「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第10節・町田vs福島/町田・相馬直樹監督、福島・栗原圭介監督、石堂和人選手コメント(3,875文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第10節・16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,802人
FC町田ゼルビア 1-1 福島ユナイテッドFC
【得点者】町田/70分 鈴木孝司 福島/76分 安東輝

 

▪︎相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の感想からお願いいたします。
「今日がゴールデンウィーク最終日で、われわれにとっては次節、ゲームがありませんので、連戦最後の試合となりました。勝利を期待して来てくれたお客さんの前でなんとか勝利を、と思っていましたが、勝ち切れなかったなというのが正直な気持ちです。前半も後半もそうなのですが、いくつか自分たちの決定機を作りながらも、フィニッシュで終われなかったり、フィニッシュで終わったとしても決め切れなかったりしていることが、自分たちを少し苦しくしてしまっているところなのかなと感じています。前半は相手に崩された形もありました。次節までは間隔が開きますので、そこは修正をしないといけないなと思っております。また、どんなゲームでも1失点はあり得ることで、ファーストチャンスを決め切ることもかなり大事になると思いますし、勝ち切るためには2点目を取る力が必要です。このインターバルの間に複数得点を取る力を付けるために、選手たちと取り組んでいかないといけないなと現時点では考えております。勝利を期待してくださった方々には勝ち点1しか取れずに申し訳ないのですが、また次節に向けて準備をしていきたいと思っています」

——中村選手が公式戦初出場を果たしましたが、現段階でのコンディションと彼への今後の期待について教えてください。
「連戦期間中ということもあって、いまゲームに出ている選手たちとコンビネーションを深める時間がない中でも、これまでたくさん外からチームを見てきたことも含めて、経験のある選手として、攻撃の形をもたらしてくれたと思っています。彼にもチャンスはありましたが、決め切る力を持っている選手だと思っていますし、徐々にその力を発揮してくれればいいと思っています」

——今日の中村選手は78分からの出場でしたが、まだコンディションを徐々に上げていく段階で、先発フルを出場するにはまだ早いという認識でよろしいでしょうか?
「われわれはここまで、それほど悪い順位にいるわけではありませんし、ここまでしっかりとやってきてくれている選手もいる中で、間違いなくプラスアルファをもたらしてくれる存在だと期待しています」

——福島にパス回しでプレスをはがされる、石堂選手にフリーで持たれるケースが多かったように思いますが、守備がハマらなかった原因は?
「特に前半がそうだったと思います。ピッチの外からも声をかけていましたが、修正し切れなかったのは事実かなと。少し最終ラインが重かったことで、(石堂選手が)顔を上げたときのシチュエーションの距離感が前半は良くなかったのですが、後半にはかなり変わったなと思っています。ただこの前のゲーム(琉球戦)でもそうですが、(味方同士の)距離が合わない時間帯がどうしても出てしまいます。もちろん相手のこともありますし、相手が対策を練ってくる中でそういう時間帯は多少なりともありますが、そこは我慢をすればいいと思います。システム上、プレスがかからないこともあります。一方で後半のように修正できることもまた事実ですので、こちらの指示ではなく、ゲームの中で変わってくれればいいなと思っています」

 

▪︎栗原 圭介監督(福島)
——試合を総括して。
「前節(・相模原戦)は良いサッカーをできずに非常に悔しい思いをしてきた中で、選手たちはどのように改善しようかとミーティングをして修正・改善しようとトライしてくれた。自分たちのやろうとしたことに対してチーム全員が一つになって主導権を持って戦った結果、良いプレーを見せくれてうれしく思う。また関東での連戦になったことで、平塚に宿泊をさせてもらったし、先ほど話した選手間ミーティングをやる時間と環境を整えてくれたクラブにも感謝している。その結果、良いプレーを出せたと思う。さらに遠征メンバーに帯同しながらも、横野(純輝)がベンチに入れなかったが、彼はロッカールームでいろいろなことをやってくれたし、水も運んでくれた。そしてチームのために声もかけてくれた。悔しい気持ちを持っているのに、そこまでチームのためにできる選手はなかなかいない。そういったいろいろな要因があって引き分けという結果を残せたと思う。ただ一方であれだけチャンスを作りながら点を取れないことに関しては改善しないといけないし、上位の町田相手に良い戦いをできたことは事実だけど、われわれがこの先、上位を狙うためには勝ち切ることを目指してやっていかないといけないとも感じた」

