「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第4節/町田・相馬直樹監督、鈴木崇文選手、富山・岸野靖之監督コメント(4,190文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第4節13:04キックオフ
富山県総合運動公園陸上競技場/2,552人
カターレ富山 1-2 FC町田ゼルビア
【得点者】富山/39分 日高拓磨 町田/7分 宮崎泰右、61分 鈴木崇文

 

▪︎相馬 直樹監督(町田)

——まずは試合の総括をお願いいたします。

「このような荒れた天候の中、たくさんの方々に町田から応援に来ていただき、感謝していますし、勝利を届けられたことをうれしく思っています。苦しい状況になりながらも戦い抜いた選手たちに感謝したいと思います。我々は前節、秋田さんにホームで負けてしまい、正直ふがいないゲームをしてしまいました。そして、今節は昨年J2にいた富山さんという格上と戦うゲームになるので、チャレンジャーとして戦うこと、我々の原点に立ち返ることを今日出そうと試合に臨んだ一戦でした。前半から風も含めて苦しい状況でしたが、そこを耐えながら非常に原点の部分も強く出してくれたと思っています。当然スタートダッシュをかけたかったのですが、今はそういう状況ではありません。まだ新しい選手の融合が進み切ってはいません。ただ今日のような勝ち方は今後に向けて非常にプラスになると思っています。これからゴールデンウィークが明けるまで、トントントンとゲームが続いていきますが、そこに向けて弾みを付けられるようなゲームをやっていきたいと思っています。本日はありがとうございました」

 

——富山は過去3戦、3バックで戦っていたところ、今日は4バックでしたが、富山が4バックになったことへの選手の対応についてはどのように感じていますか?

「朝まで3枚だと思っていましたので想定外ではありました。ただいつも4枚でのトレーニングをしていますし、それほど混乱なく対応してくれたと思います。相手の狙いは3枚でも4枚でも最前線の選手のスピードを生かしながらポイントを作って、サイドから崩すことがストロングポイントだと思っていました。それに関しては最終ラインの枚数に関係なく対応できていました。ただ前半は風の影響で後手に回った部分はあると思います」

 

——今日は鈴木孝司選手がベンチ外でした。その理由を教えてください。

「鈴木孝司は今週一緒に十分なトレーニングをできなかったので、今日の我々の戦うという姿勢の部分で、100%ではない選手を連れてくることは考えられなかったことが理由です」

 

——前半から高い位置からプレスをかけていましたが、それは監督のほうから指示を出していたのでしょうか?

「指示を出していた部分と選手たちの話し合いの中でやってくれたことです」

 

▪︎MF 17 鈴木 崇文(町田)

「(決勝点の場面について)たまたま転がってきたので、あとは決めるだけだった。ゴール前には意識して入るようにしている中でたまたまボールが来た。(チームとしてやるべきことをどの程度表現できましたか?)前回の試合(秋田戦)に比べればできるようになったけど、もっとできる。あとは一つひとつのプレーの質を上げていかないと。僕も含めて、奪ったボールをまた取られるシーンもあったし、今日のハードワークをベースにして、もっとプレーの丁寧さを出していければ。(勝ち越したあと、チームはどのような意思統一でいましたか?)ウチは引いたら守れないので、これまでの戦い方を変えずにいこうという話をしていた。守っているだけでは守り切れないので、もう1点を取ろうという意識ではいた。ただリスクを冒し過ぎる必要はなかったけど、チャンスがあれば点を取りたかった。(攻撃の改善点について)ボールをもっと動かしてやりたい。先制点もタイスケ(宮崎)の個人技だし、もっとみんなで動きながら連動してできたら良かった。やっているこっちとしては一人減っても風上だし、あまり負ける気はしなかった。前半の最後まで相手に攻められていたけど、風があったので仕方がないかなと思っていた。そんなに焦ってはいなかった」

 

▪岸野 靖之監督(富山)

——まずは試合の総括からお願いいたします。

「勝てる試合を勝たないといけない試合を落として残念です。ただし、過去3試合を含めると、選手の勝ちたいという部分は出ていたと思います。さらにできるように続けていくだけですが、失点は幼いところがある。詰めてやっていかないといけません」

 

——今日は日高選手が加わった4バックとなりましたが、それを選択した理由は?

「もともとキャンプの段階から練習していた形。日高がけがをしたことで代わりになる選手がおらず、彼が復帰したからこのシステムを選択しました」

 

——4バックの手ごたえは?

