中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】夏休みまであと1週間。補習の話と長男へのインタビュー「4か国語を同時に学ぶってどんな感じ?」

こんにちは!ゆきラボ担当、ゆきのです。

今週に入ってからドイツを含めたヨーロッパ全土がまたまた熱波に見舞われています。もともと乾燥した気候なので、晴れて暑い日が何日も続くと、水不足が発生したり、農作物などへの被害が出ることもありますし、山火事も心配です。先日もフライブルクの近くの山・シャウインスラントで山火事が発生し、すぐ消し止められたものの、安全確認のためにふもとと山頂を結ぶロープウェイが数時間ほど運休する事態になりました。

フライブルクの街を一望できるシャウインスラント

学校も残すところ1週間ほどですが、連日の暑さで体調を崩す子、通称“Sommergrippe(夏インフルエンザ)”と呼ばれる夏風邪を引いてしまう子、そしてここのところまた増えてきているコロナウィルスに感染してしまう子が続出しています。元気に夏休みのスタートを迎えたいところですが、この暑さでは健康を維持するのが大人も子どもも本当に難しいです。

さて、その夏休みですが、以前コラムに書いた、英語の苦手な次男のために、学校が用意している夏季補習コースを申し込みました。

【ゆきラボ】値上げしても謝らないドイツと、ドイツでの英語学習の話


夏休みの終盤はここで45分×2コマ×2週間の英語の復習です。通常の授業は30人1クラスの一斉授業ですが、ここでは先生1人につき生徒8人程度と少人数。語学と数学のコースが開講されており、希望者は無料で受けることができます。

無料なのはありがたいのですが、次男の担任の先生も「補習はおすすめですよ、まあ先生によりますけど(笑)」と言っていたくらいで、先生の教え方や性格、一緒に学ぶクラスメイトとの相性はもちろんあります。これは普段の授業と一緒ですね。長男も何度かこの夏休みの補習を受けたことがありますが、同じクラスの生徒たちが長男よりもさらに成績の振るわない子たちだったため、本人曰く「簡単すぎてあんまり勉強にならない」ということもありました。

イメージ: https://www.photo-ac.com/

次男は夏休み以外の普段の時期からドイツ語の補習コースも週1回受けています。ドイツ語が苦手な子はもちろん、親の母国語がドイツ語ではなく、家庭でドイツ語を使う機会が少ない子ども、複数言語の中で育つ子をサポートするために設けられたコースで、こちらも無料です。ラッキーなことに、この補習の先生は「全科目の先生の中で一番説明が上手で授業が楽しいかも」と次男が言うほど。仲の良い友達が補習コースに通っていて、クラスの雰囲気が合っていることもモチベーションに繋がっているようです。

イメージ: https://www.photo-ac.com/

ドイツには日本でいう塾や予備校のようなものはなく、学校の勉強についていくのが厳しい子どもは家庭教師をつけるのが一般的です。公立私立問わず、ドイツの学校での教え方は日本の学校よりも先生の裁量に任されている部分が大きいので、通常の授業でも補習でも、合わない先生とは本当に合わない…ということは普通に起こります。親が家で聞いていても「その先生の教え方どうなのよ」ということは時々あって、それが科目に対する苦手意識につながることも少なくありません。せっかくお金を出して苦手を克服しようとするのですから、相性の良い先生や教え方に定評のある先生をしっかり探してマンツーマンでサポートしてもらわないと意味がない、という考えのようです。

苦戦している人。ペーパーテストの点数が良くないだけで、授業は楽しいみたいです

ところで、現在進行形で英語に苦戦している次男を尻目に、気がつくと長男の方は英語が得意科目になっていました。クラスでトップクラスの成績というほどではないのですが、英語学習が始まった当初から比べると、親の目から見ても確かにかなりの伸び幅です。私たち親から日本語を学ぶところから始まって、ドイツ語、フランス語、英語、と着々と使える言語を増やしてきた長男ですが、ドイツに渡るまでほとんど日本語しか使わずに生きてきた私には、率直に言ってその頭の中身が謎です。そこで、彼の成長の記録も兼ねてちょっとインタビューしてみることにしました。後半では14歳の長男が語る「長男と4か国語」の話をお届けしたいと思います。

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