「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開・小野路便り】町田日和的、讃岐・渡邉大剛の“傾向と対策”

▼サッカーIQの高い“マルチロール”

今季開幕前に大宮アルディージャから韓国Kリーグ2部の釜山アイパークFCに移籍した渡邉大剛は、シーズン途中で釜山を退団し、今夏の移籍市場でJ2・カマタマーレ讃岐に加入して日本復帰を果たした。かつて大宮で10番を背負った男は、讃岐移籍後、ボランチ、サイドハーフ、右SB、そしてときにはFWと、ポリバレントな能力を生かしながら、さまざまなポジションを務めてきた。プレーヤーとしてはチーム戦術の機能性を高める“潤滑油”の能力を有しており、プレースキッカーとしても脅威を誇っている。

1984年生まれの同年齢には柏レイソルMF大谷秀和、名古屋グランパスMF小川佳純、そして松本山雅FC・MF工藤浩平らがいる。彼らの共通項は、“サッカーIQ”が高いこと。渡邉自身の戦術理解度も高く、ズデンコ・ベルデニック監督(2012年6月から13年8月まで大宮を指揮)といった戦術・戦略を重視する指揮官にはこれまで重宝されてきた。さらに大宮在籍時には、全体を俯瞰した試合分析力に長けているため、報道陣の間では“大剛解説員”との異名を持っていた。

ピッチ外の横顔は“ナイスガイ”の一言に尽きる人格者。ファン・サポーターを大切にする姿勢や人への配慮を欠かさない律儀な一面が、多くのファン・サポーターに愛されてきた。韓国へ移籍する際の離日時には、多数の大剛ファンが空港へ見送りに訪れていた。

もう一つの横顔は、アニメ『ワンピース』をこよなく愛する“ワンピース・フリーク”。ワンピース好きが高じて、自身が飼っている犬にワンピースの登場キャラクターである“エース”と“ボニー”という名前をつけるほど。Jリーガー屈指の“ワンピース・フリーク”でもある。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
渡邉 大剛(わたなべ・だいごう)
1984年12月3日生まれ、31歳。長崎県出身。171cm/62kg。多比良小学校→国見中学校→国見高等学校→京都サンガF.C→大宮アルディージャ→釜山アイパークFC(大韓民国)を経て、2016年7月にカマタマーレ讃岐へ完全移籍。J1通算214試合出場16得点。J2通算117試合出場6得点(2016年10月29日現在)。ヴィッセル神戸FW渡邉千真、J3・Y.S.C.C.横浜DF渡邉三城は実弟で、三人は“渡邉三兄弟”として知られている。

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