「日本人はシステムの話が好きで、とかくシステムの話をしたがりますが、システムは最初の立ち位置だけ。今日の4バックは良い部分もありましたし、改善していく部分やポジショニングを修正する必要はあります」

 

——相手が一人退場し、数的優位に立った上での失点を喫した。そして点も取れませんでした。試合後にはサポーターからブーイングも出ていましたが?

「決定機が入らなかった。決めていれば……と話していても仕方がないので、もっとチャンスの数を増やさないといけない。相手が退場して考えることは守ってカウンターとよりハッキリとした割り切った戦いになる。相手の人数が少ないからチャンスができると思うだろうけど、相手はよりハッキリと守ってカウンターに割り切るので、そう簡単にチャンスにはなるものではありません」

 

——森選手が中央からパスを出す形も多く見られました。

「縦のボールは正確性が求められるし、中央に人もいるのでプレッシャーを受けやすい。それを回避するためにサイドを変えるというやり方がありますが、まだサイドを変えるという展開が少ない。相手のプレッシャーを受ける方向にボールを展開することが多いです。狭い局面は人がたくさんいるので相手はボールを奪いやすいし、まだチームには狭い局面を打開するというクセのようなモノが残っています。出ている選手の能力もあるので、修正するには時間がかかるかもしれません」

 

——特に2失点目の場面は自滅のような感じに見えました。

「選手が成長する過程でミスは起きるモノ。ゲームを読むというか、そういうことも必要だけど、2失点目に関しては相手のプレッシャーに引っ掛けられてしまった。積極的にボールに行けばいいのに見てしまう。怖がらずに行けと言っているけど、それが練習からできない。これから選手として生きていくためには、試合で痛い目にあうことも辛抱しながら、見てあげないと選手も育たない。ただそれによって大事な試合を落とすと考え直さないといけないこともあります。早く一人前の選手になってもらいたいですね」

 

——大西選手の交代はけがの影響もあったのでしょうか?

「大西は頭を使ってサッカーをする選手。体が小さいし、爆発的なスピードがある選手ではないので、ギリギリのボールを取ることに関しては、パワーがいる。よく考えてプレーしてくれていたけど、試合の中でメンバーを代えたくて代えただけ。けが明けどうこうで代えたわけではありません」

 

——日高選手のセットプレーでの得点という収穫もありました。

「彼はもともとFWの選手だったので、今日も攻撃的なプレーが出ていました。あれぐらいは毎試合やれると思っています。2点目は相手に引っ掛けられてしまったけど、責めることはできない。止めてつなぐことが我々のサッカーで、あの局面で蹴ってしまうと、チームの進歩はない。プレッシャーを受けても平気でプレーできるようにならないと」

 

——試合途中で森選手を前のポジションに上げましたが?

「オレの中での森の評価はボールを奪う力があると思っています。より前でボールを奪うために、彼の位置を変えました。比較的シュート力も持っているので、そういうものを求めて、前でプレスのスイッチを入れるために、彼を前(インサイドハーフ)に置きました。より前からプレスをかけられるように、吉川をワンボランチに置いて、少しでも前からプレスをかけられるように森を前に置いた。よりロングボールを蹴らさないようにするためでもありました」

 

——今日の試合を100点満点で評価すると?

「負けたし、負けたことは良くない。失点は昨年の富山を見ているようでもありました。それは非常に良くない。ただゴールを奪いに行く姿勢は出せていました。それはプラス材料。点数は分からないですね。内容は勝った開幕戦(秋田戦)よりは動けるようになりました。でも全体は動けていましたが、もっとできたのにと考えれば、もったいなかった。そこは評価が低い。今日は町田の勝とうとする気持ちが強かった。すべてで相手を上回れるようにやっていきたい」

 

——4試合を終えて、事前のイメージといまの結果はどの程度リンクしているのでしょうか?

「簡単な試合はないし、難しい試合がこれからも続くと思います。結果に関しては簡単に勝利を計算できるほどのチーム力はないですし、特に若い選手の力不足はハッキリしています。ただ若手の力を上げていくことがカターレ富山の使命だとも思っています。まだまだこれからもいろいろなことがあると思います。昨季は負ける試合が多かったですから、今日の試合後にロッカールームで全体を見ていたのですが、昨季は相当悲惨だったんだなということが分かりました」

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