「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第6節・町田vs岐阜/町田・相馬直樹監督、岐阜・大木武監督、難波宏明選手コメント(4,688文字)

■明治安田生命J2リーグ第6節・4月1日(土)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,819人
FC町田ゼルビア 0-1 FC岐阜
【得点者】岐阜/71分 難波宏明

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは4月に入った時期にもかかわらず、寒い雨も降るような気候の中、われわれを応援に来てくださった方々にありがとうございますと感謝を申し上げたいと思います。まだ今季はホームで勝利を喜べていないため、勝利の喜びを分かち合いたかったのですが、それができずに残念です。結果を残せず申し訳ない気持ちでいますが、選手たちは最後までよく戦ってくれたと思います。今日の試合を勝利に持ち込めなかったことに対する私の力のなさを感じています。今日のところは負けてしまったという悔しいといったいろいろな気持ちはありますが、次の試合に向けてしっかりと切り替えていくことが必要かなと思っています。

立ち上がりは自分たちがリズムを作り、決定機を作りながらも、その時間帯で点を取れるか取れないか。それは試合の流れを大きく決める要素ではあります。その時間帯に点を決められずに、自分たちがリズムを作った時間帯が過ぎると、岐阜さんのポゼッションが続く展開となりましたが、それほど危ないシーンを作られることもなかったと思います。

ただ前半は攻撃への切り替え、特にボールを奪ったあとの一手目がうまくいかなかったです。そのため、ハーフタイムを挟んで、一手目のところで前にボールを出して、前でポイントを作れるか。そういうことが後半は必要だという話をして選手たちを後半に送り出しましたが、チーム全体としてはコンパクトさがなくなり、行ったり来たりした展開の中で、リスタートから失点を喫しました。

失点場面について、こちらも選手交代の準備をしていたので、それほど流れが見えていなかったのですが、ベンチワークを含めてもう一歩早く動く必要があったのかもしれません。失点をしたあとは押し込む展開になったのですが、点を取ることができなかったので、あと一歩何かが足りないということだと思います。

今日の試合を通して全体的に感じたことは、少し自信というものが小さくなっているなと感じました。昨季がそうだったように、少し勝つことに慣れているのかもしれません。自分たちの立ち位置を見ながらしっかりと足を据えて戦い、自分たちを信じることを少しずつ大きくしながら、次の試合、その先の試合に向かっていければと思っています」

ーー2点あります。まずは最終ラインの選手起用について、いろいろな選択肢がある中で新加入の増田選手を先発で起用しました。その理由を聞かせてください。もう一点は、後半の立ち上がりから岐阜に押し込まれる展開になりましたが、その原因は先ほどのお話に出てきたコンパクトネスがなくなったこと、選手が自信をなくしていることが影響したからなのでしょうか?
「1日短い準備期間の中で、土岐田もけがでメンバーから外れることも含めて、最終ラインに関しては再構築が必要でしたが、マグ(増田)でトライしようと決めました。チームのやり方自体に関しては1年前の2015年も一緒に戦っていて、当時から大きくやり方は変わっていませんので、アジャストすることはそれほど難しいことではないかなと思っていました。

ただゲーム勘は不足しているだろうとは思っていましたが、声やコーチング、押し込まれたときでも頭が下がるというよりも、人のお尻を叩くことがポジティブにできるというパーソナリティーの部分にも期待して彼を起用しました。久しぶりのフル出場だったと思いますが、良くやってくれたと思っています。またプレーの精度もやっていくたびに上がっていくと思っています。

後半に関しては、全体的に前でポイントを作れなかったことも原因の一つですし、後ろがなかなか前へ行けなかったこともその原因の一つとなりました。前へ出て行ったときに、全体が押し出せていれば良いのですが、全体が押し出せないまま、反対にサイドを変えられるシーンもありましたし、逆サイドから中へ持ち込まれるシーンも次第に増えていったと思います。

後半は前半と比べるとそういう形が増えてしまいました。コンパクトさがなくなってきたことがその原因でしょう。またボールを保持できる場面で保持できなかったりする場面もありました。それは自信の欠如がそうした影響につながっていると思います。

まずベースとして、背後を突く形はチームとしてやっていることですが、ボールを保持できるときは保持すること、いくつかの選択肢がある中で、自信を持って前へ行くことも時には必要です。今後の戦いに向けて、自信を付けることを含めて、チームを成熟させていかないといけないのかなと思っています」

 

■大木 武監督(岐阜)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「負けてもおかしくない試合でしたが、粘り強く戦って、勝つことができました。これを続けていくことが大切だと思いますので、しっかりと準備をして次の試合を迎えたいと思います」

ーー1-0の勝利で今季初の無失点試合でした。何度かピンチもあったと思いますが、選手が粘り強く戦ったと思います。無失点で切り抜けられたことについて、監督の評価をお願いします。
「いま言われたとおりです。セットプレーで点を取られていましたが、セットプレーで点を取られなくなりました。それでも、これまでの試合ではちょっとしたところで点を取られてしまい、勝ち星が拾えなかったのですが、今日はGKのファインプレ―などいろいろあったことにより、粘り強く守って無失点で抑えられたことは一つの進歩だと思います。それで勝てたことが本当に良かったと思います」

