「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開・特別寄稿】『ラグビー国際親善試合@野津田』に出かけて

■町田ワールドマッチラグビー2015「Blue Bulls Machida Tour」
7月31日(金)19:05キックオフ 町田市立陸上競技場/5,016人
キヤノンイーグルス(日本) 3-50 ブルー・ブルズ(南アフリカ)

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▼「もう1週間とどまりたいところなんだけど…」(ブルズ・マレーヘッドコーチ)

 

ラグビーの国際親善試合が慣れ親しんだ野津田(町田市立陸上競技場)で開催されたため、取材に出かけてきました。

『町田ワールドマッチラグビー2015「Blue Bulls Machida Tour」』と銘打たれた試合の対戦カードは、町田市に本拠地を置くラグビートップリーグ所属のキヤノンイーグルスvs南アフリカ共和国のクラブチーム、ブルー・ブルズ。なんでも南アフリカのラグビーのクラブチームが来日を果たすのは初めてのことで、そのブルズはラグビーの世界最高峰リーグ『スーパーラグビー』に所属している強豪クラブ。その『スーパーラグビー』で何度か優勝を成し遂げている世界有数のクラブチームとのことです。

2019年のラグビーW杯日本大会や2020年の東京五輪・パラリンピックのキャンプ地誘致を目指す町田市がそのアピールの一環として今回のブルズ来日を実現させました。試合当日は鶴川駅から野津田までのシャトルバスには長蛇の列ができており、普段のFC町田ゼルビアの試合ではなかなかお目にかかれない体格の良い男性が数多く見受けられるなど、多数のラグビーファンの姿がありました。

試合は前半6分にブルズがデオン選手のトライで先制すると、ブルズが優勢に試合を進めます。対するキヤノンは23分に三友良平選手のペナルティーゴールで3点を取りましたが、時間を追うごとに地力に勝るブルズに押し込まれて、終わってみれば3対50という結果でした。ブルズのトライ数は『8』に対して、キャノンはナシ。試合後の記者会見で永友洋司監督が「トライを取れなかったことが残念」と話したように、世界有数の強豪クラブからトライを奪えなかった悔しさがにじむ結果となりました。

「回数は少なかったが、(トライを記録できる)ゴールラインを超えるまで、あと5メートルのゾーンまでは行けた。ただそこから先は割らせないというプライドを持ったプレーをブルズはしていた」と永友監督。ラグビーについて、ドラマ『スクールウォーズ』の世界観しか知らない程度の筆者がラグビーを語るのはおこがましいのですが、“最後の一線を割らせない守備”というのはサッカー界でも見受けられること。そうしたディテールに世界との差があるのはラグビー界でも同じなのかな、と思った次第です。

会場にはFC町田ゼルビアの下川浩之社長、丸山竜平強化部長以下、クラブスタッフの姿もありました。町田のクラブスタッフは8月2日のカターレ富山戦に向けて、チラシの配布も実施しました。このラグビーの取材ではスタジアムの記者席までの導線が普段とは違い、いつもは通り道である場所が真っ暗であったことから、正直不安な気持ちを覚えることも少なくなかったのですが、普段見慣れた顔を見かけたことで一安心する自分がいました。ゼルビアの皆さんの存在は、たいへん心強かったです。あ、そうそう記者会見場も普段の町田の試合とは前後が反対で、町田の試合ではいつも後方となっているスペースが、会見場としてセッティングされていたんですよ(写真参考)。

さて、試合の1週間前には来日していたブルズは、町田市内で子どもたちにラグビーを指導する機会を持ったようです。試合後の記者会見に登壇したブルズのマレー・ヘッドコーチは、町田の印象について、次のように話していました。

「私たちにとっては初めての日本訪問という経験となったが、町田市の方々には温かくもてなしていただいた。練習場にもたくさんの市民の方に応援に来てもらった。町田では素晴らしい経験をさせてもらったし、温かい支援に感謝したい。もう1週間とどまりたいところなんだけど、スケジュールの都合上帰らなくちゃいけないんだ」

町田市民の歓迎ぶりにそう言って感謝していたマレー・ヘッドコーチ。国際親善試合では平日にもかかわらず、野津田には5,016人の観衆が詰めかけましたし、初来日を果たしたブルズの方々は町田に好印象を持ったまま、帰国の途につきました。今回のブルズ招致は、ひとまず大成功と言っても過言ではないでしょう。「以上、ぐんじが現場からお伝えしました」。

 

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

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