「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第21節・群馬vs町田/群馬・服部浩紀監督、乾大知選手、町田・相馬直樹監督コメント(3,625文字)

■明治安田生命J2リーグ第21節・7月3日(日)19:30キックオフ
正田醤油スタジアム群馬/2,374人
ザスパクサツ群馬 2-2 FC町田ゼルビア
【得点者】群馬/11分 舩津徹也、24分 乾大知 町田/72分 中村祐也、82分 深津康太

 

■服部 浩紀監督(群馬)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「前半戦の最後の試合で、(前半のうちに)2点をリードしながらも結果的に勝ち点1しか取れませんでした。失点をしたことよりも、3点目を奪えなかったこと、トドメを刺せなかったことが勝ち点1に終わってしまった要因になったと思っています。失点の時間帯や失点の仕方も悪かったですし、逃げ切ることも考えなくてはいけませんが、全体がもっとパワーを持って、守りながら3点目を狙っていくチャンスもありましたし、(引き分けに終わった原因は)相手を仕留め切れなかったことに尽きると思います。相手のストロングポイントを消しながら、セットプレーで得点を決められたという前半の戦い方は、次につなげられることですし、やはりこれを継続することに尽きると思います。後半戦は一つひとつのプレーや1試合1試合にこだわって戦っていく中で、重要な試合が続くと思いますが、チームがブレずに前へ進みたいと思います」

ーー前半戦はトップ10に入っていたいという話でしたが、前半戦を終えて21位と入れ替え戦圏内に入りました。これから上がっていくためには何が必要で、具体的な目標を掲げていただいた上で、どのように戦っていくかを教えていただけますか。
「前半戦を終えて、トップ10に入っていたいという当初の目標を下方修正しないといけない。チームの戦い方や方向性は間違っているとは思わないし、僅差の試合をして勝ち点1を積み上げる負けないサッカー、勝ち点3を積み上げる勝てるサッカーを構築することに尽きると思う。今日もセットプレーで2点を取れているし、点を取れるチームになってきていると思う。守備の部分を徹底して、セットプレーやラインコントロール、クロス対応などを修正して、1-0で勝ち切れる、逃げ切れる守備の構築をしていかないといけないかなと思っている」

ーー失点したあとに落ち着いて対応できるか、ということを事前のポイントに挙げていましたが、実際にそのような展開となりました。失点したあとのチーム状態について、監督はどのように見ましたか?
「失点をしたあとは、守りながらカウンターを狙うことを考えていた。サイドに起点を作らせたくなかったし、前へ圧力をかけるようなゲームコントロールをした。ただ全体的なラインコントロールで次第にラインが下がってしまったと思う。背後を怖がってラインを上げられなかったことをベンチから伝えていたが、セットプレーから失点をしてしまった。これからに向けて修正をしなくてはいけないことだと思っている」

ーー瀬川選手がPKを蹴ったことについては、選手の判断でしょうか?
「それは選手たちの判断です。本来は松下が蹴る場面だが、足を痛めていた影響もあって、瀬川が蹴ることになった」

ーー前半はかなりラインを高く設定し、アグレッシブに戦っていましたが、前半の戦い方について、聞かせてください。また後半戦はどんな目標設定の下、戦っていくのですか?
「後半の20分までは前半の戦い方をできたと思っているが、GKとDFの間に入ったボールに対しての連係不足があったし、GKと最終ラインの選手間でのこぼれ球から失点をした。ラインコントロールを含めて、最終ラインとGKの連係が足りなかったのかなと。前半から後半25分まではラインコントロールができていたが、相手の前への圧力に負けてしまって少しずつラインが下がったり、背後を怖がったことが直接的に失点につながったわけではないが、そうしたことへの恐怖がセットプレーにつながって、失点をしてしまったのかなと。前半戦はトップ10に入ろうと設定していましたが、チームが前に進むためには目標が必要だと思っている。現状はこの順位(21位)の中で下方修正することはもちろんだが、常に上を目指して一つひとつどん欲にどういう形でも勝ち点を狙っていきたい」

 

