「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第36節・町田vs福島/町田・相馬直樹監督、福島・栗原圭介監督、茂木弘人選手コメント(3,549文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第36節11月1日(日)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,812人
FC町田ゼルビア 1-0 福島ユナイテッドFC
【得点者】町田/74分 戸島章

 

■相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「まず今日もたくさんのサポーターの方に集まっていただきました。その目の前で正直、ここまで苦しいゲームになるとは思っていませんでしたが、非常にタフな難しいゲームをものにできたのは支えてくれている方々のおかげだと思っています。今日はその力を感じましたし、このあと残りのゲーム、ホームゲームは1試合となりますが、アウェイも含めて、大きな力になると思っていますし、その力をもらえるようにしたいと思っております。実際のゲームのほうは福島さんがタフなゲームをしかけてきましたし、そういう展開になりました。背後のボール、球際のバトルを含めて、われわれもそこにこだわってやってきた部分でしたが、徹底してつぶしに来て背後を突いてくることを含めて、次第に福島さんの時間帯が長くなったかなと思います。実際にわれわれのほうがボールを保持する時間、奪ったあとの動き出しの一つ目の動き出しが良くなく、自分たちのゲームになかなかならない展開でしたが、一つ二つ外せたあとはチャンスを作れるようになりました。もちろん、福島さんが前がかりに来ていることも含めて、そこを外せばチャンスを作れると見ている展開でした。後半の立ち上がりからはもう少し自分たちの時間帯を増やそうと、選手たちを送り出しましたが、ボールを落ち着かせる時間を作れずに、相手のシュートがポストに当たるシーンもあり、なかなか難しいゲームだったと思っています。一つ二つ外したときにチャンスを作れている中で実際に戸島が点を取る形になりました。点を取るところと点を取らせないところが大事になるとは思いますけれども、一つひとつのところで選手たちが体を投げ出す、一歩体を寄せたことが相手のシュートをポストに当てたのかもしれません。実際にゴールにつながったシーンも、数少ないチャンスというタイミングで、かなりの人数がゴール前に入っていけました。ゴールのにおいを感じてくれた選手たちに感謝したいと思っています。内容としては正直、もう一段ブラッシュアップしないといけない、やらないといけないことがありますが、勝ち点3を取って帰ってきてくれた選手たちに感謝をして、コメントを締めたいと思います。ありがとうございました」

——決勝ゴールを決めた戸島選手の評価をお願いいたします。
「誰が見ても分かるとおり、彼は高さもありますし、サイズのわりには運動量があるほうの選手です。攻撃でのランニングもそうですし、守備のチェイスやプレスバックなどをやるだけのスタミナを持っている選手だと感じています。ああいうサイズの選手は最後にパワープレー要員としての使い方はあると思いますが、いまのウチにとっては、上の部分だけではなく、下(地上戦)の部分、走る部分やボールを収めることを含めて貢献してくれていることは大きいです。ただ点を取ることに関しては物足りなさを感じています。そのことに関してはハッパをかけてきました。こういうことを言うと戸島は満足をするのであまり言いたくないのですが、まだまだ裏には走っていないよ、と言いたいところですし、大事な場面でよく一つ点を取ってくれたなと思っています」

——試合後に福島サポーターが『勝て! 天皇杯 行こうぜJ2』という横断幕を掲出していましたが、それに関してのコメントをいただけますか。
「ありがとうございます以外何物でもないですね。本当にありがたい話だと思います。他クラブの事情に関して、詳しくは分からないのですが、今日のゲームを見てもそうですし、栗原監督もよく知っていますが、真面目にチーム作りをする中で、力を付けてきているなと思っています。今日の試合も簡単なゲームにはならないと覚悟をしていました。われわれも目標を達成するためには、毎試合が必ず乗り越えないといけないゲームでもあります。逆にという言葉が正しいかどうかは分かりませんが、気の抜けない相手のサポーターの方々がわれわれを一つ認めてくださったということの証だと思いますし、横断幕をかけてもらったことをうれしく思っています。福島さんも地域に根ざしながら強くなっていってもらえたらなと思います。まずは(横断幕に書かれていたような)結果を出せるように頑張りたいと思います」

