「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J2・J3入れ替え戦第1戦大分トリニータ戦/町田・相馬直樹監督、大分・柳田伸明監督、為田大貴選手コメント

▪︎明治安田生命J2・J3入れ替え戦第1戦11月29日(日)12:30キックオフ
町田市立陸上競技場/8,629人
FC町田ゼルビア 2-1 大分トリニータ
【得点者】町田/45+2分、72分 鈴木孝司 大分/22分 ダニエル

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーー本日の試合の総括からお願いします。
「まずは本当にたくさんの方にお越しいただきました。大分さんのサポーターの方もたくさん来られていたんですけど、第1戦ではありましたが、この試合でいろいろなことが決まるという雰囲気を作っていただいて、特にわれわれを応援してくださった方々に本当に感謝申し上げたいと思います。ゲームのほうですが、われわれとしては2試合を180分と捉えた中で、1戦目はホームということで勝ちたいのも当然なんですが、アウェイゴールを与えたくないというのがありました。大分さんからすればアウェイゴールを先制点で取るということをここ何試合かのスカウティングでそういった戦い方をしてたので、そう出てくるのではないかと思いました。ただ、少しわれわれのほうが攻撃の時間が長く続き、得点が取れたら良かったのですが、取れない中でカウンターを受けて、そこからファウルを与え、そのファウルから失点してしまった。そこは少し残念な部分でもあるし、このアウェイゴールが最終的に重要なものになってくると思いますが、ただそういった展開の中で、選手は焦れずにゲームをひっくり返してくれたと思う。特に前半終了間際のゴールはわれわれに勇気を与えてくれるゴールだったし、その流れを後半も持って入ることができた。欲を言えば、終盤相手に2人の退場者が出て、追加点を狙いたかったが、やはりそこを取れなかったと言うことでまた次ということになるんですけど、そういったものをふまえてもう一度、後半の90分間をチャレンジャーとして、その怖さをチャレンジャーとして勇気で乗り越えていけるようにこの1週間準備していきたい」

ーー早い時間帯にセットプレーで失点しましたが、立ち上がりの15分は普段の町田と違って、かなりチャンスを作っていました。少し意外な展開だと感じたのですが、監督にはどのように映りましたか?
「これまでもそういうゲームは多く、立ち上がりにチャンスを作りながら0-0で折り返したり、失点してしまったりすることもありました。今日は大分さんが前半から畳み掛けてくると予想していたので、あそこまで立ち上がりでチャンスを作れて良かったのですが、立ち上がりにチャンスを作りながら、点を取れなかった。あそこまでの大分さんの入り方からすると、そこで点を取れるか取れないかで、ゲームの展開も大きく違いました。結果的に逆転できましたし、ゲームの流れを読むということで、1点を与えてしまったことを反省しつつ、次の試合に向けて良い教訓になったかなと思う」

ーー180分の前半が終わったという段階で、残り後半の90分でJ2復帰が決まるわけですが、どのような点を気を付けたいですか?
「まだ今日のゲーム全体をもう一度見ないと、やり方の部分は何とも言えないですが、まずはわれわれが下から上がるチャレンジャーということを忘れずに、今日リードしたことで勘違いしないように、やはり壁をのぼるいろいろなリスクを伴うので、今日何人かの選手がホッとしたと言っていたが、もう一度グラウウンドに立つときに戦う精神を出せるよう、今週あらためて選手たちとやっていきたいと思う」

ーー先週の長野戦で、ぬか喜びのような状況に陥りましたが、この試合に向けて気持ちを切り替えるため、選手たちにどのような話をしましたか?
「とにかくファイティングポーズを取ること、しか言っていないです。ただ一つは、彼らが現実に戻った中で、大分さんのほうが1節前で入れ替え戦に出るということがほぼ決まった状況だったため、相手のほうがはるかに準備ができていて、もし、これをあと1日、2日引きずったら、ピッチに立つ時点で間に合わないよということは話しました」

