なサッカーファンなので、次男は昨日から1週間、宿題無しになりました。ドイツ代表の試合の日だからということと、もう一つ、先生と子どもたちとでフランスとスイスのどちらが勝つか賭けていて、先生はフランスに賭けていたんだそうです……

とはいえ、医療機関や公共の交通機関、警察・消防など、仕事そっちのけで観戦しているわけにはゆかない職種の人も当然いらっしゃいます。国中がサッカーを注視していた中でも、それぞれの持ち場で淡々とお仕事をされていた方には本当に頭が下がります。

今回は同じヨーロッパ内での大会なので時差はほとんどありませんが、開催国によっては放送がドイツ時間深夜になることもあります。2014年のブラジルワールドカップのときはみんな当たり前のように寝不足でしたし、晴れてドイツが優勝した翌朝は学校の朝の授業が休みになったり自習になったりしていました。当時我が家の子どもたちは保育園に通っていましたが、サッカーでは休めない職種で、かつ生真面目な性格のあるママ友は「子どもはこんな遅くまで起きてちゃダメ!寝なさい!」と、息子さんの観戦を許可しませんでした。翌朝、その子が「みんな観てたのに~!ぼくだけ観れなかった~!!ママのバカ~!!!」と突っ伏して号泣していたのを鮮明に覚えています……サッカーの好きな子だった子が観れずに悔しさもひとしおだったことでしょう。

欧州選手権が始まってすぐに書いたコラムでは、開幕したもののコロナ感染対策で規制が多く、おうち観戦が主流で、いまいち盛り上がりの様子が分かりにくいドイツの様子をお伝えしました。あれから2週間、グループリーグの試合が進む間に、コロナ規制も驚くほど緩和されました。新たな変異種、通称デルタ株の感染拡大が懸念されているものの、予防接種対象者の半数以上が既に1回目の予防接種を受け、以前ご紹介した「7日間基準値=過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数」はドイツ全土で安定して1桁台の日が続き、欧州選手権観戦のため……では決してないものの、様々な規制が次々に緩和されています。マスク着用義務の範囲は大幅に縮小され、飲食店や宿泊施設での3Gと呼ばれた証明義務もなくなり、ほとんどの日常生活がかなりコロナ前に近いレベルにまで戻って来ました。

秋に始まって夏に終わるドイツの学校では折しも年度末なので、この規制緩和を利用して、サッカー観戦だけでなく、今まで長い間ずっと出来なかった分の様々なイベントを楽しもうという空気が街に流れています。ただ、先ほども少し触れましたが、専門家はデルタ株による感染再拡大に警鐘を鳴らしており、昨日の試合でも、感染が増加しつつあるイングランドへドイツファンが渡航することはできませんでした。ポルトガルでもデルタ株の感染が急増しており、旅行代理店は既にポルトガル行きの夏休みツアーを中止しています。

規制緩和で日常の楽しみがようやく戻り、目に見えて街の風景が明るくなってきたばかりのドイツ。どうにかこの変異株を抑え込むことができるよう、心から願っています。

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