——前節・相模原戦からの具体的な修正点は?
「前節の試合を選手たちで見てそれを改善してくれた。選手たちが考え抜いた結果、攻撃に関してのポジショニングを改善していこうと、それに積極的にトライしてくれたと思う」

——(頭部を負傷して)途中交代した戸川選手は次節、大丈夫でしょうか?
「まだ詳しくは分からないが、傷が深くて血が止まらない状況だったので交代させた。恐らく大丈夫だと思うが、まだ確認していないので分からない」

——次節の山口戦に向けて、意気込みを聞かせてください。
「ホームで首位の山口とやるので、勝つための最高の準備をして、選手たちとともに戦っていきたい」

——システムを変えて4試合目。主導権を握るために変えたとのことですが、その手ごたえはいかがですか?
「1試合1試合を重ねるごとに良くなっているなと。攻撃に関しては機能しておらず、改善の余地があるなと思っていたが、今日に関しては選手たちが修正した中でそれをうまく表現してくれたことをうれしく思っている。試合をこなすごとに質を高めていってほしいなと思う」

——安藤選手の同点ゴールの価値は?
「CKからの得点だったが、同点に追い付くゴールを決めるのは価値があること。ただもう1点を取る。前半のチャンスで点を取ることが、中盤や前の選手にとって次なる課題。質を高めていってほしいと思う」

——齋藤選手の投入は点を取るという意思の表れでよろしいでしょうか?
「彼の前へのスピードにも期待していたし、前に押し返せる、もしくは押し込まれたときにもスキを突いて点を取れればと思い、彼を入れた」

 

▪︎MF 8 石堂 和人(福島)
「(勝ち点1という結果をどう受け止めていますか?)勝ち点3を狙う中で勝ち点1という結果は悔しいが、ある程度自分たちのサッカーをできたという手ごたえもつかんだし、前節、相模原にふがいない負け方をして、そこで何が足りないかを統一できたことが今日のプレーの質につながったんじゃないか。(ミーティングではどんな話を?)相模原の試合を見て、僕と安東の位置が低く、後ろではボールを支配できるけど、攻撃に出るときに枚数が少なくてシュートまで行く回数も少なかったので、1列ポジションを上げることで最後の局面に関われるようになった。多くのシーンで二人が攻撃に絡む場面を作れたんじゃないか。(アシストの場面について)練習からやっていることだし、入り方も中で工夫してくれたので良い得点だったと思う。5バックだけど3バックのようなイメージで少し攻撃的にやろうと選手同士のミーティングで話し合った。そこがうまくいって前からディフェンスも行けたし、人数を割いてボールも回せたのでミーティングをやって本当に良かったということは実感している。(町田を離れてしばらく経ちますが、まだ古巣戦という意識はありますか?)もう知っている選手は少ししかいないし、社長やスタッフ陣はかつての仲間。いまでもスタジアムに入ると感慨深いものがあるけど、いざ試合が始まると気負うこともなくできたと思う。

(先制点を取られたことでチームに焦りなどはありましたか?)自分たちのやることをブレずにずっとできていたので、失点してもいつか点は取れると信じていた。選手同士のミーティングで先に点を取られても、強い気持ちではね返さないといけないとは話していたので、それをみんなで表現できたし、引き分けという結果は後ろも前もハードワークできた結果じゃないか。(個人的な今シーズンのテーマは?)ゴールにもっと絡みたいし、自分で点を取ることやアシストはもっと増やしていかないといけない。チームが勝つことを第一に考えて、自分が試合に出る、出ないに関わらず、年齢も年齢なので(苦笑)、もちろん自分が出たらやってやるという気持ちはあるけど、23人と少数精鋭だし、みんなで一丸となって、上位を目指すチーム作りを心がけてその先頭にいられればと思っている。(星兄弟のコンビネーションは良かったですね)星兄弟は息も合っているし、広太はようやくチャンスがやってきた。アイツには常々『いつチャンスが来るか分からないから、準備をしておけ』と言っていたので、今日はすごく良いパフォーマンスだった。今後もチームの役に立ってもらえればと思う。(選手間ミーティングは監督からやりなさいと言われたのですか? それとも選手たちが自発的にやろうと話したのですか?)僕が監督にやりたいと話してやろうとなった。相模原戦のあとに関東に残って、クラブに部屋を借りてもらって、午後時間があったのでみんなでやろうと。(今後に向けて)まずは勝利を目指すこと。いくらパフォーマンスが良くても、勝たないと意味がない。まずは勝利を目指していく」

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