「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第15節・町田vs長野/町田・相馬直樹監督、深津康太選手、長野・美濃部直彦監督、土井良太選手、向慎一選手、大島嵩弘選手コメント(5,791文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第15節16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,568人
FC町田ゼルビア 2-0 AC長野パルセイロ
【得点者】町田/34分 リ・ハンジェ、73分 鈴木孝司

 

▪︎相馬 直樹監督(町田)
——試合を総括して。
「まず今日の長野戦を迎えるにあたって、たくさんの方に来ていただきました。開幕戦のときもたくさんの方に来ていただいたのですが、そのときは勝利を届けることができませんでした。今日はそのときと比べれば少ないですが、一体となって戦って、そして勝利を一緒に味わうことができました。集まっていただいた方々に感謝したいですし、実際に勝利を手にした、つかみ取ってくれた選手たちにも感謝したいです。前後半ともに立ち上がりは、長野さんの前への推進力が高く、前後半ともに我慢する展開になったと思いますけれども、なんとか我慢し切って、自分たちの時間帯を待ちながら、自分たちの時間帯で点を取ることができたゲームだったかなと思っています。スコアは2-0ですが、みなさんも分かっていますとおり、そんなに差はなく、紙一重だったと思っています。その紙一重の結果を手繰り寄せたのも、選手たちの勝ちたいという気持ちが徐々にピッチで表れるようになってきましたし、それを頼もしく思っています。これを続けていくことが大事だと思いますので、選手たちと一緒にやっていきたいと思います」

——紙一重の結果を勝利で手繰り寄せられた要因は何でしょうか? また、ペ・デウォン選手、平選手の途中投入により、最終ラインにCBタイプの選手が並んだ形になりましたが、そこに監督の勝負へのこだわりを感じました。その意図は何でしょうか?
「相手のシュートがポストに当たった場面も、われわれがかき出したプレーもありましたし、われわれのシュートがバーに当たったプレーもありましたが、中盤の球際でのこぼれ球をどちらが拾うかという展開もありました。お互いにどちらも縦への推進力を持ったゲームをしたことで、一気に形勢が変わるゲームでした。その中でわれわれのほうに最終的に勝ち点3が来た要因は、勝ちたいという気持ちをうまくと言ってはおかしいですが、選手たちがピッチで気負い過ぎることなく、表現できるように徐々になってきているのかなと思います。チームであることや勝負事であることにおいて、(勝ちたいという気持ちを気負い過ぎることなく、ピッチで表現することは)生ものという部分もありますので、今回のことで慢心することなく、紙一重の試合を自分たちのモノにしていけるかを選手たちと一緒にやっていきたいと思います。いろいろな意味で準備することを選手たちが意識するようになったことも大きいかと思っています。次の選手交代のことですが、当初は想定しておりませんでした。戦術的にというよりは少し足をけいれんしたりと、不安のあるポジションから代えたことで自然とそうなった結果です」

——次は首位・山口とのゲームです。その試合に向けてのメッセージをいただけますか。
「まだ次に切り替わっていませんが、先ほど申しましたとおり、いまやっていることをどれだけ積み重ねられるかということと、同じことをやろうとしたら、それ以下になってしまうので、選手たちと準備からしっかりとやっていきたいなと思います。その上でアウェイですが、勝利をつかみたいと思っています」

——複数得点を取ることが課題だったと思いますが、後半の良い時間帯で点を取れたことについて、それと、そのゴールに絡んだ3選手の評価をお願いします。
「われわれにとって、ここ最近は1点というゲームが続いていました。選手たちの中からもその話は出ていましたし、私からもそういう話をしてきました。ハーフタイムにも1-0で終わるつもりはないという話をして、選手たちを送り出しました。そういった中でもちろん今までもそういうこと(2点目を取るというメッセージ)を出していますが、今日その2点目を取れたことは大きいと思います。ただ後半の立ち上がりに、長野さんの巻き返すパワーをしのげたことも当然大きかったと思っています。実際にいまの3人は守備のところでも多くのタスクを負ってやってもらっていた中で、前に行くパワーをココというときに出したくれたことを非常にたくましく感じていますし、頼もしくも感じています。それを毎回出せればいいなと思いますが、選手たちとまた出せるようにやっていきたいと思います」

 

