中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】月額1000円で日本のアニメが見放題!充実するドイツサブスクの日本コンテンツとその影響

このコラムで何度か、ドイツで日本の食材が手に入りやすくなったこと、食のインターナショナル化が進んだことに触れましたが、こと日本の食文化に関しては、このアニメやマンガなどの日本のコンテンツを通じて日本の食べ物に興味を持ったという人も少なからずいるようで、それが日本の食材の浸透に一役も二役も買っているのでは?と個人的には思っています。それと、もしかしてこれもちょっと関係あるのでは?と思うのはスマホの絵文字でしょうか。

メッセージを書いているときに、実際には使わなくても「あ、こんな絵文字あるんだ」「この絵文字は何に使うんだろう?」と気になることってありますよね。我が家の子どもたちは、時々学校の軽食におにぎりを持参することがありますが、「あれって絵文字にある三角の白黒の食べ物と同じものなの?」「どんな味がするの?黒い四角いのは何?」と聞かれたことがあるそうです。

なんだこれ?と思った絵文字を調べられるドイツ語の絵文字事典も見つけました

今年の春まで、知人の紹介でドイツ人のティーンエイジャーの女の子に少しだけ日本語を教えていたのですが、彼女の夢の一つは「日本に行ったらこれを食べてお花見をすること!」でした。

ピンクと白とグリーンで見た目もすごくかわいいし、すごく美味しそうだけどどんな味がするんだろう?と興味津々だったのをよく覚えています。マンガやアニメではデフォルメされていて団子一つ一つがけっこう大きいことがあるので、「日本人はほんとにあんなに大きなお菓子を食べてるの?」と聞かれたこともありました。実際には一口サイズだと説明しましたが、たしかに絵文字ではサイズ感まではわかりませんよね。

この春から段階的に日本への外国人の留学が可能になったため、今年4月の半ばには、彼女も晴れて日本へ旅立つことができました。もしかするとお花見には間に合わなかったかもしれませんが、どこかで彼女が美味しいお団子を食べて夢をかなえていてくれたらいいな……と思っています。

留学生のみならず、戦争中のウクライナからも日本へ避難した人がたくさんいますが、避難先としてヨーロッパから遠く離れた日本を選んだ理由として、特に若い年代の女性では「日本のアニメやマンガを通じて、もともと日本という国に興味があったから」という人もいると聞きます。生命の危険が迫り、逃げなくてはならない、という厳しい状況の中で、彼女たちがそんなことをきっかけに日本という避難先を選んだのかと思うと、ソフトパワーの持つ力は時に本当に深くて強いんだな……と実感させられます。きっと現実はアニメとは全然違うことばかりだとは思いますが、日本へ移り住んだ彼女たちが少しでも穏やかな日々を送れるように願っています。

今週もゆきラボをお読みくださりありがとうございました!次週もよろしくお願いいたします。

前のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