■DF 5 乾 大知(群馬)
ファン・サポーターの方々へ申し訳ない結果になった
「1失点目はこぼれ球をそのまま打たれてしまった。難しい試合だった。2失点目の場面ではセットプレーは一人ひとりの個の責任になってくる。責任を持って自分のマークに付かないと。2点を先制して、2点を取られて、正直ふがいないし、ファン・サポーターの方々へ申し訳ない結果になった。自分たちも前を向いてやっていくしかない。下を向いても下がるだけ。次の試合に向けてしっかりと準備をしていきたい」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは少し遅い時間でのナイトゲームとなりましたが、町田からたくさんの方々にわれわれの応援に来ていただきましてありがとうございます。序盤から少し(これまでの)勢いが止まったような形で試合が進んだと思いますが、本当にその苦しい時をサポーターの方々に支えていただくことで、最後に追い付くことができました。そしてまた突き離されそうなシーンもありましたが、残念ながら勝ち点3ではなかったですけれども、勝ち点1を持って帰ることができました。本当にサポーターの方々のわれわれを支えてくれる声援や思いをありがたく感じております。

試合のほうはセットプレー2発で先にリードを許すという非常に苦しいゲームとなりました。群馬さんをここまでのスカウティングで見る中でも、カウンターの鋭いチームということも分かっていましたし、リードされる、追いかけるような展開やシチュエーションになりやすいだろうとも思っていましたので、そういった展開を避けたかったのですが、早い時間帯から失点をするという形になってしまいました。そのあたりのことはまた修正していかなければならないと思っていますが、それ以上に2点差を追い付いてくれた選手たち、最後まであきらめずに戦ってくれた選手たちに感謝したいと思います。気候的にも初めて今季30℃という中でのゲームでも最後まで走り切って戦い、最後は勝ち点3に届きませんでしたが、勝ち点1をアウェイの地で持って帰れること、そして連敗を止めたということを含めて、前へ進むエネルギーにしたいなと思います。今日でちょうどリーグ戦を半分終えたことになりましたが、次を迎える上で顔を上げられる、そういう勝ち点1になるんじゃないかなと思っています」

ーー後半の選手交代についてお聞きします。まずは中村選手を投入して相手が下がってきたときに戸島選手を入れると思ったのですが、久木野選手を入れました。結果的にその交代策が得点につながりましたが、その狙いを教えてください。
「われわれも群馬さんのすべての試合をスカウティングできたわけではないので、何とも言えない部分もありますが、これまではどちらかというと深みを取るディフェンスラインを敷いてくる群馬さんが今週ショートキャンプをした中で、前半から非常にハイラインを敷いてきました。その中で少し思うように攻めることができずに、相手にパスを引っ掛けられた中でカウンターを食らうこともあったのですが、後半の群馬さんはあまりやったことのないことをやっていたことを考慮すると、前半からハイラインを敷くことでかなりスタミナは落ちてくるだろうと予測ができましたし、それに対して走り勝つチャンスはあるのかなと思っていました。当然、ハイボールを使うことも考えましたが、本来は後半のスタートからもっと裏を取ろうと話している中で、それが難しい部分もありましたから、今回のようなケースでは久木野を起用して裏を取る動きをした方が生きるのではないかと考えた結果、久木野には裏を突く仕事を託しましたし、その彼が裏を突くことで、実際に得点にもつながって良かったなと思っています」

ーー先ほどの質問の延長の話ですが、後半から中村選手や久木野選手を投入し、彼らはジョーカーとして貴重な役割を果たしてくれたと思います。彼の実際の働きはいかがでしたか?
「メンバーが多少固定されていると言われてもおかしくはないキャスティングをここまでしてきた中で、これまでは短い出場時間が多かったところを、これまでに比べれば長い時間、彼ら(中村と久木野)はプレーすることとなりました。(二人を長い時間起用した理由は)彼らがチームに良い影響をもたらしてくれるエネルギーを持っているんじゃないかと思ったため、起用しました。実際に彼らの働きの中から、われわれの1点目が生まれたというのは、われわれのチームにとって、今後に向けても大きな結果になったと思っていますし、よりチームのエネルギーが前に向かうゲームになったのかなと思っています」

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