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「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】【マッチレビュー】Fリーグ第26節・府中vs町田/年内最終戦は悔しい逆転負け。ペスカドーラ町田、“皆本晃クオリティー”に屈する

▼今季の“東京ダービー”は負け越しに

府中アスレティックFCとペスカドーラ町田による“東京ダービー”は、4位と5位が対峙した直接対決だった。今季の東京ダービーは1勝1敗とまったくの五分。リーグ5位以内に出場権が与えられるプレーオフ進出を懸けた今季の“決着戦”は、町田にとって、悔しい逆転負けとなった。

6分55秒に中井健介が先制ゴールを決めて、幸先の良いスタートを切った町田に対して、ホームの府中は8分25秒に永島俊がミドル弾をブチ込んで試合を振り出しに戻す。「プレーオフで必ず争う相手」(金山友紀)である府中を前に、勝って苦手意識を植え付けておきたい町田は、迎えた12分14秒。滝田学がCKから直接弾丸シュートでゴールを狙うと、府中のゴレイロ・田中俊則がゴール方向に弾いて、町田がオウンゴールで勝ち越し点を奪った。「前半は特に守備に重心を置いていた」と府中・谷本俊介監督。そんな府中のゲームプランを崩す町田の効果的なボール回しは、1点をリードして後半を迎えることにつながった。

試合は2-1で町田がリードする展開が続く。ところが、21分17秒に室田祐希が左サイドを破ってフィニッシュまで持ち込んだ場面を筆頭として、町田が追加点を奪えずにいると、プレーオフ進出の足場を固めるためにも「勝たなければいけない要素がたくさんあった」(府中・皆本晃)ホームチームが次第に前への圧力を強めて試合の主導権を掌握していった。

そのメインキャストは、日本代表FP・皆本。「今日は自分がゲームを決めないといけない日だと思って、試合会場に来た」という府中のチーム主将は、29分18秒にクロスバー直撃シュートを放つなど、皆本が町田を次第に追い詰めていく。

そして2-2に追い付かれたあとの32分18秒、皆本にドリブル突破をしかけられると、ゴレイロも抜き去られて、最後は渡邊知晃に逆転弾を献上。さらに極め付けは35分56秒、森岡薫が皆本にボールを奪われた上に、その皆本には左サイドの角度がない難しい位置から地を這う弾丸シュートを決められてしまった。突き放された町田は2点差を挽回しようと、パワープレーを試みたものの、“パワープレー返し”で失点を喫した上に、反撃のゴールも1点しか奪えず、再び敵地で敗北を喫した。

町田はこの日の敗戦で5位・府中との勝ち点差が『5』まで縮まった。年内のFリーグ日程は府中戦で終了し、2017年の年明けからFリーグのレギュラーシーズンも“ラスト7”に突入する。「府中にはプレーオフで借りを返したい」と金山主将。全日本選手権優勝に次ぐリーグタイトルを狙う町田は、年明けホームでのエスポラーダ北海道戦から再起を懸ける。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI) 

■岡山 孝介監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「全体的に悪くはなかったのですが、1点をリードして迎えた後半でうまくゲームをコントロールできずに、そこで失点をしてしまい、攻めに出たところでさらに失点を重ねてしまったため、試合の流れをつかめなかったことが敗因になりました。やろうとしていることはできていたので、また共通理解を持って練習から取り組んでいきたいと思います」

ーー2-3とリードを許してから、ゴレイロにイゴール選手を起用しました。その意図を聞かせてください。
「イゴールはスローがあるし、足元もある。負けている状況でしたので、攻めに出た、それだけです。けがは普通に練習もしていますし、問題はありません」

■FP 7 金山 友紀(町田)
2-1の展開から次の1点を取れなかったことが一つの敗因
「どっちに勝利が転がってもおかしくない試合でしたが、2-1の展開から次の1点を取れなかったことと失点を堪え切れなかったことが敗因になったと思います。追い付かれる時間帯に入る前に押し込まれる時間帯があって、なかなか守備で押し返すことができませんでした。ここまでの試合ではディフェンスの出来は良かったのですが、今日はディフェンスの部分であまり良くなかったかもしれません。このピッチがほかのアリーナよりも狭いことで、イレギュラーなこともあって、なかなかアグレッシブに守備をしかけられなかった影響もあったと思います。ボールを回される時間が長くなって、疲弊させられたことで運動量が低下したように見えたかもしれません。

(森岡)薫のシュートに対してはどのチームも警戒してくることですし、警戒されているぶん、ほかの選手がフリーになるので、そこでチャンスを作れると思います。もっと良い形で薫にボールを入れていけるようにしていきたいです。今日はゴールに近い位置でプレーするというよりも、ゴールから遠い位置でのプレーが多かったです。後ろに下がって後ろからしかける形が多かったです。もっと前で起点を作れるような状況を作って、彼をうまく生かして使う形を作って、相手のディフェンスが薫に気を取られている間にほかの選手がしかけられるような状況を作る必要があると思います。もっともっと彼の良さを引き出せると思いますし、年明けに向けて、コンビネーションを合わせていきたいです。今日の府中はプレーオフでも対戦する相手になると思います。プレーオフで借りを返せるように、もっとチーム力を高めていきたいです」

