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「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開・元町田戦士の現在地特別編・加藤恒平コラム】モンテネグロリーグ優勝、そしてポーランド移籍に寄せて

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▼最高の形で新天地へ

 

2012年にFC町田ゼルビアでプレーしていた加藤恒平の新天地がポーランドに決まった。

2014-2015シーズンに在籍したモンテネグロ1部リーグのFKルダル・プリェブリャではリーグ制覇に貢献し、このプレシーズンには欧州最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグの予備予選にも出場するクラブを退団することとなった。CL出場は本人にとって、一つの目標ではあるが、加藤はそれよりもステップアップを優先し、ポーランドに新天地を求めた。

「移籍をするにしても優勝を成し遂げてから、という思いもあったし、良い形でルダルを出られたらいいなと思っていたので良かった」

過去2シーズン、初の欧州リーグ挑戦をかなえてくれたクラブに対して、最高の恩返しをする形で加藤はチームを去る。

2013年の新シーズンに向けて、加藤の町田残留を説得していた当時の楠瀬直木強化・育成統括本部長(現・アカデミーダイレクター兼U-16日本女子代表監督)の言葉が思い出される。

「登山家みたいな子だった。目の前に高い山があればそれに登りたくなるような」

ルダルへの移籍を実現させたあとも、オフシーズンやインターバルには積極的に他クラブのトライアウトを受けてきた。欧州の小国やアジアのクラブからの獲得オファーもあったという。それでも、本人の一貫していたスタンスは、常にどんなときも、ステップアップを目指しているということ。今回のポーランド移籍に際しても、「あくまでもステップアップの国」と強調した上で、次のように新シーズンに向けての抱負を話している。

「自分が行きたいところにはほど遠いので、早く焦らずにステップアップをしないといけないとは思っている。次のチームでも正直やることは変わらない。良い準備をして、毎試合良いプレーをして、スカウトに目を付けてもらってどこかに引き抜いてもらう。それが目標というかやらなければいけないこと」

 

▼町田での教訓の日々

 

憧れの国はスペイン。同国の3部チームに練習参加した折に「ポゼッションに対する概念」など、衝撃を受けた国でプレーすることが一つの到達点であるという。

一つ、印象的なエピソードがある。町田に在籍していた当時、同年齢の北井佑季(現・カターレ富山)とともに、スコットランド人のコリン・マーシャルや、セルビア人のドラガン・ディミッチと同じ時間を過ごすことが多かった加藤は、彼らと接する中で、異国で成功するにはその母国語を習得することが近道であることを痛感していたという。

置かれた環境で将来の自分自身に必要なことを客観視して、それを成長のための血肉にできる男は強い。物事の逆算もできる加藤の人間性は、きっと目標へ到達するための手助けとなるに違いない。

「今年で26歳なので、そういうことも含めると、運とタイミングが必要。それを引き寄せるための努力をやっていない人には来ないと思うし、僕は真摯にサッカーと向き合うしかない」

今夏、ポーランドでの挑戦権を得た加藤恒平が、最終的にどこまでたどり着けるかは分からない。それでも、これだけは言える。東欧の小国とはいえ、その国のトップリーグで頂点に輝き、一歩一歩着実にステップアップを果たしている26歳のMFならば、情熱の国のピッチに立つ日を手にしたとしても、なんら不思議ではない。

Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
加藤 恒平(かとう・こうへい)
1989年6月14日生まれ、和歌山県新宮市出身。173cm/70kg。新宮サッカースポーツ少年団→ジェフユナイテッド市原・千葉ジュニアユース舞浜→ジェフユナイテッド市原・千葉U-18→立命館大学→FC町田ゼルビアを経て、2013年8月にモンテネグロ1部リーグのFKルダル・プリェブリャに加入。J2通算29試合出場(2015年6月27日現在)。

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