「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第3節・町田×岡山/町田・相馬直樹監督、岡山・長澤徹監督、喜山康平選手、豊川雄太選手コメント(5,865文字)

■明治安田生命J2リーグ第3節・3月12日(日)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/4,205人
FC町田ゼルビア 1-1 ファジアーノ岡山
【得点者】町田/47分 重松健太郎 岡山/57分 オウンゴール

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「ホームゲーム2試合目の岡山戦、肌寒い日曜日でしたが、われわれを応援するためにたくさんの方々に集まっていただき、ありがとうございました。一緒に勝ち点3を取って喜びを分かち合いたいと思っていましたが、残念ながら勝ち点1という結果になりました。勝ち点1が妥当だったか分かりませんが、これが結果です。ただ最後まで足を突き動かしてくれたファン・サポーターの方々の期待と熱いサポートに感謝したいと思います。

ゲームのほうは立ち上がりから、今日も自分たちからしかけることをやっていこうと選手たちに伝えてピッチへと送り出しましたが、試合の立ち上がりは非常に良い形でゴールに迫る形を作れました。本来ならば、その時間帯に1点や2点を取れると、いろいろな意味でゲームの流れが変わると思いますが、点を取れずにいたことで少しずつ前へ行く姿勢が失われた中、相手の前へ出る勢いが出てしまいました。あらためて自分たちがその姿勢を持ち続けることが難しいということを再認識できましたし、前へ行く姿勢を保ち続けられないと、劣勢になってしまうんだなと感じながら、前半の残りの時間を見ていました。

後半はもう一度前から行こうと積極的に戦っている中で、セットプレーからゴールが入り、そのあと戸島の“幻のJ2初ゴール”などもありましたが、選手たちは最後まで、昨年プレーオフに進出した岡山さんに対して、ゴール前で体を張る場面を作ってくれました。相手のシュート数3本という結果はシュートをブロックする場面が多かったという証でもありますから、選手たちが試合を通じて、勝利に向かって努力する、チャレンジする姿勢を見せてくれたことに感謝しています。ただそれでも勝てないということは、何か足りないことがあるということですが、われわれが突き進んでいる道は決して間違ってはいません。また選手たちと勝ち点3に変えていく、何かを足していくための準備をしていきたいと思います」

ーー戸島選手の“幻のゴール”のあと、ピッチの中の選手たちの様子や状況を、どのように監督は見ていましたか?
「選手たちは思ったよりも、動揺なく試合を進められたと思います。ただ試合が終わったあと、特に後ろの選手たちは『何があったの?』と確認するぐらいでしたから、あれだけのことがあったあとに、レフェリーがスタジアム全体やピッチの選手たちに対しても説明をしておく必要はあったんじゃないかと思っております。

ただガッカリするような展開の中で、チームが崩れて岡山さんに追い付かれたとは思っていません。失点の仕方はミスが出てしまいましたが、チームとしての集中力のボリュームが落ちたことで失点が起きたとは思っていません。判定が覆るようなことは普通はないことですが、それが起きたときにも、選手たちは良く対処してくれたと思います。最後に追加点をもぎ取って、勝利に持って行けたら、チームとして大きく成長できたと思います。ただ幻のゴールがあったあとも大きく崩れなかったことは、われわれの成長かなと思っています」

ーー後半はディフェンスのミスが出て、さらにSBへ付けるパスでコミュニケーションのミスも目立ちましたが、そのあたりをどのように修正していくお考えでしょうか?
「本人たちも分かっていると思いますので、特別なことではないと思っています。パスを出すマインドの部分で、早く前へパスを出したいという思いと、パスを出す準備はできていたけれども、出せなかった部分もあったと思っています。相手がSBのところでボールを奪うようなケースもあり得ると思います。当然そういうミスを減らさなければなりませんが、本人たちも分かっているとおり、個人的なコミュニケーションミスに過ぎないと思っています。あまりネガティブに引っ張る必要はないと思っています」

 

■長澤 徹監督(岡山)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「今日のゲーム前に、なぜわれわれがチームとして集まってチャレンジをしているのか。それは岡山のサポーターのみなさまとともに、一緒になって戦って挑戦することだと確認して試合に臨みました。今日の試合では勝ち点1を積み上げることができて、サポーターの方々と一丸となって戦えた感覚を持っています。ただ失点の場面を含めて、もったいない部分もありましたので、次の試合に向けて修正して臨みたいと思います。

