「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第34節・町田vs東京V/町田・相馬直樹監督、東京V・冨樫剛一監督、井林章選手、安在和樹選手、澤井直人選手コメント(3,835文字)

■明治安田生命J2リーグ第34節・10月2日(日)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/5,016人
FC町田ゼルビア 2-1 東京ヴェルディ
【得点者】町田/8分 中村祐也、41分 中村祐也 東京V/68分 平智広

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは、『東京クラシック』に町田のサポーター並びに東京ヴェルディさんのサポーターの方も多くお越しいただいて、素晴らしい雰囲気を作っていただき、またこのような場があることに感謝を申し上げたいです。その中で本当にいろいろあった試合でしたが、最後に勝利をつかむことができました。まさにサポーターの力があってこその勝利だと感じています。本当にありがとうございます。

ゲームのほうは申し上げたように、われわれにとってはアクシデントがあり、最終ラインのポジションで選手を入れ替えなくてはいけない状況の中、やや不安定な立ち上がりから早い時間帯に退場者を出してしまいました。そこで普段プレーしていないポジションでプレーした選手もいましたが、選手たちは本当に粘り強く戦ってくれましたし、10人になりましたが、攻めの姿勢や前へ出て行くことを忘れずに90分戦ったことが勝利につながったと思います。

なかなかホームで勝てずに、約3カ月ぶりに勝つことができて、お待たせしてしまったサポーターのみなさまには申し訳なかったのですが、今日勝利の喜びを分ち合えて本当に良かったです。ただ、まだ試合が続きますので、一つでも多くの試合に勝てるように選手たちとやっていきたいと思います」

——アクシデントなどで選手が抜けることは想定していると思いますが、今日の松本がCBを務め、森村のSBへの配置転換は想定内でしたか。それとも最初はプレーの様子を見つつ、そのままでもやれると思ったからこその配置なのでしょうか?
「後者です。そこまでの想定はしていなかったですが、トレーニングマッチや紅白戦の中で、松本がCBをやることや森村がSBをやることがあるので、ある程度できることは把握しています。トレーニングマッチの中で、怜大にはCBにトライしてもらうこともありました。チームのやり方は人数が少なくなっても基本的には変わらない中でこれまでもやってきました。選手たちがよく対応して、一人ずつが少し余計に走って、一人人数が足りないぶんをカバーしてくれました。それにお釣りが来るぐらい頑張ってくれたと思います」

——途中交代をした中村選手の現時点で分かる負傷状況を教えてください。
「見てのとおり、ひざを痛めた形ですが、どの程度の負傷状況なのか、それは現時点では分かりません」

——これまでの話の延長になるかもしれませんが、10人で粘って2-1で勝ち切った勝利の要因はどこにあると思いますか?
「逃げ切れた部分も当然ありますが、攻めの姿勢を忘れずにボールを下げたりせず、できるだけ前でプレーし、ボールをキープすることを意識して選手たちは戦ってくれました。特に後半はきつい場面も多かったですが、選手たちがやり通してくれたことが大きかったと思います。前にボールを運べなくなった時間帯に真ん中にクサビを入れられ始めたときは、崩されてもおかしくはなかったと思います。ただ前で追いかけられる選手を入れていく中で、回されているけれども、こちらからボールを奪いに行く形を作ることで相手がプレッシャーを感じながらボールを回さざるを得ない状況を作り出していたと思います。ボールを取られたら一発があるという相手に対して、精神的な部分での危機感を相手に与えられたことが長い時間を10人でも持ち堪えられた要因だと思います」

 

■冨樫 剛一監督(東京V)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「前期の対戦で非常に悔しい負け方をして、その悔しい気持ちを忘れずにトレーニングに励み、この試合に臨みました。試合の入り方は非常に良かったと思いますが、カウンターから失点してしまい、またカウンターの部分で、自分たちが相手を上回ることができませんでした。

ただ今日のゲームのテーマとして90分間ゲームを支配し、その中で0-1で試合が進むプランは持っていました。実際に失点をして、システム変更から相手の苦しいスペースを見つけてプレーをしていこうという中で、早い時間帯に相手に退場者が出てまた人の配置を変えました。そのあとは自分たちが相手の隙を突いて攻撃を仕掛けていく中で、セットプレーから2失点目を喫してしまったことがすべてだと思います。

