「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第34節・町田vs相模原/町田・相馬直樹監督、相模原・辛島啓珠監督、須藤右介選手コメント(3,451文字)

■明治安田生命J3リーグ第34節10月18日(日)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/7,782人
FC町田ゼルビア 1-0 SC相模原
【得点者】73分 鈴木孝司

 

■相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「本当にたくさんのサポーターの方々にここ野津田に、われわれのスタジアムに足を運んでくださったことへの感謝を申し上げます。そういったみなさんの後押しもあって、武相決戦、相模原とのダービーに勝つことができた。たくさんの方のパワーや声援のおかげだと思っています。その声援を力に変えて走り切ってくれた選手たちにも感謝したいなと思います。ゲームについてはお互いにダービーという空気のある非常に硬いゲーム展開であったかと思っています。立ち上がりはどちらかというと相模原さんのペースの時間が長かったですが、相手が相当パワーを使っていたので、そう長くは続かないだろうと見ていました。前半の途中からわれわれの時間を次第に作れるようになって、なんとか前半を0-0で終えたかなという印象でした。後半に向けてのハーフタイムでもう少し距離感を近くして、もう少し勇気を持ってチャレンジしようという話をして選手たちを送り出しました。そういった中で前へボールを運んで相手陣地に押し込む展開を作ってくれたと思いますが、ただ点を取る部分で相模原さんも球際やプレスバックで厳しい寄せを見せていたので、なかなか簡単には入らない展開になるなと思っていました。その中で前に入れたボールを自分たちで持ち出して、そこから少し背後を取ったような形でボックス内に入って相手に当たって入ったような形でしたが、われわれらしい点の取り方だったかなと思っています。最後まで1-0ではなく、2点目を取りに行く指示を出していましたが、そのままのスコアで勝ち切ったことに感謝したいと思います。天皇杯を挟みながらの3連戦を選手たちがよく頑張って勝ち切り、3連戦できたと思っています。この結果を残りのリーグ戦や天皇杯につなげていけるように頑張っていきたいです」

——今年はリーグ戦で前半を0-0で折り返す試合が19試合あって、その中で13試合勝っています。前半は0-0でもポジティブに捉えられているということを話す選手もいます。なぜそういう結果になっているのか。お話を聞かせてください。
「早い時間帯に点が欲しいのは事実です。試合の頭に点を取って、中押しをして、ダメ押しをして勝てればいうことはないのですが。昨季の経験というか、主力選手が多く残ったことで、昨季のシーズン途中に結果が出ていない時期にどうしても逆に自分たちで0-0だったことで焦りを作ってしまうこともありましたし、先に先制されて、焦りでひっくり返せずに何もできないゲームが多かったです。特に勢いがなくなった時期はそういうゲームになってしまっていました。そのことは今年のチーム作りをする中で、重点的に取り組んできた部分でもあります。スコアの推移にかかわらず、どれぐらい平常心で戦えるか。1-0で勝っていようと、3-0で勝っていようとも、0-1や0-3で負けていても、そしてたとえ0-0で推移していようと、同じ(メンタルの)状態を保ち、できるだけ波がないような話を選手たちにしてきましたし、そうやって取り組んできたと思います。その結果、実際にそういう数字につながっているのかなと。それがわれわれにとっては自信になっていますし、当然これをさらに続けていけるように頑張っていきたいと思っています」

——昨季の得点王である鈴木孝司選手が終盤戦の段階で二ケタの10ゴールに乗せました。彼は今季苦しんだ部分があったかと思います。今季ここまでの孝司選手について、監督の眼にはどのように映っていたのか。今後の期待も含めて、お話を聞かせてください。
「ウチのチームにとっては、実際の1-0というスコアが多いチームだと思っています。その1点を多く取ってくれる選手だと思っています。彼自身もなかなかうまくいかない、結果の出ない時期もあったかと思いますが、先ほどの話ではないですが、心を落ち着かせることが以前よりも自分をコントロールできるようになってきていることで、それが実際にゴールにつながっているのかなと思っています。1点ずつである必要はないですし、たくさん点を取ってほしいとは思っています。彼だけに限らず、チームとして点を取れるようにならないといけないし、われわれは勝たないといけない立場でありますので、点を取ることはチームにとっての命題になっています。そういった意味でこのゴールでさらに彼が勢いを付けてくれることにも期待したいですし、ほかの選手もそういった流れが来て得点につながっていけばといいなと思います」

