「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第15節・熊本vs町田/熊本・清川浩行監督、清武功暉選手、町田・相馬直樹監督コメント(4,008文字)

■明治安田生命J2リーグ第15節・5月28日(土)19:30キックオフ
ノエビアスタジアム神戸
ロアッソ熊本 0-2 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/29分 鈴木孝司、76分 鈴木孝司

 

■清川 浩行監督(熊本)
——まずは試合の総括をお願いたします。
「今日もこのような場を作ってくださった神戸の関係者の方々にも感謝していますし、町田サポーター、熊本のファン・サポーターも数多く駆け付けてくれました。このようなゲームをできてありがたく思っています。ゲームのほうは前半に攻め込んで1点を奪われ、また攻め込む展開からカウンターで点を取られました。勝ち点を取れなかったことは自分の責任で選手たちは頑張って戦ってくれました。勝てなかったことに関しては何か原因がありますので、そこをもう一度熊本に帰って、選手たちとトレーニングを積んでいきたいと思います」

——前節の柏戦からシステムを変えて、5人のメンバーが前節から代わる形でした。その意図を教えてください。
「前節は少し守備の比重が大きかったので、良い守備をすることに変わりはないが、攻撃に転じるという狙いで本来の形に戻した。メンバーを代えたことに関しては、今週はコンディションが良かった選手を起用したので、メンバーが代わっている」

——良い守備から良い攻撃という形からチャンスを作れましたし、ようやく本来の姿が見えてきた印象ですが、いかがでしょうか?
「そこで結果が出れば、勝ち点を取れれば良かったけど、選手たちは本来自分たちがやらないといけないサッカーをトライしてくれた。最後までよく走ってくれたと思う」

——失点が続いていて、守備面でギクシャクしていた印象ですが、その原因について、どうお考えでしょうか?
「立ち上がりからアグレッシブにボールを奪いに行って、フトしたところで足が止まって、ボールホルダーにアプローチが緩んでしまい、全体の足が止まって失点をしてしまった。どのゲームであっても最後まで失点をせずにボールを奪いに行く守備を全体でやっていかないといけない」

——試合勘の問題はありますか?
「今日のゲームで言えば、そういう試合勘の問題を出さずにプレーできていたと思う」

——1枚目の交代で嶋田選手が入ったことにより両サイドで崩す形も増えてきましたが、交代の狙いを教えてください。
「スピードのある選手を入れて、攻撃の活性化をしたかったことが大きな狙いです」

——再開から3試合。試合ができない状態から、試合ができる状態になって、その中でチームの問題点が出てきていると思いますが、難しいなと感じている部分は?
「コンディションうんぬんの問題はあるけど、試合をしている以上、勝ち点を取らないといけない。失点をするということは何か問題があるわけで、それが気持ちの問題なのか、戦術的な問題なのか、足りない部分があるので、それは僕がうまくコントロールできていない。そこは熊本に帰って、選手たちと取り組んでいきたい」

——3試合でここはできていることや、勝ち点への手ごたえはどのように積み重なっていますか?
「かなり自分たちのサッカーをするという意味では手ごたえはあった。ただ失点をしてしまう場面とチャンスの中で点を取れない、ということに関しては、それはボールへの執着心なのか、ゴールに対しての貪欲さなどが欠けているのかもしれない。それはゴールを守るという場面にも表れているかもしれない。まだまだ足りない。熊本に戻って来週のゲームに備えたい。その先には連戦もあるので、勝ち点を積み重ねていかないといけない。もう一度修正していきたい」

——最後は3バックの形にして押し込みましたが、その采配の効果は?
「前の人数を増やして攻撃への圧力をかけるために3枚にした。前節もやっていたこともあってスムーズにポジションの役割や何をしないといけないのか、感じ取ってやれていた。得点にはならなかったから、もっとシュートを増やしたかった。脅かすプレーをさせたかった。自分の力が足りずにゴールに至らなかった。(3バックは)先週やっていた部分が大きかったし、オプションとしてゲームの中で臨機応変にやれる形に持っていきたい」

 