後半は多くのチャンスを作りながら、サイドからのクロスボールの精度を欠き、良いスペースでボールを支配しても、最後の場面でなかなか中と合わないもどかしい状況が続き、その結果、非常に悔しい敗戦となりました。

サポーターも戦ってくれていますし、最初から出る選手、途中から出る選手、そうでない選手も戦ってくれている中で、それが勝ち点につながらないのは悔しい気持ちでいっぱいです。残りの試合、この悔しさをピッチでどのように表現していくかが重要になるので、しっかりとトレーニングをして、そして選手選考をして良い形で今後の試合で勝てるようにやっていきたいと思います」

——監督がおっしゃられたように、恐らく選手たちも「失点がもったいなかった」と言うと思いますが、そう言っていて34試合が経過して、残り8試合の段階まで来ました。トレーニングをしてきてもなかなか改善されていない原因は何でしょうか? 意識付けが足りないのでしょうか。監督はどのようにお考えでしょうか?
「まずピッチに立っている選手たちが、どれほどの責任の重さを持っているのか。フィールド上でボールが入る前にあまりにも相手に自由に走られている形があるので、その戦いの部分はどうなっているのか、トレーニングの中でそういうシチュエーションに落とし込んで、トレーニングの中ではできているのですが、ゲームになるとそれが出せずに、相手がフリーな状態で走っていることが多いです。もう一度振り返って、このあと選手たちにも話そうと思っていましたので、二度とそういったことがないようにしないと勝ちは来ないと思います。選手たちに話したいと思います」

 

■DF 3 井林 章(東京V)
個人としての判断が悪かった
「最初の失点に関してはCB二人の責任。セットプレーにしても、カウンターからの失点にしても、チームとしてよりも個人としての判断が悪かった。仮に戦術的に相手を上回っても、結局は個人戦術でミスをするとああなってしまうとあらためて痛感しました。それに尽きると思う。町田はもともと大量得点をするようなチームではないし、そのぶん守備が堅いチームなので、ロースコアの展開に持ち込まないといけなかった。その点では早い時間帯での失点が痛かった。相手が10人になってもやることは変わらずに、SBの裏を突くことや、サイドに揺さぶって攻撃をしかける狙いを持っていた。

先ほど監督もおっしゃっていましたが、サイドで起点やタメを作っても、ゴール前の精度を欠いていたことでゴールにつながらなかった。シュートやクロスボールの精度をもっと上げていかないといけない。町田は組織としては良いチームだし、自分たちよりも守備の意識が非常に高いことは2試合を通じて感じたこと。特に中盤のスライドや挟み込みの守備が良いし、セカンドボールへの反応の速さも徹底していました」

 

■DF 6 安在 和樹(東京V)
前半は数的優位の状況で腰が引けたような戦いになった
「前半に数的優位に立ったときは、まだ時間もあったし、慌てて攻める必要はなかったと思う。相手よりも人数が多いわけだから、相手に起点を作らせないぐらいつぶせたと思うけど、腰が引けたような戦いになって、相手のFWに起点を作られることが多かった。もっと後半のようにサイドへ散らして、もっとボールを動かして戦う必要があったと思う。サイドで数的優位を作る形もそうだけど、クロスボールを上げる身としては、もっと中に人数をかけてもらえればいい。僕がサイドで受けてクロスを上げようと思ったときに、中に一人しかいないような状況もありました。中に入っているときもあったけど、全部が全部、中に人数がいるような形ではなかった。

前回対戦はやれていた部分はあったけど、こっちが数的優位だったし、追いかける展開だったので状況が違っていた。必然的に相手も引いていたのでそのぶん、戦えていた。(11対11のときは)相手の勢いもあったし、ドウグラスが裏へ抜ける形もありました。五分五分の展開だったと思いますが、1失点目も2失点目も、両方の失点はもったいない形でした」

 

■MF 14 澤井 直人(東京V)
監督からはボールを引き出すことを言われていた
「自分が途中から出場したときは絶対に点を取らないといけない状況でしたし、クロスボールに対して相手の嫌な位置に入っていくことや裏へ抜けることで、ボールを引き出していくことを監督からは言われていました。惜しいシュートチャンスはありましたが、決めることはできませんでした。もう一度チャンスが来て、トラップは思いどおりにできて、ボレーで叩き込もうと思ったのですが、決められませんでした。途中から出場することの意味を理解して点を取らないといけないと思います。それができないと選手として上のステージに行けないです」

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