「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第37節・岐阜vs町田/岐阜・吉田恵監督、エヴァンドロ選手、冨士祐樹選手、町田・相馬直樹監督コメント(4,585文字)

■明治安田生命J2リーグ第37節・10月22日(土)15:00キックオフ
岐阜メモリアルセンター長良川競技場/4,674人
FC岐阜 1-2 FC町田ゼルビア
【得点者】岐阜/59分 エヴァンドロ 町田/73分 谷澤達也、83分 仲川輝人

■吉田 恵監督(岐阜)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「ここまで上位と当たって、3連敗をして、今日はホームでなんとかホームのサポーターに勝利を届けたったのですが、先制して良い流れだったと思うのですが、そのあと、クロスから立て続けに失点をしてしまいました。自分たちの課題を毎試合克服してきていると思いますが、最後は町田さんに力負けをしてしまいました。アウェイでのセレッソ大阪戦、京都戦で結果が出なくても、こういう状況で応援してくださった方々へ、勝利を届けられずに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

今までの課題を克服しながら毎試合挑んでいますが、毎試合こうした大きな宿題や壁が出てきて、それを試合中に乗り越えられれば勝利に近づきますが、それを一つ超えたらそれを克服して、また次の試合中に課題が出てと、何とも言えない、勝負の難しさを感じながら戦っています。結果がすべての世界ですので、この結果を真摯に受け止めて頑張っていきたいと思います。僕たちは次の試合に向けて、上を向いてやり続けるしかないので、頑張っていきたいと思います」

ーー1失点目は左サイドからのクロスボールの質、谷澤選手の背後からの動き出しも良かったですが、岐阜視点では何が良くなかったのでしょうか?
「1失点目はヘディングのクリアを相手に拾われて、サイドからのクロスも、ゴール前に入り込むタイミングも良かったと思います。スピードのある選手に対して、質の高い速いクロスボールを入れられると、ディフェンスにとっては難しい状況だったのかなと思います。

町田さんが背後を突くロングフィードの形が多いことも分かっていましたし、セカンドボールの反応も速い、ボールを失ったあとも速いので、クリアの際には前のFWを的にするか、危ない場面であればプレーを切ろうと、確実に味方に渡そうと話していましたし、トレーニングでも、試合の前も、ハーフタイムにも念を押したのですが、それが成されなかったと。味方につないだのか、下がりながらの難しい状況での対応であったことで、相手にボールがわたってしまったのか分かりませんが、自分たちがやるべきことをやっていれば失点をすることはなかったと感じました。自分たちで失点を招いていると捉えないといけないと思います。クロスボールの精度とゴール前の入り方は素晴らしかったと思います。町田さんにとっては、個人として、チームとして、成熟した形でのゴールだったと思いますので、シュートに行くまでの局面に問題があったと思っています」

ーー9月18日・愛媛戦以来の復帰となったロシャ選手の評価を聞かせてください。
「久しぶりの出場で、体力的な不安がありましたが、前半から素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思っています。前回の町田戦はミドルシュートで得点を決めていますし、良い印象を持って試合に臨んでくれました。彼のFKからエヴァンドロの得点になったので、またチームとして一つの新たな得点の形ができたと思います。ロシャ選手に絡みながら、高地選手や風間選手が攻撃にいろいろなアクセントを加えて、崩しやシュートチャンスまで作れていたので、彼のキープ力や彼からのパスで好機が作れていると思います。残りの試合で彼の活躍に期待をしながら、もう少し体力を回復させながらやれたら良いと思っています」

ーー磐瀬選手をボランチで起用した意図とその評価を聞かせてください。
「前々節のセレッソ大阪戦で途中からボランチのポジションに変えて、セレッソ相手にボールを奪う回数が多かったという印象があったので、前節の京都戦は高地と小野にダブルボランチを組んでもらったのですが、今節は町田さんが森村選手が前目のポジションを取って、攻撃的に来ることは分かっていましたし、町田さんはワイドの選手が中に入ってきて、数的同数になるので、前の掃除役と森村選手へのプレッシャーをかける役割を与えました。また高地の守備の負担をもう少し軽くしたかったので、ボランチで起用しました。ボールを奪う回数も多かったですし、真ん中をこじ開けられるというシーンもほとんどなかったと思うので、チームの新たなオプションができたと、選択肢が増えたのかなと思います」

ーーここ最近はディフェンスラインに若い選手を起用する傾向がありましたが、今節は冨士選手を左SBに入れた狙いと手ごたえはいかがですか?
「前節の京都戦から起用していますが、ラインの上げ下げの部分はベテラン選手ですが、運動量を発揮してくれていますし、CB田代選手との連係もすごく良いので、起用しました。今日も前半は積極的に攻撃と守備で絡んでくれました。プレーに関しては全然問題がないと思います。あとは起用してから2試合目であること、町田さんのロングフィードや走量を生かしてくるサッカーに対して、運動量が落ちてしまいました。その隙をやられてしまいましたが、個人的には良くやってくれていますので、体力的な部分と体力的に落ちている選手の穴をカバーし合うことも大事です。また新たな課題が出たので、取り組んでいきたいです」

