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中野吉之伴フッスバルラボ

【きちゼミ】スポーツが子どもたちを自殺に追い込むなんて絶対にあってはならないんだ。

前編「益子直美さん「スポーツって自分を成長させてくれるためのツールで、人間力を育むための大切なもの」

前回に引き続き、益子直美さんとのWEB対談でのやり取りを今回もご紹介したいのだが、その前に日本の部活動で起きた痛ましい事件についての記事を読んだので、それについて少し言及したいと思う。

▼ 心身の安心と安全と基本的人権は守られないとならないのだ

中野 益子さんがされている活動って個としての活動?それとも協会がサポートに入っている?

益子 (首をよこにふりながら)いや、個人なんですよ。だからなかなか広がらないんですよ。ほんとに。広めようと思って、アスリートの仲間に声をかけたりしてたんですけど、やっぱり成功体験している方が多いので。

ネガティブにとらえる選手もいれば、その指導で成功したと思ってる選手もいるし。1人1人受け止め方は違いますしね。

恩師を否定することはできないという選手も多いので、私自身もネガティブなメッセージもSNSとかで届いて。痛みを伴う活動でもありますけど。今でも半分ぐらいはネガティブかも。『益子がそんなことをやってるから日本のスポーツ界がだめになる』って(苦笑)。

そのたびに自分もブレていたんですよ、落ち込んで。でもやっぱり自殺してしまう子どもたちがいるというのは絶対に許せないし、悲しいので、頑張ろうと軸を据えてやっています。

こちらの記事の内容は衝撃だった。

部活動を苦に自殺、部活動で死亡。ありえない。

《厳しいトレーニングが必要か否か》の議論にはね、絶対的な前提条件が必要なんだ。

心身の安全と安心と基本的人権の遵守。

厳しさがそれを損なうなんて絶対にあってはいけないことなんだ。

厳しさを《インテンシティが高い》というふうに解釈するなら、それも必要だよ。心身に高い負荷をかけることで、鍛えることはできるし、鍛えることも大切だ。

でもそうした厳しさを追求するためには、《子供たち、選手たちがどこまでできるのか》《最大負荷値はどのくらいなのか》をしっかりと見極めることがものすごく大事。当然ここでその数値はものすごく個人差があることを知っていなきゃだめ。

丁寧なパーソナルトレーニングですべてのデータを取ってやるならまだしも、1人の指導者がそれぞれと向き合えないくらいの多人数を相手に状況認知も、状況判断も正しくできないような環境下で、《厳しさ》という言葉を言い訳にわけのわからない、しごきなんて域を超えた練習まがいなものをさせるというのをトレーニングとも練習ともけいことも言えるわけがない。

トレーニング学からして大間違いなのは言うまでもないけど、それ以前に人として、社会におけるあり方として受け入れることができない。

絶対ダメなんだ。追い込むことを肯定するための言い訳なんていらないし、あってはいけないんだ。

「そこまでやらないと勝てないんだ!」

違う!

自分達のキャパシティの中で最大限の力を発揮できるように取り組んで、少しずつその枠を広げていけるように頑張って、それでも勝たなかったら相手を称えるのがスポーツであり、僕ら人間社会がもつべき空気感だろう。

頑張っても勝てなかった悔しさに寄り添って、そこまでの歩みを一緒に振り返って、その中で何を学んで、これからどうやっていこうかを考えて、時に一緒に泣いて、時に熱く鼓舞して、時に黙って話を聞いて、最後に肩をポンとたたいてあげるのが指導者じゃないのか。

僕らに確かな良心があるなら、悪意をはねのける勇気を持とうじゃないか。
ダメなことはダメといえる僕らでいようじゃないか。

こんな悲劇はもうたくさんだ。

▼ 「怒られたときに残るのは《怒られた》ということだけ」

中野 そこの成長というのは短期間ではなかなか見えにくかったりしますよね。つまりその選手が大人になって、社会人になってというところでやっと見えてきたりするものもあるわけで。高校でおしまい、短期決戦で結果を出せるかどうかでいうと、評価されずらい側面もあったりする。

益子 短期決戦のトーナメントがあるし。しがらみもあるし、学校の宣伝としてのあれで、先生たちもプレッシャーもあるだろうし。

中野 怒るー怒らないというところでいうとね、子供たち、選手にたいしてガっと言ってしまったとして、練習後に「ちょっと今日言い過ぎたなぁ」って思えるか思えないかでも相当違うなって。怒るのが当たり前化しちゃうとその振り返りもなくなってしまうのかなと。

益子 キチノスケさんがラジオで、「怒らないんですか?」って聞いた時に、「僕は怒るよりも伝えたいことがあるんですよ」っていって。そうだよなぁって。怒りをして注意をしても受け取る側には伝わらない。

残るのは「怒られた」だけ。

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