▪︎DF 5 深津 康太(町田)
「(今日の試合を振り返って)危ない場面もあったけど、それが入らないということはウチの流れが良い証拠だし、運も味方に付けないとサッカーは勝てないから。いまはその流れが来ているのかなと思う。(その流れを引き寄せられている要因は?)後半の立ち上がりをフワって入ってしまったけど、相手のチャンスもことごとく外れたこともあるし、ウチが厳しく寄せているからかもしれない。流れが悪いときはポストに当たってはね返ってゴールに入ってしまうけど、今日はポストに救われている場面もあった。でもそういう場面を作られたことは改善しないといけないし、もっと確実に勝たないといけない。今日は勝てて良かった。(2点目も入って勝ち切りました)もう最高。ウチは2点目をなかなか取れなかったし、2点目を取れればウチもラクになれる。無失点に後ろは抑えられたし、良かった。(深津選手もゴールラインギリギリでクリアする場面もありました)タカさん(高原)が出てくれたし、コースも見えていたから冷静にクリアできた。僕だけでなくみんながカバーに入っているから、今日は点は取られないなと思った。今日は最高の勝ち方。今季はなかなか連勝がなかったから、良いきっかけだと思う。このままチャレンジャーの気持ちを忘れずに、チャレンジャーの精神で全チームを食っていきたい」

 

▪︎美濃部 直彦監督(長野)
——試合を総括して。
「まだ第2クールに入ったばかりだが、今日の町田とのゲームは次の町田との対戦が最終節になることもあるし、そのころにはいろいろと決まってしまうかもしれないので、ライバルである町田からしっかりと勝ち点3を目指して戦ったが、結果を得られずに残念な気持ちでいる。選手たちはよくやってくれたが、勝負というのはこのようなレベルの高いゲームになると、ちょっとした判断ミスや一つのミスで勝敗が決してしまう。ゴール前が堅い両チーム同士の対戦で、今日の試合に関してはウチが甘かったのかなと。町田のほうにシュートをしっかりと決められたことで星を落としてしまった。ただウチにもチャンスがなかったわけではないし、後半の頭のチャンスを決めていれば、このような結果にはなっていなかったなと思う。でも、それもサッカーの一部で、決めるべきところで決めるということが今日は足らなかったので、そこは反省しないといけない。そして自分の采配についても、途中からシステムを4バックに変えたが、もう少し辛抱して3バックのまま1点をリードされていた状況で反撃をしたほうが良かったんじゃないかと思う。4バックにした結果、オープンな展開になってしまい、追加点を奪われてゲームを難しくしてしまった。そういう意味では自分の采配ミスもあったんじゃないかと思う。ただ第2クールが始まったばかりでまだ試合は続くので、しっかりと勝つという部分を見直してやっていくことで、まだまだ十分に戦えるところを見せていきたいと思う」

——6試合ぶりの失点となりましたが、町田の攻撃に対する印象はいかがですか?
「リ・ハンジェ、大竹を含めて、ミドルシュートは十分にあることは分かっていた。ミドルシュートは一つの武器としているし、そこに対する寄せについては声をかけていたが、そういった部分を見せられなかったことが甘さになったと思う。ただ少し押し込まれる状態ではあっても、最後は守れていた部分があったが、やっぱり攻撃力のあるチームだなと思う」

——後半のスタートから決定機を作りましたが、ハーフタイムの指示や、後半に向けて変えたことはありますか?
「リードされていたし、町田はしっかりとブロックを作ってきて守備が堅いチームだから、前線の選手たちが前に出ていかないといけないということでチャンスを作れた。たらればだけど、そこで点が入っていれば展開は違った。最後は町田の堅い守備があったんじゃないか」

——後半途中に金久保選手と高橋選手を投入しましたが、交代の意図は?
「勝又は前半にカードをもらっていたので、もう1枚もらって一人減るのが怖いなと思った。そのタイミングで前線を2トップにしてシステムも4バックにした。ハーフタイムにも点を取れないときには4バックにして、前に人数をかけるというメッセージは伝えてあったので、そういった意図で代えた」

——今日の敗戦を経ての修正点や、今日のゲームからつかんだ収穫は何でしょうか?
「負けることは当然あるわけで、次にどのように向かうかというメンタリティーが大事だと思う。今日のゲームもまったく何もできずに完敗だったのではなく、良かった部分はしっかりと汲み取って、悪かった部分、例えば失点した場面や中盤でうまくいかなかったことなどを修正していきたい。今日の試合が始まるまでは、5連勝をしていたが、1-0や2-0とか厳しい展開ばかりで、なかなか決定力が上がらなかったのだけれども、それがこういう大一番で出てしまったんじゃないか。決定力を修正して良くなるようにしていきたいと思う」