町田さんと対戦するときは、ルーズボールなどの局面から入るケースが多いので、そういう状況を想定したトレーニングを積んできました。セカンドボールを拾ったあとの展開で相手よりも半歩先にボールへ行けるとペースを遅れますが、それで後手に回ると相手にペースを握られてしまうので、そういう状況を想定してトレーニングをしてきました。

立ち上がりの最初の15分はペースを握られましたが、目が慣れてくるとわれわれがペースを握って、想定内の下、試合は進んだと思います。後半の立ち上がりの失点の原因は選手たちが分かっていることだと思いますし、なぜそういうことが起きたのか、それを把握しながら、あの場面をしっかりと抑えていけば、勝ち点1を勝ち点3にできるチームになっていくだろうなと、今日の試合を見ながら思いました。オウンゴールではありましたが、追い付いた事実は大きいです。

ただペナルティーエリア内にフリーで持ち込む場面が多々ありましたが、思い切りの良さと、ウチは正直な人間が多いので、相手の裏をかくようなプレーや賢さをピッチ上で発揮できれば、勝ち点3を手繰り寄せられるのかなと思っています。

相手にプレッシャーをかけること、戻って守備をすることなどはほぼパーフェクトにこなせています。ここからは想定内以外のことへの対応力が問われてくるのですが、今日の失点のように痛い思いをしながら、チームとしては次第に前へ進んでいるという感覚は持っています。しっかりとこういうゲームを勝ち点3に持って行けるチームを作っていきたいと思っています。これまで町田さんと戦ったゲームの中では、最もアグレッシブに戦えたゲームだったのかなと捉えています。引き続き、キワの部分にこだわっていけば、チームとしての形は見えてきていますから、今後は勝負強いチームを作っていきたいと思います」

ーー今日は布陣を変えて中盤を厚くするような形だったと思いますが、その狙いを教えてください。
「われわれ側の分析では、町田さんはプレッシャーをかけても早めに決まった地点にオートマチックにボールを送り込んでくるので、そこにプレッシャーをかけ切れれば良いのですが、その前に相手がボールを送り込んでくるという分析の結果でしたので、パスを送り込む地点に下がる準備をして、セカンドボールを拾い上げる人数をそろえるために中盤の人数を厚くしました。前半の立ち上がりは入り込まれたのですが、関戸(健二)と渡邊(一仁)を中心に、ボールを拾ってゲームを落ち着かせることはできました。狙いはしっかりと表現できましたし、選手たちがうまく対応をしてくれたと思います」

ーー若いFWを起用していますが、それは彼らの成長を期待してのことでしょうか?
「われわれはそれに懸けているクラブですし、そのチャンスがあることは本人たちが自覚していることでしょう。ただチャンスを目の前にしたときに、その判断が硬かったので、ボックスの中では大胆に行く部分と相手の裏をひょいと突く部分は、トレーニングの中で成功体験を積み重ねることが王道だと思っています。チャンスが形になることが大事だと思っていますので、仕上げの部分は根気強くやっていこうと思っています。一発切り開くと、一気に見えてくる世界だとも思うので、チャンスの場面を作ることに徹してやっていこうと思っています」

ーー二人目の交代選手となった石毛(秀樹)選手に期待したことは何でしょうか?
「アグレッシブにスプリントをかけながら、相手のボールを奪うところや彼の機動力にかけました。彼も仕上げのできる選手ですし、一つ、ボックス内に入る場面もありましたが、あのような場面でもう一つ、ドリブルで入っても良かったのかなと思います。彼も正直な選手ですが、相手にとって嫌なことができる才能の持ち主でもあると思います」

 

■DF 14 喜山 康平(岡山)
この勝ち点1をポジティブに捉えたい
「町田さんと対戦するときはこういう試合になります。シンプルに背後を取ってくるチームですし、前半はうまく対応できたと思います。後半はセットプレーから点を取られて、出鼻をくじかれたのですが、よく追い付いたと思います。きれいな試合ではなかったですが、1年を通せばこういう試合はあります。勝ち点3を取れれば良かったですが、この1ポイントをポジティブに捉えて、次のホームで勝てるようにしたいです。開幕戦からの試合を教訓にしながら、これからも上積みしてやっていきたいと思います。

(オフサイドの場面は、喜山選手を中心に判定に異を唱えたようですが?)僕から見て、相手のFWの選手がオフサイドポジションにいましたし、GKの前で止まっている感じがしました。シーズン前のルール講習会では、あのような場面でもオフサイドになると聞いていましたし、いきなりのことでレフェリーも冷静なジャッジはできないと思いますが、レフェリーと副審が話をしてそういう判断をしてくれました。絶対にオフサイドだと思ったので、確認をしました。GKを邪魔するようなポジションだったことを指摘しましたし、それによってGKも反応が遅れるだろうという話をしました。レフェリーの方も勇気のある決断だったと思います。連続2失点となると、難しい試合になるので、少し冷静になって戦えたと思います。

