「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第8節・千葉vs町田/千葉・関塚隆監督、アランダ選手、阿部翔平選手、佐藤優也選手、町田・相馬直樹監督コメント(3,686文字)

■明治安田生命J2リーグ第8節・4月17日(日)16:00キックオフ
フクダ電子アリーナ/7,986人
ジェフユナイテッド千葉 1-1 FC町田ゼルビア
【得点者】千葉/90+4分 オナイウ 阿道 町田/11分 鈴木 孝司

 

■関塚 隆監督(千葉)
——まずは本日の試合の総括をお願いします。
「残念な結果ですが、集中力を欠かさずに追いつけたことを次につなげていきたいと思います。この強風、悪天候の中、サポーターに集まっていただいた中で勝利という結果で喜びを分かち合いたかったのですが、勝利に近いところまでいった中で決定力を欠く形になり、決定力に関してはもう一つトレーニングをしていかないといけないなと思います。今日は勝ち点3を取れなかったですが、次につなげていきたいと思います」

——前半は長いボールを使いながら攻撃を組み立てて、後半はサイドチェンジをうまく使いながら戦えていたと思います。ただ最後の場面で点を取り切れなかった原因はどのように考えていますか?
「もう決定力の部分は個人のクオリティーを追求するしかない。ハーフタイムで言ったことは力み過ぎているので、落ち着くことと良いタイミングで枠にシュートを飛ばせという話はしていた」

——交代出場の選手にはどんな指示を出していたのでしょうか?
「アタッキングサードまでは行けていたので、エウトンにはゴール前を逃さずに、左の阿部、右に北爪を入れたので、そのクロスボールにしっかり飛び込むことと、カズキ(長澤)か井出遥也の3枚は中に入って行けという指示の下、阿道がよくシュートを枠に飛ばしてくれたと思う。最後選手たちに言ったのは1点を取ったことに喜び過ぎで、あそこでハーフウェーラインにボールを持っていかないといけない、そういうことを追求していこうという話はしてきた」

——町田の戦前のイメージと実際に戦っての印象はいがかでしょうか?
「町田さんは非常に勢いがあるし、選手たちに話したことはJ3から勝ち上がってきて、5勝1分1敗とやるべきこともハッキリしていて選手たちがしっかりと一戦一戦チームで戦ってきていると。昨年の金沢さんではないけど、一人ひとりの選手がどういうタイプなのかは対戦してみないと分からない。なかなか対戦相手のチームも対抗策に苦慮しているところがあると思うので、焦れずに戦うことが大事だと話してきた。あとは選手同士の距離感も良く、2トップはキープ力もあるし、スピードもある。迫力がある。あの2トップがいるので後ろもしっかりと守れるし、前に推進力を持って攻めることができるんだと思う。それは分かっていたけど、対戦してみて、相手の迫力に押し込まれてしまったんじゃないか」

——先発の2トップで裏を狙って攻める形でしたが、船山(貴之)が走り出すとパスを引き出せるけど、吉田(眞紀人)が走り出そうとすると、前にボールが来ない印象でしたが、それはなぜでしょうか?
「眞紀人には眞紀人の良さがある。広範囲に動いてくれるし、守備の部分でもスイッチを入れてくれる存在。アタッキングサードに行ったときにゴール前で動いていけば非常に怖いストライカーになると思っている。水戸では3トップのシャドーとか昨季は2トップだったけど、シーズン後半は負傷で欠場していたので、いまはその感覚や動きを思い出しながらプレーしていると思っている」

 

■MF 22 アランダ(千葉)
悪い結果ではない
「今日はこういう結果が出たが、悪い結果ではないと思う。どの試合も前を向いて続けて信じてやっていくしかない。その先に自分たちの目標が見えてくる。それでシーズンが終わったときに目標を達成できればいい。ずっと信じて戦い続けていきたい。(北爪選手が出てきたあとは彼をサポートする動きが目立っていたように思います)ケンゴが入ってからはケンゴを積極的に使おうという指示があったので、それを意識していた。フレッシュなケンゴのサイドを使っていこうということは意識していた」

 