——ペ・デウォン選手にはどんな期待をして起用したのでしょうか?
「デウォンに関してはずっと今季は苦しい立場にいたと思います。なかなかCBで出られないことも、ベンチに入ることすらない時期も続く中で、気持ちを切らさずに出たときには良いパフォーマンスを続けてきてくれた。そうした中で土岐田の出場停止もあり、昨季のホーム最終戦でも出場停止の流れの中であったかと思いますが、右SBに入って1アシストをしてくれました。彼の持ち味でもある守備もそうですが、運動量も含めてタフな選手でもありますし、気の効いたことのできる選手ではないですが、勢いをもたらしてくれたし、よく働いて戦ってくれたかと思います」

 

■辛島 啓珠監督(相模原)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「前半からお互いに硬さがあってチャンスが少ない形でゲームが進んだと思う。われわれは立ち上がりの失点が何試合かあったが、その点では守備陣は良いポジショニングだったと思う。町田相手にあまりチャンスを作らせなかったと思うし、セットプレーからフリーでシュートを打たれる場面もあったが、前半は0-0で終えられたことは良かった。ただ前半から前線で起点を作れず、縦パスも入らずに、サイドから崩す形は何本か見られた。そういう点では後半は攻撃の形を作れずに遠めからのミドルシュートで活路を見いだそうとゲームが進んでいった。その中でセットプレーの流れの中から点を取られて0-1で負けて残念に思う。このダービーは1勝1敗だったので、結果が欲しかったが、硬い試合の中で町田さんが勝負強さを発揮した試合だったと思う。われわれも試合内容が良くなくてなかなかチャンスを作れなかったことは考えないといけない。ラスト4戦ある中で内容の改善が見られるようなゲームをしないといけないなと思っている」

 

■MF 20 須藤 右介(相模原)
「相手の球際と勝負強さにやられてしまったが、悪かったことばかりではなかったと思う。先に点を取っていれば、相手も前に出ざるを得ないから違った展開になったと思うけど、ゴール前に押し込む人数や回数が少なかった。ワンチャンスを決められたという印象が強い。前半の立ち上がりからボールを動かせていたし、自分個人としてもボールを動かせていた。今までそういう形はあまりなかったし、斜めにサイドチェンジのボールが入ってクロスを上げることもできていた。ただそこからのクオリティーを上げていかないといけない。そこまで行けているということはポジティブに捉えていいと思う。(最終的にダービーは1勝2敗という結果になりました)やっぱり球際の部分や最終的に1点を取る勝負強さを今日の町田さんは持ち合わせていた。それは非常に悔しい。1-0という硬いゲームの中でウチの選手に当たってゴールに入った形になったが、詰めの甘さが生んだ失点でもあったと思う。ただ終わってしまったことは仕方がない。(ダービーの戦績が)1勝2敗は相当悔しいけど、残り試合でチームとしてよく戦えるようにやっていきたい。(攻撃の狙いは?)相手が縦に速いチームなので、同じようなリズムで戦うのは良くないと感じていたので、後ろからしっかりとボールをつなぎながらチャンスを作って決着をつけることを考えていたけど、ファイナルサードのところで迫力がなかったことは課題。僕たちは1試合多いので、4つしかないし、空く週もあるけど、残りのゲームで全部勝てるようにしていきたい。今日負けてしまったことは大きいけど、相模原として一つでも上の順位で終えられるように3位、4位と可能性のある限り上を目指して戦っていきたい」

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