【育成論】保護者とのコミュニケーションは勝手にできるようになるものだろうか?親との関係性の築き方を学べる環境をぜひ整理したい
指導者講習会には「保護者への対応」「保護者とのコミュニケーション」に関するカリキュラムをぶ厚めに取り入れることがものすごく大事だと思うんですけど。特に今後。
いま結構苦労しながらも少しずつ改善しているんですが、これ指導者なりたての時期に今の状況だったら、
俺つぶれてたと思う。— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) September 1, 2021
▼ 育成指導者に必要なスキルの一つ
先日、こんなつぶやきをTwitterでした。保護者との関係性の築き方というのは育成に携わる人ならだれもが学び、身につけなければならないものすごく大事なことだと思うのだ。
僕は指導者歴約20年。これまでにU8からU19まで、つまり小学校低学年から高校生までの各学年、さらには成人チームでも監督をしてきたけど、それぞれの年代で保護者との関わり方というのは全然違うし、それぞれに適したアプローチがあると感じている。
例えば今シーズンはSVホッホドルフのU19監督も務めている。ドイツでは16歳からだいぶ大人扱いをされ、様々な権利を手にする。今でいえば新型コロナウィルスの予防接種を受けるのに、親の許可がなくても受けることができる。アルコール度数の比較的低いビールやワインといったアルコール類を飲むこともオッケーだったりする(ウィスキーのように度数の高いお酒は18歳から)。
それは《その年になれば自分のことは自分で考えて行動できるようになっているだろうし、なっていなければならない》ということの裏返しでもあるのだろう。
親とは別のグループを作っているけど、基本的には連絡事項のやり取りだけで、アウェー戦で車を出してもらう時にやりとりしたり、世間話をすることはもちろんあるものの、試合メンバーに対してとか、戦い方とか、出場時間に関して何かを言われることはそこまで多くないのではないかと思うのだ。
もう選手たちはだいぶ大人扱いされているので、基本親が出てきたりはしない。だから選手とどのようにコミュニケーションをとるかが重要だし、互いにリスペクトをしあえるように意見を出し合いながら、チーム作りをしていくことが必要になる。
これが下の学年になってくればくるほど、親との関わり合いが頻繁で深くなる。練習や試合のスケジュールもそうだし、試合出場メンバーのための条件や出場時間の設定など細かいところへの配慮が必要になる。
ちょっとでも違和感を感じたら、質問をされる。試合出場時間に納得がいかなかったら理由を求められる。試合に勝てなかったらメンバー選考について不満を口にされたりする。
指導者サイドが何も説明をせずにやってたら、こうしたいざこざや衝突はたぶん世界中どこであっても間違いなく起こる。
でも親、特に比較的小さい年齢の子供を持つ親はなぜそこまで気にするのだろうか?
それは親は親で多かれ少なかれみんな不安だからなのだ。本当にこれでいいのかわからない。本当にこれでいいと思えない。だから理由を知りたいし、安心したいのだ。
・うちの子の出場時間が少ないと、取り残された気持ちになってしまう。
・うちの子がいつもDFだったら、不公平じゃないかと思ってしまう。
・うちの子が交代させられていたら、ちゃんと評価されていないんじゃないかと感じてしまう。
とにかくありとあらゆること、考えだしたらきりがないんだけど、子を持つ親としては、このままでいいのだろうかって考えてしまうだろうし、一つ一つのことが気になってしまうのはある意味当然のことなのだ。僕も親だからそこはよくわかる。
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