ーー残りリーグ戦5試合。チームとして、どんなサッカーをサポーターの方々に見せてくれるのか、聞かせてください。
「どんな試合内容でも勝つしかありません。勝つためには頭を使わなければならないですし、戦う姿勢や最後まであきらめないメンタルをグラウンドの上で見せて勝つことが必要だと思います。戦術もすごく大事ですが、勝つために何ができるかを第一に考えてやっていきたいと思います」

 

■FW 9 エヴァンドロ(岐阜)
残り5試合、一戦必勝で戦っていく
「ブラジル人選手3人の特長を生かしたコンビネーションで攻撃をしようという中で、セットプレーからでしたが、レオナルド・ロシャ選手からのFKでゴールを決められたことは良かったと思います。前半は難しい場面もありましたが、全試合ブラジル人3選手には厳しいマークが付くのは仕方がないこと。なかなか前に良いボールが入ってこない中で、われわれブラジル人3選手が良い準備をして、良い攻撃の形を作りたいということは常に考えていることです。セットプレーの練習は積んできているので、ゴールシーンに関してはそのトレーニングの成果が出たと思います。今後の試合に向けて重要なことは、ゴールは決められているので、失点をしないこと。今後の戦いに向けて、サポーターの力が必要ですし、残り5試合に向けて一戦必勝で戦っていくことも大事なことだと思っています」

 

■DF 18 冨士 祐樹(岐阜)
2点目を取ることで流れを変えられる
「(ディフェンスラインには若い選手が多かったですが、ベテランとしてどんなことをしようと考えていましたか?)彼らも能力が高いので出場機会があるのだと思いますし、ラインの位置の設定をどこにするかコミュニケーションを取ることで、全体をコンパクトにして戦うことを第一に考えていました。

(攻撃でも積極的に絡むシーンもありました)前半は特にバランスを気にし過ぎるあまり、思い切った飛び出しができていなかったのかなと思います。それによって、相手を自陣に押し込めなかった原因になったと思います。右サイドが阿部でパワーもあって、スペースに出ていくことが特徴の選手なので、(反対サイドの)僕はバランスを意識して戦っていました。

(勝ち切れなかった原因は?)先制した時点で守りに入って、引き過ぎて、より押し込まれることが多くなったのかなと思います。それが起きないように、点を取ったあとも引き過ぎるなと話していましたが、クリアボールが相手にわたってしまい、マークをハッキリさせる前にクロスボールを上げられて失点をしてしまいました。1失点目の場面では大きなクリアやマイボールにする時間を増やすか。チームで考えていることにズレがあったのかなと思います」

(残り試合をどう取り組んでいきますか?)早い時間帯に失点をすることやズルズルと下がってしまい、プレッシャーに行けない時間帯が続いていないわけではないので、できている時間を増やすことで、よりゴールを固める時間が必要です。また思っていないプレーが起きたときに焦らず集中してマークをつかむことなど、そういうプレーにつなげていって、ここ2試合はできていないわけではないですし、あとはマイボールの時間を長くしていければと思います。チームとして2点目を取ることで流れを変えられると思います」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは遠く岐阜までたくさんのサポーターの方々に足を運んでいただきました。アウェイですが、非常に力強く最後まで戦えたと思います。まずはありがとうございましたとお伝えしたいと思います。

岐阜さんが残留争いを戦っているという状況もあり、球際の攻防も多く、縦への展開も速いゲームになりました。前半はセカンドボールの攻防で相手を上回ることができたことで、前半だけで9本のシュートを打つことができました。

ただ、本当に迫力のある、ボックス内の深い位置まではなかなか入れないという展開の中、岐阜さんの外国籍選手にカウンターまで持ち込まれるシーンを作られていましたが、前半はよく抑えられていたと思います。後半はもっと攻撃で相手の深い位置に入ることを選手たちに伝えて、後半に向けて送り出しましたが、途中からセカンドボールの争いで負けるような苦しい展開となり、何か手を打たないといけないなと思っている中で、セットプレーから質の高いキックと高い打点のヘディングで失点をしてしまいました。

失点をしたあとは非常に苦しい流れになったと思ったのですが、もう一度前に出ることを見せてくれたことで、その後は岐阜さんが気持ちの部分で少し守りに入るような形となり、その結果、隙を突く形を作れたと思います。その中で2点を取れたこと、そしてかなり出場しているのに長く時間はかかりましたが、谷澤が点を取ってくれましたし、次につながるゲームができたと思っています」

ーー谷澤選手がゴールを決めましたが、これまでの彼の働きは監督の目にどのように映っていましたか?
「やはりどちらかというと、時間を作ることや、少し相手をはがすことなどが得意な選手です。ただ点を取る力はもともと持っている選手だとは思っていましたが、そういう中で今季はなかなか点を取れず、今日もポストに当たって入った形でしたが、これまでゴールポストに当たって入らないというケースも何度かありました。

ここ最近に関しては、シュートの数自体も少なかったのですが、練習から今週はゴールを決めそうだなという囲気がありました。それで実際に自分でも感じていたのか、あの場面でゴール前に入っていくことにつながり、ゴールが決まったのかなと思います。もともとは点を取れる選手なので、ゴールの感覚を思い出してもらって、さらに点を取れるように頑張ってくれるといいかなと思っています」

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