(オフサイドだろうと伝えたときのレフェリー陣の反応は?)レフェリーの位置では分からないだろうから、副審の方に確認するように促して、「(中島が)前に出てGKの前で止まっていましたよね」という話をしました。そのあと、レフェリーの方と副審の方で話し合って決めたようです。オフサイドだろうと僕が思ったからそういう行動をしましたし、勇気を持って、レフェリーの方が決断をしてくれました。でも勝てなかったことは真摯に受け止めて、最後まで戦う姿勢は出せていたと思います。その姿勢をこのチームはなくしてはいけないと思います。一歩一歩進んでいると思うので、次の試合で勝ちたいと思います。

(2月に宮崎で町田とトレーニングマッチを戦っていることはアドバンテージになりましたか?)町田さんはやり方は変わっていませんし、それをトレーニングマッチで確認してこの試合に臨めたことはアドバンテージになったと思います。(この勝ち点1は今後どんな意味を持ってきそうですか?)気持ちの部分は出せていましたし、開幕3試合で勝てないことで疑ってしまうことはあるかもしれませんが、大事なことはブレずにやり続けることです。最終的にシーズンが終わるときにどの位置にいるか、それが重要なこと。どの国のリーグでも1年を通してずっと良い時期はありませんので、毎試合学んで上積みしていくことが大事です。少しでもチームとして、個人として、成長できるようにやっていきたいです」

 

■FW 30 豊川 雄太(岡山)
試合の中でもっと臨機応変にやらないと
「こういうときもあるし、個人としては不完全燃焼に終わりましたが、こういう試合もあると思います。今日に関しては相手のこともありますし、結構裏に蹴っていく形が多かったです。最後は相手も読んでいましたから、試合中にやり方を変えながら戦うか、それは重要なことです。今日の前半は相手の背後を取る形がありましたが、後半は蹴ってばかりで相手も怖くなかったと思います。試合の中で臨機応変にやれればと思います。

攻撃が単調過ぎました。(伊藤)大介くんや(関戸)健二くんなど、パスを出せる選手はいたので、そこをもっと使っても良かったのかなと思いました。やはり3試合で2点は少ないですし、あまり昨季と比べたくはないですが、攻撃の迫力はまだまだという感じはします。自分を含めて、もっと脅威にならないと、自覚を持ってやらないといけないですね」

(オフサイドの場面は?)僕から見て、相手のFWの選手がオフサイドポジションにいたし、GKの前で止まっている感じがしました。ルール講習会での話もあのような場面でもオフサイドになると聞いていましたし、いきなりで冷静なジャッジはできないと思いますが、レフェリーと副審が話をしてそういう判断をしてくれました。絶対にオフサイドだと思ったので、確認をしました。GKを邪魔するようなポジションだったことを指摘しました。そこでGKも反応が遅れるだろうという話をしました。レフェリーの方も勇気のある決断だったと思います。連続2失点となると、難しい試合になるので、少し冷静になって戦えたと思います。

(オフサイドだろうと伝えたときのレフェリー陣の反応は?)レフェリーの位置では分からないだろうから、副審の方に確認するように促して、「(中島が)前に出てGKの前で止まっていましたよね」という話をしました。そのあと、レフェリーの方と副審の方で話し合って決めたようです。オフサイドだろうと僕が思ったからそういう行動をしましたし、勇気を持って、レフェリーの方が決断をしてくれました。勝てなかったことは真摯に受け止めて、最後まで戦う姿勢は出せていたと思います。その姿勢をこのチームはなくしてはいけないと思います。一歩一歩進んでいると思うので、次の試合で勝ちたいと思います。

(2月に宮崎でトレーニングマッチを戦っていることはアドバンテージになりましたか?)町田さんはやり方は変わっていませんし、それをトレーニングマッチで確認してこの試合に臨めたことはアドバンテージになったと思います。気持ちの部分は出せていましたし、開幕3試合で勝てないことで疑ってしまうことはあるかもしれませんが、大事なことはブレずにやり続けることです。最終的にシーズンが終わるときにどの位置にいるか、それが重要なこと。どの国のリーグで1年を通してずっと良い時期はありませんので、毎試合学んで上積みしていくことが大事です。少しでもチームとして、個人として、成長できるようにやっていきたいです」

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