「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第2節・讃岐×町田/讃岐・北野誠監督、清水健太選手、渡邉大剛選手、町田・相馬直樹監督コメント(4,493文字)

■明治安田生命J2リーグ第2節・3月5日(日)13:00キックオフ
Pikaraスタジアム/4,806人
カマタマーレ讃岐 2-2 FC町田ゼルビア
【得点者】讃岐/82分 仲間隼斗、90+1分 馬場賢治 町田/45分 中島裕希、90+5分 松本怜大

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは遠く丸亀までわれわれゼルビアを応援してくださるサポーターの方々に来ていただき、非常に大きな声でサポートをしてくださったことに感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。一緒に勝ち星を持ち帰りたかったのですが、最後に勝ち点1を持ち帰ることになりました。サポーターの方々のエネルギーがあったからこそ、最後に追い付いて勝ち点を持ち帰ることができました。まずはありがとうございますとお伝えしたいです。

ゲームのほうですが、讃岐さんとのゲームは球際の激しい攻防が展開されるゲームになることは予想できていました。そういう中で前半の立ち上がりはどちらかというと、讃岐さんのペースで試合が進み、その勢いが止まったところから、われわれの時間帯になった中で点を取ることができました。ただリードして折り返すということはどうしても難しい展開になりがちです。ハーフタイムに選手たちには、前へ出る姿勢を持つこと、ボールを持つことを怖がらずに自分たちからしかけるようにしようと話して送り出しのですが、立ち上がりこそは前に出られましたが、次第に自陣に押し込まれる展開が多くなった中でセットプレーから追い付かれてさらに逆転されるという展開になりました。

一度逆転されたことやわれわれが追い付いたことを含めて、それがサッカーの難しさでもあると思います。今日は勝ち点1を持ち帰りますが、勝ち点3を取ることは簡単ではないなとあらためて認識した次第です。それを思い知らされました。その一方でアウェイの地で勝ち点を失った中でも勝ち点を持ち帰れること、非常に両チームの選手がタフな戦いをした中で勝ち点を持ち帰れることは自信にしても良いですし、この勝ち点1を次につなげられるようにしていきたいと思います」

ーー今節対戦した中で、昨季と今季の讃岐の違いをどう感じられましたか?
「後半はもう少し運動量が落ちてくるかなと思っていましたが、終盤までエネルギーが続いたなと思っています。選手たちも決してそう思っていたわけではないと思いますが、リードを守りに入ってしまったことが、少しずつ相手に流れが行ってしまった原因なのかなと思っています。われわれも讃岐さんも先発メンバーの平均年齢が高いチームなので、終盤はもう少し運動量が落ちるかなと思ったのですが、讃岐さんは昨季よりもエネルギーが最後まであったと感じています」

ーーここまでの話と重複する部分はあるのかもしれませんが、先ほどのフラッシュインタビューの中で、「勝ち点1を得たというよりも、自ら勝ち点2を手放したようだった」とお話されていましたが、そう思う理由の部分をもう少し聞かせてください。
「やはり最終的にリードを守りに入ってしまったことにより、後半は自分たちからしかけるという形を作りにくくなっていました。そうなると、相手がしかけて前がかりになるため、相手は前がかりのままセカンドボールを拾ってきますから、対戦相手のチーム全体が前がかりになる時間帯が増えていくことになります。そうなるとわれわれも前へ出て行けなくなります。今日の試合で言えば、後半15分ぐらいから、相手が前がかりになる時間帯が増えていったと思います。

勝利を目指して戦っているため、勝ち点3を持ち帰りたいという気持ちがある中で、1点をリードしている。そういった状況下にあることで攻める姿勢を少し弱めてしまったかなと。そういった姿勢が讃岐さんの追い付きたい、逆転したいというエネルギーを引き出してしまったのかもしれません。細かい部分は映像を見て振り返らなければ分かりませんが、勝ち点ゼロだったかもしれない状況を勝ち点1にして勝ち点を持ち帰れる状況を作り出したことは、大きかったと思います。昨季を引き合いに出せば、開幕戦で負けた次の第2節で京都さんを相手に、土壇場で追い付いたという経験がありますから、先につながる勝ち点でもあると思っています。ここまで話してきたような反省点はありますが、次につながる勝ち点1であると感じています」

 

■北野 誠監督(讃岐)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「結果は残念でした。よく我慢をしてくれて、逆転して逃げ切るというか、あとは(最後のCKを)はじき返すだけでしたが、誰一人としてサボることはなく集中していたと思います。そこで点を取られたということはまだまだ隙があったのかなと思います。試合全体を振り返れば、前半の立ち上がりに押し込んだ時間帯であまり前に行けず、エブソンが出血をして二度ピッチの外に出たことで少しチームがバランスを崩してしまったのかなと思います。サッカーはあのような場面で流れが変わりますし、後半は自分たちがやりたいこともできていました。最後のCKでやられたということは僕の指導力不足なので、次回は丸刈りにして……、それは冗談ですが、頑張りたいと思います」

ーー先発で出場した原一樹選手の動きと途中出場でゴールを決めた馬場賢治選手はいかがでしたか?
「カズキ(原)はけが上がりで90分間今季初めてプレーしました。まだこれからだと思います。ケンジ(馬場)は途中出場でしたが、前節は調子が良くなかったので、今節の先発落ちは悔しいと思いますが、それでも途中からゴールを決めてくれることが彼の良さでもあります。その点では良かったのではないかと思います」