■MF 10 清武 功暉(熊本)
前の試合よりもチャンスは増えている
「6本もシュートを打っているので、一本でも決めないと厳しいゲームになった。(後半の決定機の場面では)チャンスだったし、コースもある程度見えていたので、しっかり流し込みたかった。ほかにもヘディングシュートを打った場面もあったし、前の試合よりもチャンスは増えている。でも4連敗なのでFWが決めないと、後ろが耐えられていないので、まずは先制点を取ってチームを落ち着かせたい。前半から裏に抜けるチャンスがあったし、何回かチャンスになった。でも後ろとみ合わずに無駄走りになった部分もあったけど、そんなにやりにくい感じはなかった。(町田の守備陣を崩すイメージは?)ヨン・ア・ピン選手やキム・ソンギ選手など、高さも強さもある選手がいるので、彼らを引き出して、サイドからボールを入れていく狙いがあった。CBから単調に蹴り過ぎた部分があったと思う。どこかで勝たないといけないという思いがあるのか、自分の中では気にしていないつもりではないけど……。90分で足をつることもなく、やり切れたと思う。スタジアムを貸していただいた神戸さんにお礼が言いたいですし、神戸のサポーターも含めて、いろいろなサポーターも来てくれて応援してくれてました。感謝しています」

 

■相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の総括をお願いたします。
「まず今日は『熊本地震復興支援マッチ』という特別な試合ということで、前回のホームゲームは柏で開催されましたが、今回はもっと熊本に近いところである神戸に来て試合が行われました。関西を含めて、熊本のみなさんを元気付けたいという方々が集まったゲームになったと思います。そのように今回は特別な試合になるという中で、選手たちにはいまできるすべてをぶつけられるように準備しようと今週はトレーニングをしてきました。熊本さんがものすごい勝利へのエネルギーを持って向かってくることは分かっていましたし、実際に押される、耐える時間帯は長かったのですが、その中で最後までピッチの中で選手たちが手をつなぎながら、必死に戦うその姿をたくさんの方に見てもらって、見に来てくださる方々に勇気を与えようと話して、選手たちを送り出しました。そういった中でゲーム自体はシーズン当初から狙っていたような熊本さんの前への勢いのある攻撃に押し込まれて、苦しい時間も長かったのですが、少ないチャンスをモノにすることができて、そこから自分たちの昨季から築いてきている、粘り強さを選手たちが発揮してくれたおかげで、なんとか勝利をもぎ取れたと思います。見ている方々には華麗なゲームには映らなかったかもしれませんが、われわれにいまできることを地道に一つひとつ球際で戦い、ボールを追いかける、お互いにそういうプレーを出せたゲームだったんじゃないかと思っています。今日は勝利という結果をつかみましたが、サッカーは続いていきますので、われわれも今日のような姿勢を忘れずに、今日のような気持ちを忘れずに日々向き合っていけるように、復興支援マッチという形でしたが、熊本でわれわれを見てくださった方々が、町田を少しでも応援したいと思ってもらえればうれしいなと思っています。いつもは冒頭にわれわれを応援に来てくださった方々にお礼を申し上げているのですが、遠い地でのナイトゲームにもサポーターの方々は来てくださったのですが、サポーターの掲げられていた横断幕にも、全力で戦うことが相手へのリスペクトという言葉がありましたが、それを選手たちが実行してくれたと思います。そして一緒に戦ってくれたサポーターに対しても感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました」

——さまざまある選択肢の中で、ボランチの井上選手を起用した意図や狙い、そして彼の評価はいかがですか?
「熊本さんのゲームをスカウティングしたときに、攻守ともに前へ出る力、その中でボールを拾っていく力、そして縦への速さを考えたときに、ルーズボールをどれだけ拾えるか、実際にマイボールの時間が長くなりましたが、そういった部分をわれわれとすればルーズボールを拾える展開を増やしたいなと思っていました。前節は松本さんとの苦しい試合の中で、途中出場の(井上)裕大がボールを拾って、裕大がボールを奪うシーンを作ってくれたと感じました。いま、彼が持っている前へのパワーを使わない手はないなと起用しました。今日は非常に湿度が高い中でのゲームで、今季初めて湿度の高い試合でしたので、足をつる選手もいましたし、実際に彼も足をつってしまった状況でしたが、よくボールを拾い、前へ出ることも含めて、彼の力を出してくれたと思っています」

——鈴木孝司選手はなかなか点を取れない時期でもありましたが、この間での取り組みなどはいかがでしたか?
「試合が終わったあとにも話しましたが、本人は焦りと言ってはおかしいですが、点を取りたいという意識が先に出てしまって、それが実際の結果に結び付かずに、前節もワンチャンスしかなかったところを決められなかったという責任感が彼の中にもあったと思います。ただ今週に関しては、そういう話をしなかったですし、もう一度、真摯にわれわれがサッカーをやっている意味を、サッカーをプレーできる喜びを表現しないといけないとチーム全体に話をしてきました。今日も本人には話しましたが、点を取れるまでは少しイライラするところがあったと思いますが、一つ点を取ってからは落ち着いてプレーできていましたので、それが2点目につながったのかなと思っています」

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