■FP 13 中井 健介(町田)
勝っている状況をうまくコントロールできなかった
「チームとしてボールを優位に回せる時間帯にもっとゴールを決め切りたいですし、個人的にはそういう時間帯に点を取り切ることが一番大事だと思っています。そこでゴールを決められるかどうかは、そのあとの試合展開に大きな影響を与えます。

個人的には先制点を取れましたが、追加点を取るべき時間帯で追加点を取れなかったので、それはずっと課題として残っています。守備でもチームに貢献することは当たり前のことだと思っています。ピンチならば戻りますし、チームにどれだけ貢献できるか、それは僕自身こだわっていることなので、それを一つの基準として、守備でも貢献できるようにどれだけ頑張れるかだと思っています。

ゲームコントロールの部分で勝っている状況をコントロールできなかったと思います。もう少しハッキリとしたプレーをする必要がありました。チームとして、ゲームコントロールの部分はまだまだ足りません。年間を通した課題ですが、相手の時間帯もある中で、自分たちの時間帯にしっかりと仕留めて、勝ち切ること。自分たちが主導権を握って勝ち切れるような試合をしていきたいです」

■谷本 俊介監督(府中)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「今日の試合は多くのものが懸かっていましたので、モチベーションが高まる要素が多い中で迎えた試合でしたが、勝利をすることができて良かったと思います。プレーオフ進出のためには、勝ち星を積み重ねる必要がありましたし、すぐ上の順位にいる町田さんを追い越すためには、直接対決で勝たないといけない状況であったことは大きなモチベーションとなりました。僕が監督になって4シーズン目になりますが、“東京ダービー”と名が付くほど、宿命のライバルである町田さんに対して、負け越していたので、その雪辱を返す年にしようと思っている中で、今季1敗はしましたが、勝ち越すことができました。そのことも試合に気持ちが入る要素となりました。

また今日の試合は日頃からスポンサードしていただいていますUMBROさんのスポンサーマッチデーということで、さまざまなイベントが展開されている中、少しでも観客の方に喜んでいただけるような試合をしたいと思っていました。また今日はクリスマスイブという大事な日に時間を割いてこちらまで来てくださったので、その方々のためにも勝たないといけない試合でした。そうしたいくつかのモチベーションが高まる要素がある中で勝ち切れたことをうれしく思っています。

試合の内容に関しては、準備をしてきた作戦通りの展開となりました。前半はリードされていましたが、最後までゲームプランを信じてやり通したことが最後の勝利につながったと思っています。ただ年内の試合は終わりますが、また年明けから7試合厳しいゲームが待っていますので、残りの試合も全部勝つために少しのオフ期間を過ごしたいと思います」

ーー例年、府中さんはシーズンの終盤に勝ち星を積み重ねてプレーオフに進出する状況が続いていますが、今年も同じような展開になろうとしているのかなと思います。具体的にどういった要因で後半戦に強い結果になっているのでしょうか?
「単純に積み重ねている結果だと思います。結果が悪くなったから変えるのではなく、試行錯誤はしているので、微調整は加えていますが、大枠は変えずにやっています。選手たちも地道に努力を続けている結果により、チームの完成度が高まっていくんだと思います」

ーー皆本選手は「理想と現実の狭間で」という言葉をおっしゃっていますが、過去チームを率いてきたシーズンを振り返って、後半戦に強い要因をもう少しご説明いただけますか。
「過去のシーズンを振り返って、序盤戦が難しいなと感じていることは、メンバーが少しずつ代わっていく中で、どういう戦い方をすべきか模索しながら戦うこと。戦力の補強に関しても、今年の場合はシーズンの途中でチームを抜ける選手がいるような状況でもありました。

チームは生き物と言いますが、少しメンバーが代わるだけで、戦い方やチームのバランスが変わってきます。それを僕自身がシーズンの初めからマネジメントできれば、改善されると思いますが、僕にはまだまだそういった経験や技量がなく、選手を良い方向に導けていませんが、そんな中でも選手たちが付いてきてくれるので、シーズンの最後で優勝できればいいです。それが結果の世界ですから、最後に強いチームになることを目指してブラさずにやっていきたいと思っています」