■DF 27 阿部 翔平(千葉)
強風の中、探り探りやっていた
「最初はどういうふうにボールが伸びるか分からなかったので、探り探りやっていた。(得点シーンについて)ボールが来る前はカンペーさん(富澤)が競り合っていたので、後ろにいることを伝えたらカンペーさんがうまく出してくれたので、少しボールは伸びたけど、その間に中を見ながら一番近くにエウトンがいたけれども、奥に誰かいることが見えて、うまく阿道が合わせて決めてくれた。(町田の2トップには)僕の後ろでキープされることが多かったので、少し後ろ向きに追うことが多かった。失点シーンは残念だったけど、そのほかのシーンでは良い守備ができたと思う。前から来ることもあってリスクを冒したくなかった。風は伸びるというよりも止まるような風だった。マキト(吉田)もうまく前線で競っていてくれたと思う。良いところでキープをできて攻撃につながった。コンパクトな中でも細かいパスをつなげた。左のドゥ(近藤)から長いパスを出すこともできたので、そこから得点につながれば良かったけど、もっとクオリティーを上げていかないといけない」

 

■GK 23 佐藤 優也(千葉)
負けなかったことをポジティブに捉えたい
「風やほこりなどモチベーションを削がれるような環境だったけど、その中でお互いに良いゲームができたんじゃないか。町田は前に速いことは分かっていたし、そこはケアをしつつ、セットプレーも多いだろうから集中して入ろうとしていたけど、失点の場面では守備も行き切れない部分があった。早い時間帯に失点してしまった。最後の1点は次につながる1点だと思うし、最後負けなかったことをポジティブに捉えましょう!」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーー本日の試合の総括をお願いします。
「悪天候の中、たくさんの方に来ていただきました。そして熊本での震災があったことで、われわれがこういった仕事に携わっている以上、ここでどのようなパフォーマンスができるかということを期待されていたのかなと思います。まずは被災された方々へのお見舞いとともに今日の試合で、少しでも元気や勇気を与えられたらと思いながら試合に臨ませていただきました。そういった中、われわれはいつも言っていますが、J2リーグで22番目のチーム、そしてチャレンジャーということでここまで戦ってきています。その中で、チャレンジャーとして戦い抜けているおかげで、ここまで勝ちを積み重ねることができました。ただ、これまでの試合でもありましたが、今日も先に1点を取ったことでチャレンジというよりも1点を守りたいというマインドが強く出てしまった試合になりました。最後までチャレンジする姿勢を見せて戦うことができなかったことは非常に残念ですし、それはやはり私自身もどこかで選手にそれを求めていると言いつつも、どこかで守りに入ってしまっていると教えられたロスタイムの失点だったと思います。もう一度、選手たちと一緒に自分たちの立ち位置を見つめ直していきたいと思いますし、今後もチャレンジすることや前を向く勇気を試合の中で、たくさんの方たちに届けられるように頑張っていきたいと思います」

ーー前半も含めて、ジェフユナイテッド千葉さんが長いボールを裏へ入れてくる中で、コンパクトにプレスをかけていくことは難しかったと思いますが、どのように評価しますか?
「決してプレスをかけられなかったということではなかったと思います。攻撃のところで自分たちでボールを前に運んで、人が前に入らず、自然とそこでボールを失ってしまう時間帯が続きました。前線の選手だけの攻撃になり、後ろの選手が付いていけずにいました。そういった意味で言うと得点してから自分たちで自分たちのサッカーを捨ててしまったことが、プレスをかけていく部分で難しくなってしまったと思います」

ーーチャレンジャーとしての意識が欠けていたと感じた理由はどこにあったのでしょうか?
「皆さんも見ていて感じたとおりだと思いますが、前の選手だけが点を取りに行って後ろの選手はボールを持つことが怖いというか、ボールをもらうことを恐れていました。1点を取ってからそういう時間帯が続いていたのかなと思っています。ここまでの試合では、1-0で終わらせることだったり、突き放して2-0にした試合もありましたが、やはり2点目を取りに行く姿勢が見られましたし、見にきたお客さんはその部分を見たいのではないかなと思います。たとえそこでミスが起きても周りの選手がカバーする姿を見たいのではないかなと思っています。今回そういうゲームができなかった。われわれは勝ちが手に入ってしまっていたので、それを守ろうとする、先ほど言いましたが、自分自身にもそういう気持ちがあったと思います。それを払拭しようと1週間やってきたつもりでしたが、今回はそれが足りなかったのかなと思います。そういった意味では今日は高い授業料だと思っていますが、それをみんなで共有できれば高くない授業料にすることも可能かなと思っています。またそうなるようにしたいと思っています」

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