——次節の鳥取戦への意気込みを聞かせてください。
「どの試合も大切ですけれども、今日の時点で今季一番大事な試合は福島戦でした。明日からは次節・鳥取戦が今季で一番大事な試合になると思います。目の前のことに対して選手たちとともにやれることを注ぎ込んでいきたいと思います。その次の試合も良い意味で大事な試合と言えるように準備をしていきたいと思っています」

——左SBには松下選手が入りましたが、彼の90分のプレーは監督の眼にどのように映っていますか?
「普段プレーしていないポジションでプレーをしてもらって、非常にクレバーにプレーをしてくれました。ユーティリティー性も含めて、彼のクレバーさやスタミナ面を含めて良さを出してくれたと思います。当然、得意なポジションではないために、攻撃のところでは前との連係も含めて難しかったと思いますが、特に守備においては非常に気の効いたポジション取りと予測で十分な仕事をしてくれたと感じています」

——あらためてJ2昇格への意気込みを聞かせてください。
「残り試合が3つになりましたが、この3つをわれわれはすべて勝つつもりで戦っていきたいと思っています。正直他力な状況ですが、ただやれることはすべてやろうと選手たちとも話をしていますし、そこに向けてのチャレンジをしていこうと話をしています。残り試合ですべて勝つと、9つ続けて勝つことになりますが、われわれがそれをやり切れるかどうかに(昇格は)懸かっていると思います。残り3つを勝つ上で、最初のゲームである鳥取で勝利を収められるようにしっかりと準備をしていきたいと思います」

 

■栗原 圭介監督(福島)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「非常に良いゲームだったと思う。その中でも後半にビルドアップで2回のミスが起こった中で、その2回目を町田に決められて、上位の町田はミスを逃してくれないなと思った。チャンスを作りながらも、決めるべきところで決められなかったことが勝敗を決めてしまったと思う」

——前半から齋藤(恵太)選手が背後を突く形がありましたし、前の試合も含めて面白い選手だなと思ったのですが、彼の持っている潜在能力や課題などを聞かせてください。
「ご覧のとおり、強くて速いことが彼の魅力で、戦術面などで足りないことが多いが、彼なりに考えて成長をしている中で試合に出始めている。ボールを動かしながらでも彼の良さを出したいという中でチームメートも意図したプレーもできているし、試合には絡めている。ただまだまだだと思う。1試合1試合いろいろなことを感じて積み上げてより良い選手になってほしいなと思っている」

——今季3試合となりましたが、監督としての残りのシーズンにどのように臨んでいこうと考えていますか?
「一戦必勝。残り試合は一戦一戦に全力を注ぐということでやっていきたい」

——今季の目標であるトップ5は今日の敗戦でもまだ狙える位置にいると思います。トップ5に向けての意気込みをお願いいたします。
「必ず達成したい目標としてトップ5を目指していきたい。一戦必勝というスタンスがそれにつながっていくと思っている」

 

■MF 7 茂木 弘人(福島)
ゴール前の質の差が結果に出た
「試合全体としては悪くなかったと思う。ただ内容が良くても、結果がすべての世界なので。(あらためて攻撃の狙いは?)やっていても、相手のディフェンスが同サイドに集中して守ってくる。ボールを奪ってから逆サイドは非常にスペースがあったので、そこは狙えるのかなと思ってやっていた。(実際の手ごたえは?)攻めていても0-0で進んでいくと、どうしてもイヤな感じというか、いくら攻めていても点が入らないと、どうしてもイヤな感じがある。町田さんも力があるチームだし、ゴール前の質の差は出たと思う。(残り3試合に向けて)惜しかったで済まされる試合ではないし、残り3節だけど、ベスト5の可能性はあるので、そこをしっかりと見据えてやっていきたい。(攻撃も守備も自分たちの形ができてきましたか?)球際に行けていたし、セカンドボールも拾えていた。その部分で優位に立てると攻撃はうまくいくと思っている」

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