ーーいまの話の延長になりますが、事前の取材の中で監督はメンタリティーの部分では大分さんに準備は遅れているとおっしゃっていましたが、それをふまえて監督としては今日の試合どう映りましたか?
「選手たちがよくやってくれたと思います。やるべきことは普段と一緒なんですけど、戦う部分であったり、助け合う部分であったり、そういった部分をチームで共有しながらやってくれたなと思います。ただ、アウェイゴールを与えたくないと話をした中で向かえたゲームだったので、先に与えてしまったことで少し焦りが出てしまいましたが、少しバタバタする時間をよく持ちこたえましたし、前半のあの時間で追いつけたことは、選手が落ち着けた要因でもあったと思うので、そこは非常に大きかったかなと思います。選手たちも声をかけながら、そういう時間を短くできたことは、本当に選手たちが頑張ってくれたおかげだと思います」

ーー先制された中で、鈴木孝司選手が2点を入れました。その活躍は監督の目にどう映りましたか?
「褒めるしかないです。ただ、彼だけでなく本当にチームみんなが戦ってくれて、その結果最後にねじ込んでくれたのが孝司なので、もちろんそれ以外のところで本当にそれぞれ自分の仕事をやってくれたと思います。その頑張りを最後に孝司が実にしてくれたと思います。ただ、褒め過ぎると良くないので、次に切り替えさせます」

ーーヒーロインタビューの中で“際”の部分を強調されていましたが、J2のチームを相手に“際”の部分が通じた手ごたえは、どうでしょうか? J2に上がるための資格といいますか、成長が感じられたのではないでしょうか?
「(球際などプレーの際の部分は)気持ちの部分に大きく連動するところがあると思うので、そういった意味では今日この前のところから選手たちは事実を受け入れてメンタリティーの部分でもリカバリーして十分ファイトする状況を作ってくれました。ただ、(J2への)資格という意味で言うと、いくら“際”で勝っても、2試合で戦って上回るということなので、しつこいようですが、また次ですね」

ーー普段から町田の試合を見ている方は当たり前のことなのかもしれませんが、スローインを丁寧につないでチャンスにつなげていましたが、監督としてスローインのことはどの程度選手たちに言っているのでしょうか?
「まだ1試合ありますので……。選手に聞いてもそこまで、と言うとは思います。ただ僕が気にしているということは選手も知っていると思います。(ほかの監督が)気にされているかどうかはゲームを見れば分かりますし、そういうところはあると思います」

 

■柳田 伸明監督(大分)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「入れ替え戦の第1戦にアウェイにもかかわらず、1,200人を超えるサポーターが応援に駆け付けてくれた。その中で1-2で負けてしまったことは申し訳なく思っています。試合の立ち上がりから相手の出足が早くて、セカンドボールを拾えずにラインが下がってしまった。ピンチが続いても、ピンチを耐えた中でセットプレーから1点が取れた。そのあとは落ち着いて、攻撃をするチャンスがあった。前半の最後の場面で相手をフリーにさせて点を取られたことが時間帯も含めてもったいなかった。後半に関しては先にこちらが動いたが、サイドを破られて失点をしてしまった。そのあとも退場者が二人出てしまい、想定していなかったところもあり、最終的に追い付けずに負けてしまった。次、ホームに帰って、アウェイゴールを取れたことを負けた中でもポジティブに考えないといけない。次のホームでどんなメンバーを組むか考えないといけないが、チャンスがあるので、しっかりと勝って残留を決めたい」

——終始ロングボールが多かったと思うが、この試合に向けてのゲームプランは?
「プレッシャーをかけてきた中で、背後の意識は強かったと思う。あとは思ったよりも芝が慣れていない状態もあって、そこは選手も気になっていた部分があるのかなと。(芝の影響もあって)狙っていた形と(ロングボールを入れる戦い方が)偏り過ぎたかなとは思っている」

——パウリーニョ選手を投入して、そのあとパウリーニョ選手に代えて高松選手を投入しましたが、その意図は?
「二人退場者が出て、当然点を取りに行かないといけないシチュエーションではあった。より一人で時間を作れることやセットプレーも含めて、やむなくそういう交代を(高松を投入)した」

——終始相手に主導権を握られたような試合でしたが、どのあたりを修正して試合に臨みますか?
「立ち上がりが象徴的だったが、セカンドボール争いや球際で勝てなかったことが(原因に)挙げられる。そこに関してはしっかりとゲームの初めから入れるようにしていきたい。あとはラインが下がってしまったところもあったので、コンパクトな守備をしていきたいと思う。守備をしっかりと立て直した上で攻撃に結び付けられればと思う」

