中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】「ベルリン行くので金曜日は休みます」の話と、ドイツの教科書の話

こんにちは!水曜コラム「ゆきラボ」担当のゆきのです。中野吉之伴は、現在フライブルクで開催中の国際コーチ会議に出席中のため、フッスバルラボ更新の間隔が少し空いてしまっております。国際コーチ会議のレポートは追ってこちらでご紹介いたしますので、しばらくお待ち頂ければ幸いです。

さて、先日5月21日(土)はドイツカップ(DFB Pokal)の決勝戦でした。地元SCフライブルクにとっては、クラブ創立以来初の決勝進出を果たした歴史的な一戦。決勝進出を決めたハンブルク戦には遠路はるばる多くのフライブルクファンが駆けつけ、フライブルク市長のマーティン・ホルン氏もスタジアムに足を運んで熱い声援を送り、翌日は地元紙が号外を打つなど街を挙げての大騒ぎになりました。

ハンブルクもベルリンも、車で最短ルートでも約800㎞。フライブルクから8時間以上かかります

そして迎えた決勝戦。詳しい決勝戦のレポートは中野からの報告を待ちたいと思いますが、私の周辺……というかサッカー男子である息子たちの周辺では、フライブルク優勝の瞬間を見届けようと金曜日の授業をまるまる一日、もしくは半日欠席してベルリンに向かった子が続出しました。子どもが行くということは、親もここでたぶん有給使ったんですね。

これまでも、ドイツが優勝して試合の放送がドイツ時間の深夜に及んだブラジルワールドカップの翌日は学校の1~2時間目が休講や自習になった……ということがありました。フライブルクが決勝に出るなら地元の学校は当然そうなりますよね、とあまり驚かずに受け止める一方で、しかしまあみんな本当に普通に休んでベルリン行くなあ……と改めてドイツでのサッカーの特別さを見せつけられた気がしています。

ちなみに、決して学校が公式にサッカーを欠席理由として認めているわけではありません。どちらかというと「止めてもどうせ休んで行くんだろうからしょうがない」というニュアンスです(たぶん)。

イメージ https://www.photo-ac.com/

試合前日の金曜日は、夕方に次男のクラスのバーベキュー会があり、次男と2人で参加したのですが、我が家がサッカー家族であることを知っている周囲のママ友からは「パパとお兄ちゃんは来ないの?ベルリンに向かってるの?」と、さも当然のように聞かれました。いいえ、長男は普通に自分の試合に出場してるだけなんですが……。アマチュアクラブの中には、選手の大半がベルリンに向かってしまったために自分たちの試合が中止になったところもあるそうです。

私たち家族はフライブルク市内に設営されたパブリックビューイング会場に行こうとしたのですが、予想以上の人出に入場券は売り切れ。場所を取ることができず自宅から観戦しました。

後半は、ブンデスリーガもドイツカップも終わって日常に戻ったドイツの学校のお話をお届けします。今日のテーマは「教科書」です。

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