【指導論】選手が指導者に求めるものってなんだろう?国際コーチ会議で紹介された6つのポイント
▼ なんのために練習を続ける?
5月に行われた国際コーチ会議の中で紹介されたスライドの1枚。
パウ・カサルス。
世界的なチェリストだ。
彼は95歳になってもなお毎日6時間練習をしていたという。
インタビュアーが「なぜ95歳になっても毎日のように練習をされるのですか?」という質問をしたときに、カサルスはこう答えたという。
「私は今でもまだまだ成長することができるという気持ちを持っている」
やり続けた先にあったものとは、これ以上しなくてもいいという満足感ではなく、これ以上することはできないという諦めでもない。自分は練習を積み重ねて努力していくと、さらにもっと良くなっていけるという気持ちを持ち続けているというのがすごいし、素晴らしい。
取り組み続けていけたら成長することができるという実感があるということだし、そうした成長が自分にポジティブなものを持たせてくれるという確かな経験があるということだ。
成長の実感というポジティブな経験が、情熱と自信と活力の原動力になる。カサルスもそうであるし、様々な分野の様々なジャンルで活躍されてる方々は、そうした背景を知ってるからこそ、いつまでも学び続けようという謙虚な姿勢を持っているのかなと思うのだ。
指導者としてだけではなく、日常生活であっても学ぶことを止めたら、そこで成長が止まるどころか、劣化してきてしまう。時代や社会の変化、それぞれの個性に応じた対応や順応ができないと、どんどんおいて枯れていってしまう。
だからこそ、学ぶ意欲を持ち続けることはとても大切だし、学ぶ意欲につながるという点において、学ぶことの楽しさ、やりがい、成長の実感ができる機会があることがやっぱり望ましい。
▼ 選手が指導者に求めているものって?
国際コーチ会議ではDFBタレントサポートプロジェクトリーダーのダミア・ドゥガンジッチが指導者の自己分析から、選手とどのように向き合うべきか、というテーマで講義をしてくれた。こちらでもレポートしているので、ぜひ読んでいただきたい。
僕ら指導者はそれぞれ理想の指導者像なんてものを考えたりする。でもそれって一方通行になっていないだろうか?ドゥガンジッチは「指導者としての自分を考察するうえで、《選手が指導者に求めているもの》を正しく理解することが大切だ」と語っていたので、今回はそこを取り上げてみたいと思う。
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