 

▪︎FW 11 土井 良太(長野)
「(この結果をどのように受け止めていますか?)町田とは勝ち点6離れていたので、勝てば9ポイント差になって、町田をだいぶ厳しい状況に置くことができたけど、FWが決める場面を決めないとこういう結果になってしまう。それをすごく感じた。(やはり後半の立ち上がりの決定機で決められなかったことが響いたのでしょうか?)前半も何回かチャンスはあったし、前半のうちに追い付ければ良かったけど、後半の立ち上がりで決め切れなかったことが大きかったと思う。そこで同点に追い付けていれば状況は全然違ったかもしれない。(町田の堅い守備を崩すにはどんなイメージでいましたか?)見た映像ではディフェンスラインが上げ下げをしてくるチームで、全員がそろっているわけではなくて、3人が上がって1人が残るような場面もあったので、そのギャップを突ければと思っていた。そこをどんどん突いていこうとカツさん(勝又)も突いてくれていた。(実際に試合をする中でもラインコントロールのバラつきはありましたか?)だいぶディフェンスラインを高く保ってくるので、カツさんのようにスピードがある選手は突きやすかったと思う。(今後に向けて)負けはしたけど、優勝の可能性がなくなったわけでもないし、上とポイントは広がったけど、2位にいることは変わらない。決めるべきところをしっかりと決めていきたいし、これまで勝っている試合は決めるべきところを決めて、しっかり守って勝ってきたので、もう一度それをできるように頑張っていきたい」

 

▪︎MF 19 向 慎一(長野)
「(今日の結果について)町田とは勝ち点6差あったから、町田がホームで負けられないという気持ちで来ることは分かっていた。前半はケアしていたところをやられて、1点ビハインドで進んで、まだ1失点だったら良かったんだろうけど、2失点目は僕たちが前がかりになったところでやられた。今日は相手がかなり上回ったかなという印象のゲーム。セカンドボールワークのところで拾ったあとにうまくサイドに散らすとか、ポゼッションのところで相手の急所急所に入れていくことが足りずに、前半は攻撃が単発になっていた。前半でもう少し厚みのある攻撃ができれば、ゲーム運びの面でも変わっていたと思うし、前半は0-0でいって後半に攻められる時間帯を作れれば、逆の展開だった可能性もあったかなと。(後半の立ち上がりであれだけ攻め込めた要因は?)後半に0-1のままでズルズルいったら、町田の守備力を考えたら守られてしまうので、あそこでパワーを出そうと決定機を作れた。(佐藤)悠希のシュートがバーに当たったもの、カツが抜け出したもの、あれが一つでも入っていれば、絶対に違う展開になっていた。最後の精度とはよく言うけど、決まっていれば違った結果になったはずだから、シーズン中に決定力を上げていくしかない。ここまでは5連勝はしていたけど、常に内容が良かったわけではなく、相手にチャンスを作られている場面もあった。町田のような強いチームとの上位対決となると、相手にチャンスを与えてしまえば、ハンジェさんのシュートはアンラッキーだったけど、追加点を取れるチームには決められてしまう。チャンスでもしっかりと決め切ることが第2クールのポイントだと思う。(途中から1列ポジションを上げました)前半から町田も(大竹)隆人とハンジェさんが縦関係になることは分かっていたので、そこを抑えに行きたかったけど、セカンドボールがどこで拾えるか分からない状況で、ハンジェさんにも拾われていたので、あのときは4枚だったし、トップ下のポジションだったので、意図的にイヤなポジションを取っていた。4枚になったことで攻撃的に取りに行くという意識になった。相手のディフェンスは特にSBはストレスを感じていたと思う。そこで上回れるようにできれば良かった。良い状況になったシーンもあったし、逆に2点目を取られることにもつながった。あのままバランスを保ちながら戦っていてもチャンスを作れたか分からないし、前がかりになったからこそチャンスを作れてもいた。それは結果論だから難しい」

 

▪︎DF 3 大島 嵩弘(長野)
「(結果について)チームとして勝ち点を持って帰ることが最低限の目標だったけど、結果的に負けてしまって、相手を勢い付かせる結果になってしまったことが残念。今までの試合に比べて、決め切れなかったけど、決定機の数は多かったし、ゲーム自体はそんなに悪い流れではなかった。でもこの5試合は失点ゼロで来ていたので、ディフェンスとしては失点をしてしまうと、勝つことは難しくなってしまう」

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