——阪田選手のパフォーマンスが前の試合(磐田戦)と比べてつぶし役としても効いていなかったと思いますが、彼を交代させるという選択肢はなかったのですか?
「サカに関しては、前回の試合と比べると、役割をできていなかった部分はあると思う。相手が中盤、球際で戦ってくるところで、彼で対応できていた部分もあるし、そういう状況の中で、不測な事態がさまざまに起こったことも事実で、結果的にそういう選択はしなかった」

——今日は大一番でしたが、選手たちにどのような声をかけたのでしょうか?
「こういう状況の中で心を一つにして戦うこと、仲間を信じて戦っていこうとお互いに確認した中でピッチに送り出して試合に入った」

——第2 戦の勝負の分かれ目は、どうなると考えていますか?
「ウチはもう勝たないといけない状況だから、萎縮して戦うわけにはいかない状況にある。自分たちの力を100%以上出していかないといけないと思っている」

——次の試合は自分たちの力を100%以上出すというお話でしたが、今日は何%出せましたか?
「パーセンテージを出すのは難しいが、自分たちの良さは出せなかったかなと思っている」

 

■MF 11 為田 大貴(大分)
収穫は少しでも次の試合で残留できる可能性をつなげる展開に持っていけたこと
「(放り込むことが多かったですが)相手のディフェンスラインが高いということで、裏を狙うというのが意図としてはあった。ただうまくつなぎながら3人目の動きを交えて裏を狙わないと、攻撃が淡白過ぎて、自分たちでキツい展開に持っていった。(後半に向けてベンチからの指示は?)パウちゃん(パウリーニョ)を入れて攻撃的にすることは練習していた。退場者が出て難しい展開になった。あまりパウちゃんもボールに触れない状況だったので、悔しい気持ちはあると思う。2人退場者を出した時点でやらないといけないことは1点でも多く取りにいく中で失点もしないことが大事な戦い方だった。今日の収穫は退場者を出した中でも体を張って、ゴールを割らせずに少しでも次の試合で残留できる可能性をつなげる展開に持っていけたこと。次の試合はホームだし、ピッチコンディションのやりやすさはある。今日は相手の勢いにのまれてしまった。(なぜフワフワと試合に入ってしまったのでしょうか?)自分たちのリズムで試合を進められていない中で、ピッチコンディションも難しく、相手もミスがあるような状況の中でドリブルがなかなかできなかったり、前に行けるところで行けなかったり、自分たちは戸惑って、やりたいことが明確にならなくなってきた。最初やろうとしていたことができずに、それでいいのかなとなっていたと思う。(気持ちが入り込み過ぎていたのでしょうか?)プレッシャーとか、そういうのはあったと思うし、難しい展開になることも分かっていた。難しい展開に自分たちでしてしまった部分もあると思う。

(先制したあとに引いて守るなど、そのような割り切りがあっても良かったのでは?)もう1点取りに行くことがスタンスだった。(アウェイなので引き分けでも良いという考えはありましたか?)そういう考えはなかった。(退場者が出たあと、中盤が3枚になったとき、為田選手は守るのか、攻めるのか、という意識ではいかがでしたか?)ダイキさん(高松)が入ってきて、一発を狙うようになったけど、それまでは守らないといけないという気持ちと守らないといけないのかなという気持ちが僕だけではなく、みんなにもあったんじゃないか。ダイキさんが入ったあと、相手に(ロングボールを)はじかれずにこぼれてくるようになって、もっと押し上げてセカンドボールを拾いに行きたかった。(試合の入りは町田の前からの圧力が多分に影響したと思いますが、相手の圧力についてはどう感じながらプレーしていましたか?)前から来ることは分かっていたし、僕個人としてはもっと前から来ると思っていたので正直相手のプレッシャーは感じなかった。ピッチ状況をもっと早く把握することはプロの仕事だし、強いチームの象徴でもあると思う。もっとピッチに合わせたプレーを心がければ良かったし、みんなで話しながらできれば良かった。(チームをJ2に残留させるという気持ちで戦っていると思いますが、その点はいかがですか?)大分はJ1にいないといけないクラブだし、それを目標にしていた。いまは残留が目標になっている。残留して来年以降につなげないといけないと思っている」

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