【サッカー人気3位】秋葉忠宏監督「9年間紡いできたものを途…

中野吉之伴フッスバルラボ

【きちログ】3年目で最初のライセンス講習会へ。協会が実際に現地へ足を運んで活動していることを実感したあの日


キチログ~渡独後の歩みを思い出しながら徒然につづる回顧録~

【前回のキチログ】ドイツで指導者を始める前に哲学を学んでいたという話。なぜ?という問いを立てる能力って大切だ

▼ ようやく指導者となるべく始動した3年目

2004年4月に晴れてフライブルク大学に登録。日本でやっていたドイツ文学を主専攻とし、副専攻に哲学と歴史を選び、『これで俺も大学生だ!メインはもちろんサッカーコーチ修行だけど学生としてもやれる限りのことをするぞ!』と気合を入れていたものが、どちらも両立というのは当時の僕にとって相当に困難な作業。

周りにいた10年近く大学で学び続けている先輩方に刺激を受けていたし、あこがれていたけど、そうした気持ちだけで学業を進めていくのも無理で、本当にその学問をここドイツで学びたいんだ!という強い意志とそれを支えるバックボーンがなければとてもじゃないけど、ついていくことはできない。

じゃあ僕は何をしにドイツにきたのかというと、《サッカー指導者として学びたいものがここにある》と確信していたからだ。サッカー指導者として学ぶ機会をいろんなところで持ち、現場に立ち、地域に密着したクラブでサッカーのあり方、スポーツのあり方、指導者のあり方を身をもって体験したかったのだ。

大学生となり、学生ビザを手にすることができた。だからそろそろ本格的に指導者の勉強を始めなければ。ということで最初の目標であるドイツサッカー協会公認C級ライセンス獲得に向けての一歩を踏み出すことにした。

▼ C級ライセンスってどうやって獲得するんだ?

それにしても2000年代初頭に僕はどうやってC級ライセンス講習会に関する情報を集めていたんだろう?なんてふと思ったりしたけど、よく考えたらそこそこ普通にパソコンで情報収集はできていたことを思い出す。

と同時に、今考えると「かなり気恥ずかしいブログとか書いていたな」ということも思いだしてきたので一度そこの記憶は封印しよう。

それにしても将来的に自分が物書きになるだなんて全く想像もしていなかったわけだけど、《書く》ということに対して少なからず興味を持っていたのは確かかもしれない。ただ楽しく取り組んでいたことがふと何かの扉を開くこともある。そんなふうに思うことで当時の日々を肯定するというのも悪くはない。

何かのために何かをすることがだけが大切なわけではない。
将来のためにならないかもしれないことに夢中になるのが役に立たないなんてことはない。

世の中は、いろんなことが目に見えるところと目に見えないところで結びつきあいながら進んでいるのだ。僕らが思っている以上に。

さて、C級ライセンスの話に戻ろう。

現在のドイツにおけるライセンス制度とは異なる点もあるのだが、ここでは当時の呼び名や条件などをそのまま使って書いていこうと思う。現行のライセンス制度の仕組みについては後日別途フッスバルラボのほうで記事にするつもりだ。

当時のC級ライセンスはUEFA-Bレベル相当。そしてB級、A級、S級と上のライセンスを所得していくためにはまずこのC級ライセンスを合格しなければならない。一番上のライセンスを目指すというのが僕の目標だったわけではないけど、でも先につながる可能性があるならそれに越したことはない。

《参加資格》
・16歳以上
・健康診断書
・無犯罪証明書
・1年以上ドイツサッカー協会登録クラブに所属している
・ベーシック指導者講習会に参加し、修了書を所得している
・応急救護処置研修に参加し、修了書を所得している
・審判講習会に参加し、修了書を所得している

応急救護はドイツ赤十字の主催で行われている2日間の講習会に参加することでもらえる。運転免許証をとるときにも義務付けられている講習会なので18歳ぐらいの若者が多かった。

怪我をしたときの対処法などの講義と人工呼吸の練習や三角巾の使い方といった実技を中心にお勉強。

他にも無犯罪証明書だとか健康診断書の提出など揃える書類は多かった。初めてのことなので無犯罪証明書がどこで手に入るかがまったくわからずに、なんとなく響きで警察署かなと思いわざわざ出向いたが、受付で「それは区役所でもらえるんだぞ」と優しく教えてもらえた。

それならと区役所に行って申請。その場でもらえるかと思ったら「じゃあ1週間から10日後に郵送で届くから」と言われ、あわててしまう。講習会まで日が短かったので、それだと間に合わない。

事情を話すと「それならあさってに直接受け取りにきて」ということに落ち着いた。「よかった、ありがとうございます!」とめいっぱいお礼を言ったが、それなら最初からその選択肢も出してくれという思いがなかったわけでもない。

そんなちょっとしたことを笑い飛ばせるようになったら海外生活はとにかく楽しい。

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