【CL】ビジャレアルの戦い方から日本代表がドイツ代表とどう戦うべきかのヒントを探ってみた
▼ バイエルンはビジャレアルとどのように戦おうとしていたのか?
チャンピオンズリーグ準々決勝でドイツ王者のバイエルンがスペインのビジャレアルを前に散った。組み合わせが決まった時にドイツメディアはこぞって《幸運な組み合わせ》とすでに準決勝進出は間違いないみたいな論調で記事を書いていた。
選手も関係者も口々に言う。
「これはCLだ。どこも強い。過小評価する理由は一つもない」
でもこれが落とし穴となりやすいところだ。「過小評価をする理由はない」というコメントがすでに過小評価となっていることをわかっていないからだ。
ビジャレアルのウナイ・エメリ監督は試合後の記者会見で「バイエルンのあらゆる処を分析してきた」と胸を張った。一方でバイエルンは本当にビジャレアルの全てを分析してきたのだろうか。
《組織だった守備で粘り強くゴール前にカギをかけられる。機を見て鋭いカウンターでシュートまで持ち込める》
そんなビジャレアルに勝利するための最適解が《この試合》だったのだろうか。
ユリアン・ナーゲルスマン監督は「戦術的にも、心構えの面でも今日はとてもよかった。2点目が入らなかったのが残念だし、ファーストレグで負けた試合が痛手となった」と振り返っていたし、オリバー・カーン代表取締役は「選手はみんな全てを出し尽くして戦ってくれた。結果は残念だが、来年またチャレンジだ」というニュアンスのコメントをしていた。確かに選手はみんな懸命だったし、全力を出そうとしていたのはわかる。だからファンだって試合後に拍手を送っていた。
ただ全てを出し尽くしたうえで《あれ》では、準備不足なのではないかとも思ってしまうのだ。
ペナルティエリア内への飛び込みとヘディングの強さがあるレオン・ゴレツカがいるけど、そこを生かしてゴール前へ折り返させるというのもない。レロイ・サネとキンスリー・コマンのサイドを代えて、よりゴール前を横切ってくるクロスを狙うこともできたけど、それもない。
相手守備を揺さぶるためにスピードのあるフリーランで裏を狙うなんて動きもほとんど見られない。レバンドフスキのゴール後に押し込む時間帯はあったけど、サネのクロスにミュラーが抜け出してヘディングで合わせたシーン以外は跳ね返され続けた。コマンのドリブル突破だけが頼りなのは寂しい。
それこそ相手が守備を固めているのだから、むしろ自分達が下がって相手に攻めさせて、スペースを作らせることだって必要だったのではと。
それこそ、先日ワヒド・ハリルホジッチ元日本代表監督通訳を務めていた樋渡群さんと久しぶりにお話しした時の談話を聞いたばかりだったからなおさら思った。
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