ーー終了間際に追い付かれての引き分けという結果に対しての悔しさはいかがでしょうか?
「これだけお客さんが入っていただいている公式戦の中で、勝利を届けられなかったことは申し訳なく思っていますが、次節がまたホームゲームなので、この悔しい思いを次節につなげれば、5,000人を超えるお客さんが入るんじゃないかと思います」

ーー試合後の選手たちの様子はいかがでしょうか?
「選手たちは落ち込んでいましたが、建設的な話をしていました。もっともっとという話をしていたので、次にはつながると思います。この1週間準備してきたことはできたと思います。奪ったあとのドリブルかパスの選択か。ハーフタイムにも話しましたが、その判断が遅かったです。ホーム開幕戦なので、かっこいいところを見せたいという気持ちが強過ぎたのかもしれません。それでも町田さんは前節ジェフさんとすごい戦いをしたので、今年も強いチームです。そのチームに対して対等以上の試合ができたことはうれしかったです」

ーー木島徹也選手から馬場選手に交代した意図を教えてください。
「(木島)徹也が左右に動いて運動量が落ちたことが一つの理由です。馬場はしっかりと1週間準備をしてきましたし、スタートでも出られる選手です。流れも変えられる選手なので、躊躇なく彼を起用しました。彼のゴールに絡むチャンスを演出する力を持っているので、それに託しました」

ーー開幕戦・熊本戦に続いてセットプレーから失点を喫しています。
「前節のCKやスローインからの失点があったので、今週も練習をしてきましたが、同じようなセットプレーの形から失点をしました。それは僕の指導力不足です。一言では片付けられませんが、セットプレーが一つの勝負のアヤになりました。セットプレー一つで流れは変わりますし、だからこそ集中しないといけません。でも選手たちは集中していると思いますし、それでもやられてしまうということはウチが弱いチームということです。やられないように強いチームにしなければなりません。ただ練習をすることで改善できれば、どのチームも強いです。勝つか、負けるか、それが勝負のアヤを生むので、トレーニングから厳しくやっていきたいと思います」

ーー今日の試合から次節・愛媛戦につながっていきそうな手ごたえはつかめましたか?
「まだ愛媛の試合を見ていません。ただホームゲームなのでしっかりと勝ちたいと思います」

 

■GK 1 清水 健太(讃岐)
失点する流れを断ち切りたい
「(セットプレーからの失点について)警戒はしている形でもやられてしまっているので、次の試合でこの流れを切って、自信を付けていきたいと思います。(同点ゴールについて)セットプレーでは起こり得ることですが、あの場面は逃げ切らないといけません。ウチのメンバーは気持ちが強い選手が多いので、映像を見て何かができたと思います。連敗はしたくなかったので、勝利を目指していました。強い気持ちを持って、最後まで戦っていたと思いますが、最後の最後で引き分けという結果になって悔しいです。次の開幕3試合目でこのセットプレーでの失点という流れを切れば、チームが点を取れる雰囲気のあるチームにはなっているので、GKとして選手と協力しながら失点をする流れを断ち切りたいと思います。

(1失点目について)恐らくですが、原因はハッキリしていましたし、個による部分でもあったので、後半ひっくり返そうという反骨心をあおるような話をハーフタイムにはしていました。それで後半は反骨心を出せましたし、逆転までできたので、あとは試合の終わらせ方の問題だと思います。逆転まで持っていけたチーム力を信じてこれからも戦っていきたいです。

(試合後のサポーターからは、「次だ」という話もありました)そういうサポーターの声援があるから頑張れるというか、ブーイングされることがよくある話ですが、それをしないのが讃岐のサポーターの良さだと思います。一緒に成長しようとしてくれていると思います」

 

■MF 5 渡邉 大剛(讃岐)
狙いどおりのCKを蹴ることができた
「狙いどおりの位置にCKを蹴ることができました。試合はお互いにノーリスクというか、相手の裏を突くことを考えながらプレーしていたのかなと思います。セカンドボールをどちらが拾えるか、そこでゲームの流れをいかにつかむか。そういった攻防の中で時間が推移していったようなゲームでした。個人としてはボールに触る機会が少なかったのですが、後半は次第に間も空いてきたので、セカンドボールを拾って、下のボールを使って攻められればと思っていましたが、ロングボールやハイボールが多い展開だったので、我慢しながら隙を見せずに戦えればと思っていました。

(今季の讃岐はベタ引きの戦い方ではないようですね?)ある程度の位置でブロックを作ってゴール前に引かないようにすることは意識しています。今日の僕のポジションはサイドハーフだったので、相手のSBにボールが行ったときもまだ落ち着きがない状態でアプローチをしかけて、ガチャガチャとした展開にできればと良いのかなと思っていました。攻撃では町田が守備のときにボールサイドに寄るので、サイドチェンジは狙っていましたが、あまりそういう形は作れませんでした。今日は勝ち点3を取れるチャンスがあったので、チームには残念な雰囲気がありましたが、次はホームでの愛媛戦なので、早い段階で今季初勝利を挙げたいです」

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