「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開・小野路便り】元チームメート三鬼海が語る長崎・梶川諒太の“傾向と対策”

▼稀代の“愛されキャラ”

164cmの小兵テクニシャン・梶川諒太は、FC町田ゼルビアの三鬼海が「影響を受けたサッカー選手ランキング」でモンテディオ山形の田代真一とトップを争うほどの存在。V・ファーレン長崎でのポジションは、[3-4-2-1]のシャドーで三鬼とはマッチアップする可能性が十分にある。

プレーヤーとしての特長は、「トラップなどの基本的な技術レベルが高くてキックもうまい」。体が小さいことからフィジカルや空中戦ではやや脆さを見せるが、足りないぶんを足元の技術の高さで補っている。昨季、V・ファーレン長崎へ期限付き移籍で加入したころの三鬼は、コンスタントに試合に絡めず、「カジくんにめっちゃメンタルケアをしてもらった」。三鬼が腐らずトレーニングに取り組めるように、「腐らずやれ。絶対にお前のほうがいいから。オレはお前に出てほしいねん」と励まされてきたという。

いざ、三鬼がコンスタントに出場できるようになると、彼の持ち味である縦パスを梶川が収める場面も多く、彼の出場を待望してきた理由を実際のピッチで披露してきた。「見ているところが良いから」と梶川は三鬼が繰り出すビルドアップのセンスに一目置いている。

長崎在籍時代はほぼ毎日と言っていいほど、昼ご飯に連れて行ってもらったらしく、食事面にほとんど気を使っていなかった太りやすい体質の三鬼へ、夜は炭水化物を控えるように、食事面でもアドバイスも。そしてピッチ外でのキャラクターは関西人らしく、うるさく感じることもあるというが、チームでは人をイジるし、イジられる稀代な“愛されキャラ”とのこと。長崎のファン・サポーターからもトップクラスの人気を誇っている。

長崎を離れても、梶川と三鬼は「ここ1カ月ぐらいは毎日連絡を取り合っている」。梶川とは別にもう一人、三鬼が敬愛する田代は結婚生活・子育てもあるため、連絡を取るのもどこか遠慮がちになるが、梶川とは容赦なく連絡を取り合っているという。「カジくんに町田でもちゃんとやっているところを見せたい」。“恋仲”のような存在でもある先輩との対戦も、やはり勝負となれば話は別である。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
梶川 諒太(かじかわ・りょうた)
1989年4月17日生まれ、27歳。兵庫県出身。164cm/58kg。荒井FC→兵庫FC→兵庫FC→関西学院高校→関西学院大学→東京ヴェルディ→湘南ベルマーレ→長崎→湘南→長崎。J1通算23試合出場2得点。J2通算51試合出場3得点(2016年4月22日現在)。

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