【対談】パプスト「ドイツサッカーの問題はあまりに多くの《教授》がプロジェクトに関わっていること。でも彼らはゴールを決められない」
▼ 恒例対談スピンオフ
ワールドサッカーダイジェストさん毎年恒例企画「BEST PLAYER」のブンデスリーガ部門を今年も担当させていただいた。本誌は5月2日発売。
今回は元1.FC ケルン育成統括部長で現在は自身で立ち上げた1.Jugend Fussballschule Kölnというクラブで子どもたちを指導する傍ら、世界中でサッカークリニックや指導者講習会を開催しているクラウス・パプストと、ドイツのテレビレポーターとして33年間のキャリアを持ち、ブンデスリーガ1500試合以上に加え、数百試合ものドイツ代表密着取材をしているユルゲン・ベルグナー両氏と座談会形式で今季のブンデスリーガを振り返ってみた。
ここ2年間はコロナ禍の影響もあり、リモートでの開催だったが、今年は久しぶりに対面形式。モニター越しではなく、直接会って、挨拶をして、たわいもない話をして、何度も脱線してというのができて本当に良かった。
フッスバルラボでは本誌ではテーマと違うために載せきれなかった《ボルシアMGについて》《バイエルンの内部事情について》、そして《ドイツ育成事情への苦言》についてをお届けしたいと思う。
▼ ベルグナーは応援するボルシアMGの不調にがっかり
パプスト ボルシアMGは《守備をしっかり組織しながらどんどんボールに対してアプローチ》《ボールを奪ったらゴールをダイレクトに強襲》というのが何よりの怖さだった。それがいまじゃ…。
ベルグナー 理解できないことばかりだよ。3バックにして相手にスペースを与えて同じようなミスから失点を重ねている。
パプスト 5バックみたいにやっているけど、ただ5枚いるだけで効果がない。5枚が横並びになって守備ラインを高くしたら、カウンターですぐに突破されてしまう。WBが高い位置を取るのはいいけど、ボールを失ってしばらくたっているのに、シンプルなスルーパス1本で中央を突破されるなんてありえないよ。
中野 ボールロスト後にダッシュで戻るなんてシーンが少なすぎるのが修正できないでいる。そういえばバイエルンのCL敗退をどう見た?
パプスト キチはスタジアムに行ってたんだろう?
中野 うん、僕は取材に行ってた。
パプスト 忙しかったからいけなかったんだ。正直に言えばあの内容では世界トップ4には残れない。センタリングを放り込むだけだった。ビジャレアルのCBは笑いが止まらなかったんじゃないかな。クリエイティブさなんて全くなかった。1度だけセンターからのプレーを見せて、それがゴールにつながったのに。
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