(同じくイベント参加者からの質問)
ーー素人質問で恐縮ですが、今日の町田戦は絶対に勝たなければならない試合だったと思いますが、上から見ている限り、前半は全然勝てる気がしませんでした。相手にボールを回されて、永島選手のゴールシーンはありましたが、遠目からのシュートが多かったです。後半は皆本選手の仕掛けも増えてきて、前半と後半ではまるで違うチームのようでした。どんなポイントで前半から修正を図ったのでしょうか? どうして前半からしかけなかったのですが?
「流れは大きく変わりましたが、戦術を変えるようなことはなく、負けている状況でしたので、後半は必然的に追い付いて、逆転しないといけないという選手たちの気持ちがプラスに働いたと思います。特に前半は守備に重心を置いていましたし、チームに対してはリードを奪われないように働きかけていたので、前半は押し込まれるような展開になったと思います。やはり気持ちの部分が後半の流れを変えるきっかけになったと思います。前半はシュートを打てる場面でも躊躇したりと、そういう場面が確かにあったために、前半はあまりうまくいっていないように見えたかもしれません」

(同じくイベント参加者からの質問)
ーー残り7試合、重要な試合が続くと思いますが、来季以降、若手選手の育成は重要なテーマになると思いますが、いかがでしょうか?
「まず、僕が来季も監督を続けているかどうか、もしかしたら首を切られているかもしれません(苦笑)。それが一つのポイントですが、メンバー編成はクラブのGMの意向も反映されるので、僕自身だけの意見でどうにかなるものではないという前提でお話をしますと、確かにメンバーは高齢化していますが、彼らはベテラン選手だから試合に出ているわけではなく、純粋に競争に打ち勝って試合に出ているメンバーばかりです。若い選手が良いプレーをしていれば出場させたいですが、純粋な競争が必要ですから、若い選手の突き上げを辛抱強く待っている部分もあります。もちろん、こちら側も若手に対して手厚い指導ができるように、彼らがもっと伸びる状況を作っていきたいと思います。下部組織へのフォローも含めて、今後はやっていかなければなりません。良い競争とこちらの根気強い指導をしていく必要があると思います」

■FP 5 皆本 晃(府中)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「監督と重複しそうなコメントばかりになるかもしれませんが、今日は勝たなければいけない要素がたくさんある中での試合となりました。そのホームゲームに勝てたことは大きかったと思います。これだけ盛り上げていただいた中で勝てたことは本当に良かったと思いますが、勝ち続けていかないとまだまだ上には行けませんので、一番順位の近い“ダイレクト・ライバル”の町田に勝てたことは本当に大きかったと思います」

ーー例年、府中さんはシーズンの終盤に勝ち星を重ねてプレーオフに進出する状況が続いていますが、今年も同じような展開になろうとしているのかなと思います。具体的にどういった要因に後半戦に強い結果になっているのでしょうか?
「シーズンの最初から積み重ねていく中で、途中にうまくいかない部分が出てくれば、それを理解した上で積み重ねていくことができていると思います。また僕たちは理想と現実の狭間で戦っているので、少しずつ後半戦にしたがって、理想を横に置きながら、現実を追求していく形になっています。それができれば僕たちは決して弱いチームではないので、現実を取っていく中で結果を積み重ねることはできているんだと思います。相手も後半戦の府中を嫌だなと思っていることも、後半戦の勝利につながっているのではないでしょうか」

(スポンサーマッチデーのイベントに参加し、記者会見に出席したファンの子どもからの質問)
ーー勝利というクリスマスプレゼントをありがとうございます。皆本選手へ質問です。試合中に応援の声は聞こえていますか?
「『頑張れー!』という声など、府中の応援は聞こえています。そう言ってもらえることはすごくうれしいですし、またサッカーやフットサルをやっていく中で、会場で声をかけてもらったり、応援をしてくれる人たちがいるということは、本当に心強いことです。感謝の気持ちを持って今後も僕は戦っていきたいと思います。君もお父さんやお母さんなど、支えてくれる人たちがいることを絶対に忘れないでください。僕の試合を見に来たときはぜひ声をかけてください。僕もその声援を支えに頑張っていきます。これからも頑張ってね」

(同じくイベント参加者からの質問)
ーー前半と後半ではまるで違うチームのようでしたが、どんなポイントで前半から修正を図ったのでしょうか? 皆本選手の視点ではいかがでしょうか?
「僕個人で言えば、前半は正直ボールが足についていなかったです。周りもあまり見えていなかったのですし、前半は正直厳しいなと思っていましたが、なかなかうまくいきませんでした。こう言っては何ですが、このチームは僕が試合に出ている時間帯における僕自身の出来によってチームが変わるので、前半のパフォーマンスが良くなかったことがチームの調子にも影響が出ていたので、後半も前半と同じ出来で終わっていたら、もしチームが負けたら自分のせいだと思っていました。

相手は町田ですし、これで負ければ僕はどれだけ叩かれるか分からないなと思っていました。「今日は自分がゲームを決めないといけない日だ」と思って、試合会場に来ました。体とボールの相性が悪い中でヤバイなと思いながら前半は試合が進んでしまったので、後半に入るときに『今日はこのまま終わるわけにはいかない』と、メンタリティーを整えて、後半に臨みました。その中で結果が出たので、それは本当に良かったと思います。前半が終わるまで、内心はヒヤヒヤしながらプレーしていました」

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