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中野吉之伴フッスバルラボ

【無料コラム】合宿は強くなるためにする?ドイツではそれ、ちょっと違います

こんにちは!今週の無料コラム「ゆきラボ」、テーマはドイツの子どもが参加する合宿やサッカーキャンプについてです。

長いようであっという間だったドイツの夏休みもそろそろ終わりです。「休みには休む」のがドイツのスタンダードなので、学校の休暇中は完全に活動をオフにするか、都合のつきそうな参加者を募って、ある程度人数が集まりそうなら軽い練習を実施する……というサッカークラブが多いです。

【参考過去記事】

WEB講習会告知と、前例のない夏休み

一方で、休暇の期間を利用して、在籍している選手やそれ以外の外部からの参加者も募って「サッカーキャンプ」と呼ばれるイベントを開催したり、チーム内での合宿を行うチームもあります。

キャンプや合宿と聞くと、いわゆる強化合宿のような「朝から晩までトレーニング漬けの期間」をイメージする人も多いのではと思いますが、ドイツで子ども向けに開催されている「キャンプ」や「合宿」は、「時間のたくさんある夏休みに、普段ではできない体験をしよう」というコンセプトを重視して開催されていることが多いです。

例えば中野吉之伴が指導するフライブルガーFCでは、合宿形式ではありませんが、休暇期間を利用してハンドボール・キックボクシング・カポエイラなど他のスポーツのトレーナーを招いて、一日その競技を楽しむという取り組みを行っていました。

【参考過去記事】

リーグ中断期に何をするのか。キックボクシングにサッカーゲーム。そして室内サッカー大会に個人面談。指導者がやるべきことはピッチ内のことだけではない

スポーツだけではありません。私の子ども2人が以前参加したサッカーキャンプでは、参加した子どもたちを数人ずつのグループに分けて、各グループにスパゲティの乾麺とマシュマロとセロハンテープを配布。「制限時間20分でスパゲティを組み立てて、一番高いところにマシュマロを刺せたチームの勝ち」というチャレンジをする時間があって、とても盛り上がったそうです。

子どもたちいわく、とにかくスパゲティを束ねてひたすら長い長い棒にして、その先にマシュマロを刺そうとするチームもあれば、東京タワーのような安定感のある構造物をコツコツ作ってから、てっぺんにマシュマロを刺そうとするチームもあり、マシュマロをつまみ食いしてばかりで全然作業が進まないチームもあり……と、どのチームも個性的でとても面白かったとか。

サッカーとは関係ないように見えるかもしれませんが、こういう機会に普段と違う頭や体の使い方ができることはとても大切なことなのではないでしょうか。単なる気分転換ではなく、サッカーをやっているだけでは気づかない、自分やチームメイトの意外な一面に気づくことも、新鮮な体験になります。

先のマシュマロチャレンジ、シンプルなように見えますが、アイディアを出し合う→試してみる→上手くいかなかったら考え直す→再チャレンジ、という流れの中で、子どもたちは自然と同じグループの仲間とコミュニケーションを取り合い、一緒に同じ目標に向かって行動する、ということを学びます。

子どもがまだ小さいうち、特に同じ学校の友達と地元のクラブに通っているような場合には、サッカーの練習の前後に一緒にグラウンドで遊んだり、練習のない日も待ち合わせて遊んだりすることがよくあります。それこそ学校でもグラウンドでも四六時中一緒にいるような人間関係も珍しくないでしょう。

でも、年齢が上がるにつれて、たいていどの子も学業が忙しくなってきますし、練習時間も遅めの時間帯になりがち。さらに子ども自身がより良いプレイ環境を求めて遠方のクラブに移籍することも出てきます。そうなると、どうしても「サッカーの時しか顔を合わせないし、サッカー以外の面はよく知らないし、終わったらお互い話もせずにすぐ帰る」というチームメイトも出てきます。

【参考過去記事】

プレシーズンで一泊二日の合宿を行い選手の内面を引き出した。

そんな仲間と一緒にサッカーをしようとしても、団結力やチームとしての一体感は一朝一夕にできるものではありません。それを無理に高めようとするのではなく、まずはサッカーから少し離れたことをしてみる、ちょっとした雑談ができるような時間を設ける、そうやって相手の普段見ることができない一面を知る。そうしたことが自然にできるきっかけとして合宿やキャンプが機能するなら、それはチームにとっても、子ども一人一人の内面的な成長にとっても、とても有意義で、なにより楽しい時間の過ごし方となるのではないでしょうか。

いつもはジャージ姿しか見たことのないチームメイトや監督の普段着姿を見るだけでも、一緒に寝起きしたりスーパーに買い出しに行ったりするだけでも、きっとそれはとても新鮮な発見になるはずです。

今週もお読みくださりありがとうございました。次週のゆきラボもよろしくお願いします!

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