「ゼルビアTimes」郡司聡

【マッチレビュー】トレーニングマッチ・FC今治戦/“コンセプトゲーム”第2ラウンド。収穫と課題の90分

▪︎宮崎キャンプトレーニングマッチ
2016年2月8日(月)14:00開始
FC町田ゼルビア 6-3 FC今治

▼テーマは「疲労を抱える中、どれだけアクションを起こせるか」

「チームとしての共通認識を深めていくこと」(相馬直樹監督)を一つのテーマに臨んでいる宮崎・鹿児島キャンプでは、4試合のトレーニングマッチが組まれている。8日にはその4試合の中で最もカテゴリーが劣る四国リーグ所属のFC今治と対戦した。

相馬監督はこの4試合のトレーニングマッチを“コンセプトゲーム”として設定し、それぞれゲームコンセプトを打ち立てて試合に臨んでいるという。今治戦当日の午前にも1時間ほどのトレーニングを実施したFC町田ゼルビアは、午後14時開始の今治戦は「疲労がたまっている状況下」での試合となった。その中で監督が打ち立てたゲームコンセプトは「疲労がたまっている中、どれだけアクションを起こせるか」(相馬監督)。各選手の出場時間は最大でも45分間に定められており、1本目にボランチで起用された福田友也ら、何選手かはけがで出場できない選手に代わって、本来とは違うポジションを務めていた。

45分×2本の今治戦の結果は、6-3。戸島章のハットトリックを含め、重松健太郎、鈴木孝司、鈴木崇文ら、前線や中盤の前めの選手が得点者リストに名を連ねた。重松による先制点は、三鬼海十八番の縦パスを起点として、その縦パスを受けた鈴木孝司が相手最終ラインの裏へと走った重松にパスを通して奪ったもの。鈴木孝司のPKで奪った2点目は、アタッキングエリアで鈴木孝司と中島裕希がワンツーパスにトライした結果、ゴールが生まれている。

「FWの選手と中盤の選手にゴールが生まれたことは収穫」とは相馬監督の弁。相手が格下のカテゴリーのチームであることを差し引く必要はあるが、打ち出したコンセプトを表現しながら、6ゴールを奪ったことに指揮官は一定の評価を下していた。

▼ミスと弱点を突かれた反省の3失点

その一方で、3失点を喫した守備面には課題が残った。1失点目は、1本目に金聖基が最終ラインでボールを奪われたことから端を発しており、致命的なミスが失点に直結した。そして2つの失点は、いずれも左SBの裏のスペースを突かれた形から喫したモノ。もともとSBの裏は“相馬ゼルビア”の弱点でもある。3失点について、相馬監督は「ミス絡みでもあったし、修正できるポイントだと思う。多少、無理にしかけることをやってもらったぶん、穴が出てしまった時間帯もあったし、キワの部分で甘さが出て失点につながってしまった」と分析している。

“トライ&エラー”を繰り返しながら、チーム力を上げていく作業は、プレシーズンの時期におけるチーム作りの定石。もちろん、今治戦ではコンパクトな3ラインの維持やプレッシングの位置を確認しながら、時計の針を進める地道な作業も徹底されていた。

試合後のクールダウンでは、各選手が試合中の反省点を互いに指摘しながら、修正点を見いだそうと、活発なコミュニケーションを図るなど、キャンプのテーマの一つでもある「チームの共通認識を深めていく」ための選手間の意識は高い。「時間は短いけど、出た課題を修正していきたい」と相馬監督。今治戦の2日後にあたる10日には、鹿児島・国分にてJ2第2節で対戦する京都サンガF.C.とのトレーニングマッチが組まれている。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

 

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