【観戦記】6戦未勝利で17位に苦しむシュツットガルト。重荷全てが遠藤航一人にのしかかりすぎていないだろうか
▼ 日の光がもたらす元気
好天のシュツットガルトを取材で訪れた。
ドイツの冬場は曇り空が多い。朝から晩まで曇ったままで夕方には暗くなっていく。まったくもって気分を晴らすきっかけがない。日の光が人にもたらす影響はとてもポジティブだ。「そうそう、ビタミンDがね」とかそんな話は聞きたくない。やめてくれ。そんなことじゃない。
どんなに寒くても、太陽がちょっとだけでも輝き、その光を浴びることができたら、僕らは元気を蓄えることができる。それこそ氷点下近くてもダウンコートを着て、厚手の毛布にくるまってでも、オープンカフェに座る。寒い国で生きる人にとってはそうした機会を大事にすることが生きていくうえで大切だし、時に「そこまでしなくても」とこちらが思うくらいに光を求める。
それはきっと彼らが持っている知恵なのだ。
そんなことを考えながら、試合まで時間があったので僕は街中を散策していた。中央駅から5分も歩くとシュロースプラッツという広場がある。シュロースは城、プラッツは広場。日本語に訳すと城前広場?城内広場?まあ、どちらでもいい。
ここは市民憩いの場でカフェも多いし、芝生に腰を下ろしてのんびりする人もいる。そうそう、いまドイツでのコロナルールではカフェやレストランで席に着くには2G+(予防接種完了【Geimpft】かコロナ回復【Genesen】のいずれかの証明書の提示+ブースタ接種済か当日の抗原検査ネガティブ証明が必要)ということになっているけど、シュツットガルトや僕の暮らすフライブルクのあるバーデンビュルテンビュルク州は2Gへと緩和された。
予防接種証明書か、コロナ回復証明書のどちらかを提示できたらオッケーなんだ。
オミクロン株の流行でドイツにおける新規感染者数は中々に多く、それこそ20万人を超す日もあるんだけど、それでも病院の収容患者率や重症患者率が低いというのが緩和の理由となっている。
さて、僕はシュロースプラッツからちょっと行ったところに雰囲気よさげなカフェを見つけた。店員さんの感じもいい。常連さんもいっぱい来ているようで、笑顔があふれている。
僕は窓際の席に座ってカプチーノを頼んだ。愛想よく注文を取ってくれた店員さんに年配のご婦人が声をかけた。婦人はシュツットガルトのユニフォームを着ている。これからスタジアムへ応援に行くんだろう。
良さげなカフェを発見。
シュツットガルトのユニフォームを着た年配の婦人がお店の人に声をかけられてた。
「勝つといいわね。相手はどこ?」
「フランクフルトよ」
「じゃあ簡単ね(笑)」
「まあ(笑)」そんなやりとりができる空気感が素敵で、サッカーが日常のあいさつ以上の意味を持っている証。 pic.twitter.com/q04aFrxz7E
— 吉之伴@??サッカー指導者 (@kichinosuken) February 5, 2022
この日からドイツでは10000人までの集客が許可されている。許可が出たのが水曜日。各クラブは急遽シーズンチケット保持者対象で販売に動いたけど、どこも15-30分で完売だったという。チケットを手に入れたご婦人のウキウキはこちらにも伝わってくる。そしてコートを着てカフェを出ていくご婦人に、「楽しんできてくださいね。幸運を!」って言葉をかける店員さんたちが素敵。
くいっと僕もカプチーノを飲み干して、スタジアムへ向かうことにした。
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