ーー得点シーンについて、素早いリスタートから古橋選手が粘ってクロスを上げて、難波選手がここしかないだろうというところに技ありのヘディングシュートを決めました。難波選手への評価をお願いします。
「古橋選手にパスを出した福村選手も含め、良いプレーがつながったと思います。素早くプレーして、古橋選手が縦に抜けました。いつも言っている『どこを差し置いてもニアには必ず入れ』と話していることを難波選手はしっかりとやってくれる選手です。ウチの中では一番点を取れる選手なので、しっかりとそこに入ってきてくれて合わせてくれました。本当に良かったと思います」

ーー今週の準備期間でCBの守備面での戦術的な理解度について言及されたことがあったと思います。今日の試合は選手たちの体を張ったプレーが印象的だったのですが、今日の試合の最終ラインの出来はいかがでしたか?
「一番気にしていたことは、自分たちがボールを持ったときに、守備の準備ができていないということ。今日は攻められることが少なかったので楽だったと思いますが、その準備は普通にできていて、良かったと思います。ただ、一つ付け足すと、アンカーの庄司選手の両脇を取られることがあり、なかなか修正できませんでした。自分たちでもう少しボールを持てれば良かったと思います。CBは良かったのですが、アンカーの両脇のスペースを突かれたことは修正点だと思います」

ーー攻撃面に関して、毎試合しっかりとボールをつないで崩していくという形で、今日は点数も取れて、完成度がどんどん高まっているという印象があります。攻撃面の完成度についての印象はいかがですか?
「今日は攻撃ができなかったという思いが正直なところです。相手の背後を狙うことはできましたが、自分たちがボールを保持することはできませんでした。ボールを保持をすることが目的ではないのですが、もう少し大事に運ぼうという場面では、少し楽をしたというか、大事に運ぼうとする意識が欠けていたという気がしています。攻撃の完成度が上がっているというよりも、練習でやってきたことの一部ができたということかもしれないです。もっとたくさん、その部分をできるようにやっていかなければいけないと思います」

ーー難波選手が、監督にデキモノができてここまですごく大変そうだとおっしゃっていました。
「ヘルペスができました。体は正直で、ヘルペスは抵抗力がなくなるとすぐできるものです。体が疲れたりすると必ずできると思います。それが今週なくなりました。体は正直で、いくら意地を張っても出てきてしまうものです。チームのことでそうなっているのか、ほかのことでそうなっているのか、よく分からないですけど、難波選手はそういうことを気にしてくれたのだと思います。申し訳ないですね。選手に心配されているようでは監督としては失格です」

ーー6試合目での初勝利になりましたが、感想をお願いします。ここまで長かったですか?
「すごくうれしいですね。長くはなく、早かったです。本当にうれしいのですが、どんどんゲームがやって来ます。早く次のゲームが来てほしい。ゲームをやるのが楽しみで仕方がないです。もちろん負けているということは、ヘルペスができるくらいツラいことなのかもしれませんが、そんなに頭を抱えるような感じではなかったです。選手もコーチングスタッフもグラウンドスタッフも本当によくやってくれていたので、苦にはならなかったです。それで勝てたのがうれしいですね」

 

■FW 24 難波 宏明(岐阜)
難波が試合に出続けるにはゴールが必要
「僕自身も点を取っていなかったですし、チームとしても勝っていないので気持ちが入っていました。1-0で勝ててチーム自身も僕自身にとっても良かったです。僕は足元が下手くそですし、ほかの選手との違いを見せるにはゴール前のクオリティー
しかありませんでした。ほかのこともこなして、点を取るのは最前線の選手の役割。それに今後もこだわってやっていきたいです。クロスボールからシュートまで持ち込む形はあまり練習していませんが、僕があのポジションにいる場合は、周りの選手に対して、『オレを見ろ』とは練習から伝えてあります。

でも、そうした場面でパスを出さなくてもいいんです。僕がゴール前であのポジションを取ることでボールホルダーの選手へのプレッシャーが緩くなれば、その選手がドリブルをしかけることができますし、中がないと外も生きないので、そういうことができればいまのサッカーを有効に進めることができると思います。

僕があのポジションを取ることでパスを出せるようならば、パスを出してほしいです。ただボールを上げる布石があるから、ほかの選手のドリブルやミドルシュートが生きてくると思います。一番はゴールを決めることですが、スアレスやメッシやネイマールではないので、僕は毎試合2点も3点も決めることができないので、ロングボールやセカンドボールで泥臭く競ること、そういうことをやらないといけません。それは続けていきたいです。

今日は終わったことで次の試合で決めないとポジションはありません。2、3週間前から大木さんの唇の下にデキモノができていて、相当悩んでいるんだろうと。今日はどうしても僕の1点で勝ちたいと思っていましたので、その気持ちだけで取ったゴールです。次の試合では違うシチュエーションになると思います。最終的に難波が試合に出続けるにはゴールが必要です。

(得点シーンについて)僕を昔から見ている人には意外に映るかもしれませんが、それだけ僕がうまくなっているということでしょう(笑)。勝利を待っている県民やスポンサーの方々など、いろいろな人が勝利を待っていると思いますので、次はホームで形にしたいと思います」

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