中野吉之伴フッスバルラボ

【ドイツ便り】逆風の中でチーム作りが難航し続けたドイツ代表。今後の育成はどうあるべきか。戦術ばかりを口にする若い指導者が増えてきているのが心配だ

▼ ドイツは新監督フリックのもとでどのような新スタートをきるのだろうか。

今回の欧州選手権でドイツは決勝トーナメント1回戦で敗退。そのため敗因探しにメディアは忙しい。どんな大会でもドイツの目標は優勝とされている。自分たちは世界に名だたるサッカー強国という誇りがある。

それがあるから鍛えられているという点もあるけど、18年W杯グループリーグ敗退後はとにかく風当たりが強すぎるというのを現地で暮らしているとすごく感じる。

今大会後にも批判が目白押し。

・キミッヒはやっぱりボランチで起用すべきだった。
・3バックはドイツには合わない。
・ギュンドアンよりもゴレツカのほうがいい。
・ゴゼンスはポルトガル戦以外ダメ。
・クロースは横パスばっかり。

最後の項目に関しては、元バイエルン会長のウリ・ヘーネスがテレビの討論番組で名指しでクロースを批判している。

「個人的にクロースのことは好きだし、バイエルンのために尽力してくれた。だが、横パス横パスしかしないクロースの時代は終わった。イングランド戦では1点リードを許した試合展開で最後の15分一度も自陣から出ていない」

「CLでは昨季バイエルンが優勝している。バイエルンの戦い方を中心にした方がよかった。でもヨアヒム・レーフ監督はクロースを起用するためのサッカーとシステムで戦った」

「バイエルン選手は3バックにしても、戦い方にしても納得していなかった。それならなぜ監督に直談判しなかったんだ?」

これに対してクロースも自身のツイッターで言い返したりと中々にアクティブなやり取りをしているし、それに対してヘーネスも反論したり。ドイツをはじめ、ヨーロッパには批判文化はあるし、発言の自由だってある。

でもこうした記事やら動画やらを見ていると、サッカーというのは本当にいろいろ難しいと改めて思う。

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