「ゼルビアTimes」郡司聡

【マッチレビュー】Fリーグ第29節・町田vs浦安/悔恨の逆転負け。ペスカドーラ町田、プレーオフ進出は次節以降に持ち越し

■SuperSports XEBIO Fリーグ 2016/2017 第29節・1月22日(日)16:30キックオフ
町田市立総合体育館/1,976人
ペスカドーラ町田 1-3 バルドラール浦安
【得点者】町田/10:23 森岡薫 浦安/16:22 荒牧太郎 25:04 星翔太 37:27 藤原潤

▼町田の前傾姿勢を突いた浦安

 

勝てば無条件でプレーオフ進出が決まるペスカドーラ町田は、ホームの大声援をバックに試合開始早々から積極的な守備をしかけた。キックオフの瞬間、ボールホルダーだったバルドラール浦安・中島孝へ中井健介がアプローチ。そのままボールを奪い、ファーストシュートを放った。「守から攻の形がハマって、ある程度自分たちの形に持っていくことはできたと思います」と滝田学。ホームの大観衆の前でプレーオフ進出を決めたい町田の気迫が充満する試合の立ち上がりとなった。

ところが、この前傾姿勢が仇になったのか、9分57秒には6つ目のファウルで浦安に第2PKを献上。小野大輔による第2PKは守護神、ピレス・イゴールが阻止して事なきを得たが、早い時間帯に5ファウルが溜まったことで前からのプレッシングというチームの狙いが削がれる遠因となった。

それでも、先制点を奪ったのは町田だった。10分23分、森岡薫がドリブルから右足を強振。日本代表GK藤原潤のニアサイドをブチ抜く強烈なシュートが決まり、町田が待望の先制点を奪った。

後半に入れば、ファウル数もリセットされるため、チームの戦い方を取り戻すきっかけを作れるーー。そんな町田のプランがワンプレーで崩されてしまう。16分22秒、中島のプレースキックから浦安のフィクソ・荒牧太郎にミドル弾をブチ込まれて、町田は試合を振り出しに戻されてしまう。

「ファウル数がリセットされる後半は積極的に行こう!」

ハーフタイムでそう声を掛け合って、後半を迎えた町田の選手たち。勝ってプレーオフ進出を決めたいホームの町田と負ければプレーオフ進出が遠のくアウェイの浦安がガチンコでぶつかり合った試合は、一進一退の攻防が続き、拮抗した展開となった。

かくして、1-1で推移した試合はゲームの潮目を迎えた。前からのプレッシングの強度を強めていた町田の裏を突くーー。エースの星翔太が大けがから復帰し、チームの決定力と経験値が確実に高まっている浦安は、一瞬の隙を逃してはくれなかった。

迎えた25分4秒。浦安の加藤竜馬にボールを奪われると、浦安のカウンターを食らい、最後は星にイゴールとの1対1を制されて失点。「相手がプレスに来た裏を突くようなカウンターのシーンが後半に必ず生まれると話していた」(星)という浦安の戦略にまんまとハマってしまい、町田は逆転弾を奪われた。

終盤は捨て身のパワープレーを敢行。まずは同点を狙った町田だったが、37分27秒にパワープレー返しから藤原に追加点を奪われて万事休す。1,976人と2,000人近い大観衆を飲み込んだホームアリーナのサポーターの前で、町田は失意の敗戦を喫した。

この結果、町田のプレーオフ進出決定は次節、名古屋セントラルでのアグレミーナ浜松戦まで持ち越し。今季、エスポラーダ北海道から移籍してきた室田祐希は「時には結果を忘れることも必要。今日の結果は良い意味で忘れて、次の試合で勝ち点3を持ち帰ってきたい」と話し、前を向いた。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

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